20歳の池田美優が受けているのは「おじさんウケ」か「ハラスメント」か

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池田美優Instagramより

 V6の城島茂(48)が24歳年下女性と結婚し、世間を賑わせていた。世の中にはうんと年上の男性に好意を抱く若い女性もいるが、そんな恋愛を“ナシ”と思う女性もいる。どちらも当たり前のことなのだが、後者の態度を取るモデルでタレントのみちょぱこと池田美優(20)が女性ファンの賞賛を集めているのはなぜなのだろうか。

 10月6日放送のラジオ番組『♯みちょパラ』(ニッポン放送)で、リスナーから「もし有吉弘行(45)さんに告白されたら付き合いますか、付き合いませんか?」という質問を受けたみちょぱ。

 みちょぱは「年齢考えてよ、まず」と笑いつつ、「最近、(有吉さんと)お似合いとか良いコンビとかすごい言われる。結婚しちゃえば? みたいな」と明かした。そのうえで「でもさ、有吉さんだってもう40代半ば? 45歳ぐらいですよね。私のママ、48歳よ?」「お互いナイわ。私もナイし、あっちもナイと思ってるからね」と、交際の可能性を“ナイ”とキッパリ否定したのだった。

 3日放送の『アメトー―ク!』(テレビ朝日系)にゲスト出演した時も、みちょぱが中年の男性芸人たちから言い寄られるシーンがあった。この日、番組では平均年齢48歳の“オジさん”芸人を集めてトークを展開。

 番組冒頭で、みちょぱは母親が芸人たちと同年代であることを明かし、「私から見たら、40歳でも、もうおじさんですよ」と直球を投げる。おぎやはぎの小木博明(48)が「みちょぱ的には、俺らは男としてナイの?」と質問を飛ばすと、みちょぱは「え、いや、あると思ってた?」と驚きの表情を浮かべ、「ナイです、ないないないない!」と、これまたハッキリと否定した。

 もちろんバラエティ番組の楽しいワンシーンであり、オジさん芸人軍団としても、みちょぱとしても、“お約束”のような流れだっただろう。ただ、みちょぱの態度は痛快で、女性視聴者たちの胸を打ったようだ。SNS上では、「みちょぱ、よく言ってくれた!」「あると思ってた? は超名言」「ガツンと言うところがさすがみちょぱ」などスカッとしたとの感想が多い。

 みちょぱの物怖じしない態度は、これまで数多登場しては消えていった「おバカタレント」のそれとはどこか違う。常識的な相手に「失礼なこと」を言って笑いを誘うのではなく、非常識な相手に「あなた失礼ですよ」とツッコむ、いわばツッコミ型なのだ。

 そんなみちょぱが女性たちの賛辞を集めている背景には、とくに若い女性を取り巻く“オジさんウケ”問題が潜んでいる。

“オジさんウケ”を担わされる若い女性たち

 年上の男性から食事などに誘われた経験のある女性は少なくないだろう。そうしたお誘いを全て「言い寄られた」「恋愛対象に入れられている」と解釈するのは誤解かもしれないが、ただしポイントとなるのは“断りづらい”という点だ。

 学校の先輩や職場の上司など、年上の存在は、得てして立場も上になる。そして、多くのハラスメントは上下関係という立場の非対称性のもとで起こりやすい。男女どちらも加害者、被害者になる可能性があるが、ここでは便宜上、職場における男性上司と女性部下のセクハラ問題に喩えてみる。

 男性上司から食事の誘いを受けた時、女性部下は本音では断りたくても「断わったら仕事に支障をきたすかも」という懸念から承諾することがあるだろう。それを脈アリと勘違いした男性上司が調子に乗って暴走する、というシチュエーションは、もはや“あるある”といっていいほどよく耳にする。

 男性上司は女性部下を食事に誘うな、というルールを設けたいわけではない。時にはお酒を酌み交わすこともコミュニケーション方法のひとつだし、すべてを色恋沙汰につなげる発想も下品だ。ただそこには上下関係という立場の違いがあることを自覚してほしいというだけである。自覚があれば、相手の対応を「好意だ」「脈アリだ」などと誤解して暴走せずにいられるだろう。

 セクハラ問題とまで話を広げなくても、職場のお茶汲み問題、飲み会のお酌問題など、同じようなシチュエーションは日常的に発生している。女性たちは、いまだに社会から従順さや謙虚さを求められがちであり、とくに若い女性が年上男性の申し出を断ることは、自分の立場を悪くする可能性さえ孕んでいる。若い女性が年上男性に愛想を振りまくことを、時に“オジさんウケ狙い”であざといと見る向きもあるが、全ての女性たちが喜んで“オジさんウケ”を狙っているわけではない。

 ひるがえって、みちょぱの態度を見てみると、全くと言っていいほど“オジさんウケ”を狙っていない。みちょぱにとってオジさん芸人たちは芸能界の先輩であり、目上の人であることは明らか。本心ではオジさんとの恋愛を「絶対ナイ」と思っていても、リップサービスとして「アリかも……?」くらいに濁しておくことだってできるはずだ。

 しかし、みちょぱは「ナシ」と断言してあっさり拒否する。その言動に、みちょぱと同じ20歳前後の女性たちは良い影響を受けるだろうし、かつて若かった女性たちも胸のすく思いをする。そして“オジさん”側も、冷静になって「娘でもおかしくないほど若い女性を口説くのはダサいかも」と気付けるかもしれない。

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