
RADWIMPSのInstagramより
バンドにまつわる迷信はいくつかあるが、その中でも夏〜秋にかけてよく話題にのぼるのが「雨バンド」という迷信である。
雨バンドのはっきりとした定義はないが、「大事なライブの日に雨が多い」「フェスでそのバンドの時だけ雨が降る」といったバンドを指して使われることが多い。
しかしこの雨バンドという都市伝説、知名度のわりには実際に検証されたことはほとんどなく、雨バンドというものが本当にありえるのかも定かでない。
というわけで今回は、雨バンドの代表格と言われており、映画『天気の子」の主題歌でもお馴染みのRADWIMPSについて、「RADWIMPSは本当に雨バンドなのかどうか」を徹底的に調べてみたい。
RADWIMPSのライブの降水確率は「だいたい滋賀県ぐらい」
今回は、RADWIMPSの国内のアルバムツアー213公演について「その日が雨だったかどうか」を調べてみた。(RADWIMPSの場合、初期にはアルバムツアーかどうかがはっきりしないツアーもあるのだが、今回は「アルバム発売の直後に開催されたツアーはアルバムツアー」というざっくりとした定義で調査している)
なお、本当は「フェスでRADWIMPSのステージになったときにどれくらい雨が降り出すのか」を調査したいところではあったのだが、残念ながら気象庁の過去データがそこまで細かいニーズに対応していなかった。雨バンドの真偽を追うためにも、気象庁にはぜひより細かいお天気情報が期待されるところである。
では、まずはRADWIMPSのアルバムツアーで、雨の日がどれくらいあったかを見てみよう。

ライブツアーの降水確率は?
結果は、35.2%。多いのか少ないのか大変わかりにくい数字だが、東京の年間の降水日数はおよそ29%。つまり、このデータから読み取れるのは「RADWIMPS、東京平均よりはちょっとだけ雨バンド」という事実である。
ちなみに、雨の日がどれくらい多いのかは日本の中でも地域によって異なるが、RADWIMPSとぴったり同じ降水確率だったのは、全国14位の滋賀県である。ゆえに、今後、RADWIMPSがどれくらい雨バンドなのかを説明するときは、ぜひ「だいたい滋賀県ぐらい」と紹介してもられば幸いだ。
RADWIMPSライブツアー、一番多いのは「晴れ/曇」
では、雨の日率がだいたい滋賀県ぐらいだったとして、実際はどのような天気の日が多いのだろうか?
気象庁が発表している過去データをもとに、ライブが行われた日の夜間の天気をおおまかに分類してみたのが以下である。

ライブツアーの天気表
最も多いのは「晴れ/曇」。これは「晴のち曇」「晴ときどき曇」「曇のち晴」など、とにかく晴れと曇が混じっている天気のことだ。日本の普通の天気ともいえる。
また、最も少なかったのは「嵐」「雪」などの日で、いわゆる悪天候に分類される天気である。RADWIMPSの場合、ライブツアーは沖縄なども含めた全国をまわっていることが多いため、台風もかなり多いのではないかと予想していたが、意外にも悪天候は少ないようだ。
RADWIMPS、一番の雨アルバムは「絶体絶命」
では、RADWIMPSのアルバム別に「一番の雨アルバムは何なのか」を見てみよう。
RADWIMPSは今までに計9枚のオリジナルアルバムを発売しているが、それぞれのアルバム別のライブツアーでの降水確率を出してみたのが以下である。

一番ライブで雨が降ったアルバムは?
最も雨が多いのは6thアルバム「絶体絶命」。2011年NHKサッカーテーマソング「君と羊と青」などが収録された名盤だが、降水確率はなんと過半数を超える57%となっており、まさにタイトルにふさわしい天気のツアーになったと言えそうである。
また2位につけたのは、2018年フジテレビ系サッカーテーマソング「カタルシスト」収録の最新アルバム「ANTI ANTI GENERATION」。こちらも雨の日が半数となっており、日本の平均を大きく上回る雨ツアーとなったと言えそうである。
また、ボーカル・野田洋次郎も名言している通り、RADWIMPSには雨の日をテーマとした曲が比較的多い。
雨の日の歌はたくさんありますラッド
晴れの日の歌はあまりないです
よろしくお願いします。
— Yojiro Noda (@YojiNoda1) September 21, 2018
代表的なものには
- ・4thアルバム「RADWIMPS4 〜おかずのごはん〜」収録の「傘拍子」
- ・5thアルバム「アルトコロニーの定理」収録の「雨音子」
- ・8thアルバム「人間開花」収録の「アメノヒニキク」
などがあるが、この雨の日3曲が収録されたアルバムはいずれも降水確率が20%以下となっており、ここから「RADWIMPS、雨の日の曲を作ると逆にツアーは晴れるのでは?」という説が有力である。RADWIMPSの雨の日の曲はファンに人気が高いものも多いので、(ライブツアーの天候のためにも)今後も雨の曲を作り続けて欲しい限りだ。
野外フェスやワンマンツアーでは嫌われがちな雨だが、バンドの世界観や作品によっては雨の日の方がぴったり来る場合もある。実際、雨の中で見たライブが忘れられないという方も少なくないだろう。雨バンドとして知られるRADWIMPSだが、個人的にはぜひこれからも雨バンドとしての道を貫いて欲しい。