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神戸の教師暴行事件、「女帝」「ティーチャーカースト」職員室の異常が次々浮き彫りに

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「Getty Images」より

 神戸市立東須磨小で30~40代教師4人が20代の教師3人に暴言や暴行を働いていたことが明らかになった事件で、9日、東須磨小の仁王美貴校長と市教育委員会の幹部らが記者会見を開いた。

 仁王校長は、7月初旬に被害教師からハラスメントの訴えを受けており、問題を把握していたが、市教委には詳細を報告していなかったという。隠蔽の意図はなかったとしたうえで、「私のハラスメント行為への認識が甘かった」と釈明した。仁王校長は昨春から同校に赴任し、今春から校長をつとめていた。

 まだ調査は継続中であるが、学校側は「行為の重大性から委員会とも相談の上4名を公務から外し、今後一切、東須磨の子どもの前での指導を行わせない」との処分を発表。同校では7日から新たな教員を迎えて新体制を敷いていることを説明し、謝罪を繰り返した。

 加害者側の教師4人は、被害教師に対して「バカ」「アホ」などの暴言を浴びせる、コピー用紙の芯で尻がミミズ腫れになるまで叩く、羽交い締めにして激辛カレーを無理やり食べさせたり目にこすりつけたりなどの暴行を繰り返していたことが発覚している。

 カレーを無理やり食べさせる様子の動画も撮影されており、そこには被害者の男性教師が「ごめんなさい。辛いのは好きじゃないんです」と訴え、悲鳴を上げる中で、加害者側の教員たちが手を叩いて笑うなどのシーンが収められていた。被害を受けた男性教師は、9月から療養しているという。

 この動画や写真は事件を伝えるテレビニュースなどでも放送。ネットではすでに加害に加担した教師4人が“特定”されており、個人情報や顔写真が流出・拡散して炎上騒動に発展している。加害教師4人は自宅謹慎処分を受けているが、有給休暇扱いであることもバッシングの一因となっている。

“女帝”による“ティーチャーカースト”が原因?

 驚くのは、少しずつ明らかになってきた加害教師4名の異常な言動だ。

 一部報道では、同校の児童が取材に応じて「(加害教諭は)辛い18禁カレーを食べさせて、食べているところを見るのが面白かった的なことを言っていた」などと証言している。

 さらに仁王校長は9日の会見で、被害教師による「(加害教諭が)『反抗しまくって学級つぶしたれ』と子どもに言っていた」との訴えも明かしている。到底、教職者の言動として信じられないものだが、なぜ加害教師らはここまで増長していたのだろうか。

 8日放送の『グッとラック!』(TBS系)によれば、加害者側の40代女性教師は現校長よりも在校年数が長く、校内での発言力を持っていたという。いじめのターゲットを決めるなど中心的な役割を担っており、さながら“女帝”のような権力を持っていたそうだ。

 同校では、校長が気に入った教師を招き入れる「神戸方式」という人事システムを採用していた。9日の会見において仁王校長は「昨年度しんどくなった教員の中には、前校長と意見が合わなかった教員はいる」と発言していた。教師間に歪な上下関係が存在しており、それが暴行事件の温床になっていたであろうことが窺える。

 8日放送の『とくダネ!』(フジテレビ系)は、こうした目には見えない教師間の上下関係を「ティーチャーカースト」と呼称。ただし、こうした言い換えには違和感も残る。

 この事件を報じるテレビのテロップやネットニュースの見出しには、「教師いじめ」「ハラスメント」などの文言が躍る。しかしこの事件はいじめやパワハラという言葉で括るのが妥当とは思いがたい内容だ。犯罪行為として「侮辱罪」や「傷害罪」が適用される可能性もある。これを「ティーチャーカースト」による「いじめ」「ハラスメント」などと記号化して伝えることは、事件を矮小化させてしまいかねない。

 被害を受けた男性教師ならびに市教委は今後、実態解明を進めると共に、加害教師らの刑事告発も視野に処分を検討しているという。

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