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元f(x)のソルリは女性たちに「もっと自由に生きていい」というメッセージを送り続けていた

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公式インスタグラムより

 14日夜、元f(x)のメンバーで、2015年にグループを脱退してからは女優・タレントして活動してきたソルリが、自宅で死亡しているのが確認された。

 報道によれば、現場からは遺書の代わりに心境を書いたメモが見つかっているそうだが、具体的な内容は調査中であるという。

 f(x)はソルリが脱退して4人体制となった後も活動が続いたが、デビュー10周年を迎えた今年9月にはアンバー、ルナ、ビクトリアが所属事務所・SMエンタテインメントとの契約を相次いで終了(ビクトリアは業務提携を検討中と発表)。グループは事実上の解散となったばかりだ。

ソルリが受けていたネットでの中傷

 ソルリはf(x)のメンバーであった時期から常にインターネット上の批判に心を痛めてきた。異性関係、音楽番組やライブでのパフォーマンス、SNSへの投稿などに対し、様々な誹謗中傷が飛んでいた。

 彼女は脱退前の2014年7月に芸能活動を一時休止しているが、その際、所属事務所は<ソルリが相次ぐ悪質なコメントや事実ではない噂による苦痛を訴えるなど、精神的にも肉体的にも非常に疲れており、事務所にしばらく芸能活動を休みたいという意思を伝えてきました。これを受け、弊社は慎重に議論した結果、本人の意思を尊重することはもちろん、アーティストを保護するために活動を最小限に抑え、しばらく休息を取る予定です>とのコメントを発表している。

 こういった経験は彼女の心に深い傷を残していたようで、昨年、ウェブ上で公開されたリアリティ番組『ジンリ商店』では、対人恐怖症とパニック障害を抱えていたと告白している。

「ノーブラ」論争に込めた真意

 ソルリは「お騒がせスター」といった評価を受けて批判される一方、自由な人生を追い求める女性たちのロールモデルとして、同性を中心に大きな支持を集めていた。

 そのひとつが、「ノーブラ」論争だ。

 ソルリはインスタグラム上に複数回ブラジャーをつけていない写真を投稿している。そういった写真をアップするたびに「見ているこちらが恥ずかしい」「見苦しい」といったバッシングの声が押し寄せた。

 それに対し、彼女は『悪質レスの夜』(JTBC2)のなかで、そういったポストにはきちんとした理由があるのだと説明している。

 ソルリは番組のなかで「ブラジャーのワイヤーは消化器系に良くない」「自分はない方が自然だと思うので、ブラジャーはしていない」「ブラジャーはアクセサリーだと思っている。似合う服があればつければいいし、そうでなければしなくていい」といった考えを述べた。そのうえで、ポストのたび炎上するにも関わらず、何度もブラジャーをつけない写真を公開する理由について、「ノーブラに対する偏見をなくしたい」と語った。

 また、同番組のなかで彼女は「大衆に望むことは?」という質問に「こんな人もいるんだなぁと思ってもらいたい。私を見たら面白くないですか? おもしろい人がもっと多くなることを願う」とも語っている。これは「ノーブラ」をめぐる議論についても同様のことが言えるのだろう。

 ソルリは自分の生き方を通して、韓国社会を生きる女性たちに、もっと自由に生きてもいいのだと伝えてきた。そして、そのメッセージは、韓国以外の国や地域に住むファンにも届いている。

人工妊娠中絶違憲判決に関する発言も

 女性はもっと自由な人生を追求していいし、それを許容する社会になってもらいたい──その思いは一貫している。ソルリは女性の権利問題をめぐる社会的イシューに関しても積極的に発言していた。

 たとえば、今年4月11日に韓国の憲法裁判所が堕胎罪を違憲であると判決をくだしたときである。

 この日、憲法裁判所は、妊娠した女性が堕胎した場合1年以下の懲役か200万ウォン以下の罰金を課す刑法の堕胎罪が女性の自己決定権を侵害する違憲の法律であり、このまま改正されなければ2020年をもって効果を失うと判決をくだした。

 その判決を受け、ソルリは「#2019_4_11_낙태죄는폐지된다」(2019_4_11_堕胎罪は廃止された)というハッシュタグをつけ<栄光で誇らしい日ですね! すべての女性に選択を>と投稿。

 女性の人権問題を大きく前に進めた歴史的判決を祝ったのだ。

 このような発言・行動で女性にとってのロールモデルとなっていたソルリが、多くの理不尽な批判を受け、結果的に悲劇的な最期を迎えてしまったことは、あまりにも悲しい。彼女の冥福をお祈りする。

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