子連れで避難するときに持っていくもの 避難所生活でわかったいるもの・いらないもの

【この記事のキーワード】
子連れで避難するときに持っていくもの 避難所生活でわかったいるもの・いらないものの画像1

写真:アフロ

 10月12日、台風19号が接近する関東は大雨で、各地の河川の水位が上昇。多摩川から比較的近いところに住む我が家は「避難勧告・指示」を受け、近所の小学校で一夜を明かしました。

 我が家の家族構成は、私・夫・長女(5歳)・次女(3歳)で、マンションの2階に住んでいます。夫は単身赴任中で、実際に避難したのは私と子どもたちの3人です。短い時間でしたが実際に避難生活を経験し、持って行ってよかったもの、必要だったものを紹介します。

濡れた靴を乾かす新聞紙や防寒着があると安心

 正直、はじめから避難を想定していたわけではありません。台風19号の接近は数日前から伝えられており、前日11日の段階で「明日は外に出てはいけない」という認識はあったのですが、避難する可能性についての認識は薄かったのです。

 むしろ暴風雨で外に出ては危険だろうと思い、万が一の停電や断水に備えることを念頭に置いて、とりあえず自宅内で食べるものと飲むものに困らないようにしておこうと、そんな考えでした。

 そして12日の午前10時頃、子どもたちがテレビを見ながらダラダラと朝食を食べ、一足先に朝食を終えた私が細々とした家事を片付けていた時に、iPhoneで「緊急速報」アラートが鳴りました。我が家は「浸水想定区域」として、警戒レベル4・避難勧告発令中の地域に該当していたのです。

 Yahoo!や自治体の災害情報を確認したところ、我が家から一番近い避難先は、自宅から徒歩5分足らず、長女が来年入学する小学校だということがわかりました。小学校に問い合わせると「現時点で450人ほど来ています。既に備蓄物資の交付は終わっているので、必要な毛布や食料はご家庭から持ってきてほしい」とのこと。

 正直焦りましたが、冷静にならねばと、一旦状況を整理しました。

 当該小学校は児童数700人余りであり、少なくともこの時点で避難しているのは地域住民の一部と考えられます。避難場所は徒歩5分と近いですが、外はすでに大雨強風で、こんな天候で未就学児2人を連れて出るのは気が重い……。

 しかし、家が浸水する可能性があり、避難勧告が出ている。迷いましたが、行くだけ行ってみようと決意し、iPhoneを充電しながら「とりあえず」の荷物をまとめました。

 以下は、私が持っていった荷物です。

  • ・懐中電灯
  • ・レジャーシート
  • ・フェイスタオル×2
  • ・ハンドタオル×1
  • ・ポケットティッシュ×3
  • ・ウエットティッシュ60枚入り×2
  • ・歯磨きシート
  • ・500mlのペットボトル2本(ポカリスエット)
  • ・小さめ~中くらいのビニール袋×数枚
  • ・お弁当(おにぎり、卵焼き、ウインナー、キウイフルーツ)
  • ・お菓子(キットカット、ビスコ)
  • ・マスク
  • ・おむつ×3枚
  • ・おもちゃ(ぬいぐるみ)
  • ・長女の着替え(Tシャツ・ショートパンツ・ショーツ)
  • ・次女の着替え(Tシャツ、レギンス、ショーツ)
  • ・iPhone
  • ・財布
  • ・ヘアゴム
  • ・リップクリーム

 運良く生理が終わったばかりだったので、生理用ナプキンは持っていきませんでした。長女には麦茶の入った水筒、次女には水の入った水筒を持ってもらいました。子どもたちには「台風だから家より安全な小学校に行ってみよう」と伝えました。

 避難時の服装は、私はTシャツ×デニムジーンズ×ウィンドブレーカー。子どもたちはパーカー×Tシャツ×レギンス×レインコート。私は傘を差しましたが、子どもたちはレインコートのフードのみ。靴は全員スニーカーです。長靴を履くと、水が中に入ってしまったときにかえって足を取られて危険だという情報があったためです。

 小学校までの道中が若干浸水(10cmの深さほどの水たまりが至る所にある)しており、靴はずぶ濡れになりました。避難所に到着したのは14時過ぎです。

 小学校内は土足可能。受付では代表者の氏名や避難した人数、住所を紙に書き、それから場所取りをしました。先に到着していた人たちは支給された毛布などを使ってスペースを確保していたようですが、我が家は持参したレジャーシートを教室の一角に敷いて確保しました。

 しばらくすると、同じ保育園を利用する親子とばったり会い、子どもたちを遊ばせながら情報交換や世間話をして時間を潰しました。

 それぞれが避難を決意した理由は「一軒家に住んでいるので一階の浸水が怖い」「子どもが小さいから早めに動いたほうがいいと思った」などでした。大人が2人以上いる家庭だと、まず全員で避難して、1人が足りない荷物を自宅に取りに戻る……なんてこともあったようです。

 夕方になるにつれ、避難者の人数はどんどん増えていたようで、単身で避難してきたと思われる人も何人かいました。夜になり、歯ブラシがなかったので、歯磨きシートで子どもの歯をふいてやりました。

 22時に消灯でしたが、教室内はまさに「雑魚寝」状態です。家族単位で避難した場合、自分の家族とはかなりの至近距離で(ほとんどくっついて)寝る必要があります。我が家はレジャーシートの上で、タオルやリュックやぬいぐるみを枕代わりにし、パーカーやウインドブレーカーを毛布代わりにしましたが、夜が深まるにつれてだんだん寒くなり、なかなか寝付けませんでした。

 深夜になって雨が止み、台風が過ぎ去ったと思われる時間になると、私たちの避難していた小学校では、帰宅していく人も少なくなかった印象です。しかし、我が家は子どもたちがすっかり寝てしまっていたので、帰宅するという人から備蓄物資の毛布を譲ってもらい、ようやく私も少しだけ寝ることができました。結局、朝5時頃に子どもたちを起こしてから自宅に戻り、およそ15時間ほどの避難生活が終了しました。

<持っていってよかったもの>

  • ・レジャーシート(場所取りに便利)
  • ・ウエットティッシュ(食事前や子どもの食べこぼしがあった時に便利)
  • ・ティッシュ(鼻をかむ時などに必要)
  • ・小さめ~中くらいのビニール袋(食事で出たゴミを入れる、汚れた衣類や靴下を入れるのに便利)
  • ・歯磨きシート(歯磨き代わりとして使用)
  • ・お弁当
  • ・お菓子(甘いものを摂取すると落ち着く)
  • ・ポカリスエット(水分補給に便利)
  • ・ヘアブラシ

<持っていけばよかったと思うもの>

  • ・新聞紙(移動で濡れたスニーカーの中を乾かすことができる)
  • ・大きめのビニール袋(45リットルくらい。リュックやウィンドブレーカーなど大きめの濡れたものを干す場所がない時にまとめられる。また、タオル等を入れて枕代わりにもできる)
  • ・替えの靴下(移動で濡れてしまった時など、替えがあると便利。また、夜は温度が下がるため足が冷える)
  • ・ブランケットやバスタオル(夜は温度が下がる)
  • ・ペットボトルの水(2リットルほどあれば安心)
  • ・のど飴(咽喉が痛い時にあると便利)
  • ・鎮痛剤
  • ・ホッカイロ
  • ・マスク
  • ・モバイルバッテリー(今回は電気も通っており、空いているコンセントもありましたが、停電時のためにあると安心)
  • ・ラジオ
  • ・おもちゃ(子どもはぬいぐるみと絵本だけではすぐに飽きてしまう)

 我が家の場合、結局、自宅は浸水せず、避難しなくても命に別状はありませんでした。しかし、私自身は「避難してよかった」と心から感じています。なぜなら、避難したことによって、避難所の状況や必要なものが少なからずわかったからです。

 また、自宅に子どもと自分しかおらず、最終判断が自分だけに委ねられている環境は不安です。しかし、避難所には地域や防災の詳しい方がおり安心できたという点も大きいメリットでした。

「子連れで避難するときに持っていくもの 避難所生活でわかったいるもの・いらないもの」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。