キム・カーダシアン、妹ケンダル&カイリーの文化盗用の嵐

文=堂本かおる
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 今年6月、キム・カーダシアンは自身が立ち上げる補正下着のブランド名を「Kimono」と発表し、日本文化の盗用だと激しく批判された。当初はバッシングに屈する気配のなかったキムだが、主に日本人や日系人からの強硬な抗議に根負けし、ブランド名を「Skims」に変更して9月に発売した。9色の”肌色”を揃えた下着は大ヒットし、10月15日にはコットン・ヴァージョンの新ラインナップも発表された。

 キムが文化の盗用で批判されたのは、この件が初めてではない。過去にコーンロウと呼ばれる黒人特有のヘアスタイルを披露し、バッシングされている。キム同様にスーパー・セレブである妹のケンダル・ジェンナー、カイリー・ジェンナーも文化の盗用を繰り返しては、そのたびにバッシングを受けている。だが、3人とも批判にひるむ様子は一向にない。

 セレブには文化の盗用が命取りになることもあるアメリカで、三姉妹はなぜ、これほど強硬なのか。その背景を考えてみる。

カーダシアン一家

 カーダシアンとジェンナーはテレビのリアリティ番組からスターとなり、やがてモデル、コスメ会社設立など様々な活躍を開始する。同時にセレブ男性との交際・別離・結婚・出産がその都度、大きな話題となっている。ただし女優やミュージシャンと異なり日本での露出は少なく、従って知名度には日米で大きな隔たりがある。

 まずカーダシアン一家のバックグラウンドを説明する。中心はキムだ。キムはパリス・ヒルトンの友達としてメディアに登場。2007年に当時の恋人、レイ・J(R&Bシンガーのブランディの弟)とのセックス・テープが出回り、一挙に知名度を上げた。

 その年、キム一家を主人公とするリアリティ番組『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』Keeping Up with the Kardashians が放映開始され、爆発的な人気を得た。番組は今も続いており、第17シーズンが放映中だ。

『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』Keeping Up with the Kardashians

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 一家の構成はいささか複雑だ。

母親:クリス・ジェンナー
元・夫1(故人):ロバート・カーダシアン
元・夫2(離婚):ケイトリン・ジェンナー(旧ブルース・ジェンナー)
子1:コートニー・カーダシアン
子2:キム・カーダシアン
子3:クロエ・カーダシアン
子4:ロブ・カーダシアン
子5:ケンダル・ジェンナー
子6:カイリー・ジェンナー

 母親のクリスは弁護士のロバート・カーダシアンと結婚し、キムを含む4人の子供をもうけた。ロバートはO.J.シンプソンの弁護士として名を知られた人物だ。2人は1991年に離婚、ロバートは2003年に他界している。クリスは元オリンピック金メダリスト(陸上10種競技)のブルース・ジェンナーと再婚し、ケンダルとカイリーを産む。ブルースは2人いる前妻との間にもそれぞれ子供をもうけている。2015年、ブルースはトランスジェンダーであることを公表し、クリスと離婚。現在はケイトリン・ジェンナーの名でテレビ・パーソナリティ(タレント)となっている。

 アメリカでは一家全員が名の知られた存在だが、わけてもキム・カーダシアン、ケンダル・ジェンナー、カイリー・ジェンナーのセレブ度数が飛び抜けている。娘たちのビジネスをマネジメントする母親クリスがそれに次ぐ。

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