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更年期のホットフラッシュは普通の汗と全然違う! 治療を中止して出た更年期症状

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向き合います。更年期世代の生と性

 私は今、自分の体調の変化を毎日興味深く観察している。なぜならば、2017年4月より始めていたHRT(ホルモン補充療法)を、約4ヵ月前から一時中断しているからである。

 2年間続けていたHRTをやめると、いったい体にどんな変化が起きるのだろうか。せっかくライターという仕事をしているのだから、今回は私に起きた体の変化を書いてみたいと思う。

※HRT(ホルモン補充療法)とは 更年期世代になり減少したエストロゲンを、飲み薬やパッチやジェルなどの薬を用いて補う治療であり、治療によって40代半ばのエストロゲン量になるように設定される。なお、HRTを始めるためには医師による診断と処方が必要である。

15日周期で生理、10日近く出血しっぱなし

 なぜ私がHRT治療を選択することになったかについては、Wezzy連載「向き合います 更年期世代の生と性」の第一回目と二回目でその経緯を詳しく書いているので、ぜひそちらをご覧ください。

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 ごく簡単に説明すると……49歳あたりから生理の乱れが始まった。15日周期で生理がきたり、生理がいつまでも終わらずに酷いときには10日近くずっと出血しっぱなしのこともあった。量も多く、あの頃は旅行や取材や会議などのスケジュールが決まるたびに「生理にぶち当たるかな」とそればかりを心配していたように思う。

 その状態に困り果てていた私は、ホルモン補充療法の存在を知り、その治療を受けることを選択したのである。

子宮内膜症と女性ホルモン補充の影響

 HRTで女性ホルモンを補充することによって生理の周期はコントロールされるので、治療をスタートしてからは「いつ生理がくるか」という怯えはなくなった。ただ、HRTを始めるにあたってやや不安な点がひとつあったのである。

 それは私が子宮内膜症だということ。

 子宮内膜は子宮腔表面を覆う粘膜組織のことで、卵巣から分泌されるエストロゲンという女性ホルモンの作用で厚くなる。受精卵が着床しやすい環境を整えているということだ。だが妊娠しないと、厚くなり増殖したこの組織は月に一度、子宮からはがれ落ちて出血する。つまりこれが生理だ。

 この子宮内膜が子宮の内側だけではなく、卵巣や卵管、あるいは腹腔内など、子宮の外で増えてしまう病気を子宮内膜症と呼ぶ。良性疾患なので、見つかったら即手術というようなことはない。実際私も「子宮内膜症」と診断されたのはもう十年ほど前のことだったが、とくに治療したことはなく、医師から勧められたこともなかった。

 HRT治療を行うにあたって、子宮内膜症は決して禁忌ではない。ないのだが、HRTは加齢によって減少した女性ホルモンであるエストロゲンを、薬剤で投与する治療である。

 HRTを始めた当初、私にはまだ生理があった。そのため、ホルモン治療を行うことで、自前のエストロゲン(ホルモン値はかなり低かったが)にさらにプラスする形となったというわけだ。

 よって、子宮内膜がさらに厚くなってしまう可能性があるため、HRTには注意が必要であったことから、プラスするホルモンの量をどれくらいにすべきか医師と相談。結果、生理周期の乱れ以外にとくに大きな更年期症状はなかったので、一般的な補充量より少なめにして治療をスタートしたのである。

徐々に厚くなり始めた子宮内膜

 治療を始めてから1年半後。やはり、懸念していたように子宮内膜が少しずつ厚くなり始めた。

 HTRを行う患者は婦人科医による定期的な内診やエコー、年に一度の子宮頸がん・体がん検査はマストである。私も半年に一度は超音波で子宮の状態を検査してもらっていたので、少しずつ厚くなってきていることは医師から聞かされて知っていた。

 定期的な検査で大きな問題はないとわかっているとはいえ、やはりあまり気持ちのいいものではない。子宮内膜が厚くなったせいで、生理の出血量がだんだん多くなってきたのも気になっていた。

 そこで私は考えた。「いったんHRTを中止してみてはどうか」と。

 51歳、おそらくもう閉経しているだろう(HRTを行っていると、消退出血が1ヵ月に一度あるため、閉経しているかどうか正確にはわからない)。閉経しているならば、HRTを中止した段階で女性ホルモンの分泌がほぼゼロとなるため、子宮内膜がこれ以上厚くなることはおそらくない。

HRTを中止して知った「ホットフラッシュ」の本当の感覚

 というわけで、2019年6月末にHRTを休止した。生理については8月と9月にそれぞれ2日間ほどごく少量の出血があったので、医学的にはまだ「閉経している」とは言えない状態ではある(閉経は医学的に月経の停止が12ヵ月以上持続した場合をいう)。 

 だが、すでに私としては「やっと閉経したぞ!」とすっきりした気持ちになっている。もうあの大量の出血に悩まされることはないのは、嬉しさしかない。

 HRTを中止してから1ヵ月ぐらいは、特に体調の変化は感じられなかった。だが、7月に入ってから、それは突然やってきたのである。そう「更年期といえば……」といのいちばんにその名前があげられるホットフラッシュである。きたのだ、あの憎き症状が。私にもやはり。

 未体験だった頃は「ホットフラッシュと普通の発汗はどう違うのだろう?」と常々疑問に思っていたが、その違いは明らかであることを今回、私は身をもって知ることとなった。

 もともと体質的に汗かきで真冬でも暖房が大の苦手、室内ではニットの腕を肘までまくり上げるのがデフォルトだ。汗をかきすぎて、真夏には子どもでもないのに首にあせもを作ってしまう。そういう体質ゆえ、真夏の取材や打ち合わせなどは、指定時間よりも早めについてどこかで充分に体から熱が引くのを待ってから挑むことにもしている。

 そんな年中汗かきの私だからこそ、ホットフラッシュを初めて体験した時には「これは普段の汗とは違うぞ」とすぐに感じとることができた。

 私の場合、ホットフラッシュはなんというか、こう……まず、じわーっと予感がするのである。「あ、これはくるなー」と背中がゾワゾワするのだ。そう思った瞬間、頭から汗をかく。

 これまで私は、顔や頭にはあまり汗をかかない体質だった。汗が流れるのは首と胸元と背中が主だったのである。だがホットフラッシュの場合は、額というか生え際あたりから汗がしたたる感じになる。当然、顔にも汗がつたい、人からみても「あら、めちゃくちゃ汗かいてるわ、この人」と一目瞭然。恥ずかしい。

 ホットフラッシュの場合、冷房の効いた部屋で汗ひとつかくことなく普通に仕事をしていても、突如ゾワゾワがきて汗が噴き出る。ホットフラッシュが始まってからまだ真冬を迎えてないので断言はできないが、おそらくこの症状に季節は関係ないのではないだろうか。

 ホットフラッシュとは別に、通常にかく汗の量も増えたように思い、これにもまいっている。また、就寝中に体のほてりを感じるようにもなった。クーラーをつけていても、だ。就寝中のほてりや寝汗は、共に更年期世代には多い症状である。

 私の場合、メノポーズカウンセラーという資格を持っており、その知識があったために「あー、これね。私もこのパターンね」と自分の体の変化に驚くことはなかった。だが、なにも知識や情報がない場合「私、どうしたのかな」と不安になってしまうだろうな、と自分が体験して改めてそう感じることができた。眠りという一日の内で最もリラックスできるはずの時間に、ほてりや寝汗に悩まされるのは辛いものだ。

HRT再開の見通し

 今はいったん中止しているHRTだが、これっきりやめてしまおうとは考えていない。HRTはとくにホットフラッシュには効果が高いといわれているため、この症状が出てしまった今は、HRTのリスタートを前向きに考えている。

 経験したことがなければホットフラッシュなどの症状は「その程度のこと」と思うかもしれないが、当人にとっては楽観視できないものである。

 先日も対面での打ち合わせ中に、ポトリと私の顔から流れ出た汗が机に落ちてしまい、「これいつ拭く? っていうか、この人にも絶対に汗が落ちたの見えたよね」と、恥ずかしさで余計に汗が止まらなくなった。その後の打ち合わせは気もそぞろとなってしまい……集中力に欠けることは働く上では死活問題である。

 主治医の先生は「HRTはいつでもリスタートできるもの。自分のタイミングでまた始めたくなったら言ってください」と、アドバイスしてくれている。ただし、子宮内膜症がまた悪化するのを防ぐために、次に始めるときはさらに少ないホルモン量で、さらに消退出血を嫌う私のために以前とは異なる投与法で行うようにしたいと、柔軟な対応を検討してくれている。ありがたいことだ。

 HRTをリスタートした場合は、新しい投与法のこと、そしてホットフラッシュが改善されたかどうかを観察して、経過報告をここに記したいと思っている。

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