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元NHK青山祐子さん「産休バッシング」再び 育休への憎悪、なぜ?

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NHK公式サイトより

 今年3月末にNHKを退職した青山祐子さんが、「VERY」2019年11月号(光文社)で<復職せずに退職した理由>について語ったが、またしても非難を浴びている。

 青山さんは1995年にNHKに入局しアナウンサーとして勤務。2011年に結婚した後、2012年3月に第一子長男、2013年6月に第二子長女、2015年7月に第三子次男、2017年2月に第四子次女を立て続けに出産し、7年に渡り産前産後休業および育児休業を取得した。

 そして今年3月、職場復帰することなくNHKを退職。7年間の育児休業の末、職場復帰しなかったことに対し、ネット上では否定的な声が多く上がり炎上状態となった。このことは青山さん本人も把握していたようだ。

待機児童で週5日の出勤が難しく

 「VERY」のインタビューによると、青山さんは夫の仕事で2014年より香港に移住。移住後も年2回帰国してNHKと復職について話し合っていたそうだが、<週5日、渋谷の放送センターに出勤>というルールがネックになった。

 単身赴任も検討したが、昨夏に脳に影が見つかり検査を受けたこともあり、<本当にやりたいことは何かと突き詰めたら、今別居してまで仕事をしたいかと言ったらそうではない>という結論に至ったそうだ。

 現在は香港で専業主婦として子育て中心の日々を過ごしているが、いずれフリーなどで復帰したいという気持ちは持っているとのこと。ちなみに、青山さんは長男出産後すぐに復帰することを望んでいたが保育園に入ることができず、また、パートタイムで働くこともNHKの制度上かなわなかったという。

「他の人にとっては迷惑」と責める声

 青山さんのインタビュー記事が15日、Yahoo!ニュースに転載されるや否や、Yahoo!コメントやネット提示版では青山さんを「非常識」「他の人にとっては迷惑」と非難するコメントが相次いだ。

<色んな事情があったかもしれないが、復職するする詐欺だろ。7年間なぜもっと早くに自ら退職するという判断を下さなかったのか?>
<本当に復帰する意思があるなら、保育園に入れなくても、認可外に預けるとか色々方法があると思います>
<そんなに仕事したいなら、2人目のお子さんはセーブすれば良かったのでは?>
<こうゆう辞め方は普通の人間はできないと思います。神経図太い人だと思いました>
<普通の会社や公務員の場合、いくらなんでも7年間次から次へと子供産んで育休とられたら代わって仕事の分担肩代わりする人間はたまったものではない>

 「自分は育児休業中の社員の仕事を肩代わりした」という人からの批判もある。しかし本来であれば、会社側が誰かが育児休業を取得しても他の社員にしわ寄せがいかない体制に整える責任があるだろう。育児休業を取得した人を批判しても、状況は改善されない。

 また、「出産手当金」や「育児休業給付金」への誤解もどうやら根深いようだ。

産休育休中は基本的に“無給”

 産休育休中も「給料」が出ていたと勘違いし、「給料泥棒」「受信料を返せ」と批判するコメントもネットでは非常に多い。しかし、産休育休の取得中、基本的に会社から給与は支給されていないはずだ。

 支給されるのは「給与」ではなく、産休では健康保険(国保や社保)から出る「出産手当金」、育休では雇用保険から下りる「育児休業給付金」だ。

 いずれも支給要件があり、定められた期間、社会保険料や雇用保険料を納めているなど、支給要件を満たした場合に受け取ることができる。

 育児休業給付金が支給される条件は、雇用保険を納め、育休開始前の2年間、1カ月に11日以上働いていた月が12カ月以上ある場合だ。受け取れる金額の目安は、出産手当は日給の3分の2で基本的に一括、育児休業給付金は給料の50%から67%ほどで、2カ月に1回のペースで支給される。

 フルタイムで働いているときと比べれば得られるお金は少なく、またボーナスなどもない。勤務時と同等の収入を、働かずして得られるわけでは決してないのだ。

 出産手当金、育児休業給付金は条件を満たしていれば誰でも受け取る権利があり、「働いていないのに給料をもらっている」などという批判は間違いだ。産休・育休の制度について、我々はもっと知る必要があるだろう。

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