藤原竜也と鈴木亮平が小学生を演じても違和感がない理由

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2019年10月に公演「渦が森団地の眠れない子たち

 劇場へ足を運んだ観客と演じ手だけが共有することができる、その場限りのエンタテインメント、舞台。まったく同じものは二度とはないからこそ、ときに舞台では、ドラマや映画などの映像では踏み込めない大胆できわどい表現が可能です。

 先般、教員同士によるいじめ問題が発覚し世間を騒がせました。いじめの内容の陰湿さもさることながら、被害教員へ反抗するよう児童をあおり、本来庇護するべき子どもたちを巻き込んで傷つけるような行為があったことに、大きな憤りの声があがっています。

 学校のような閉じられた環境ではいじめが起きやすいといわれていますが、そうした状況でもたらされる争いの構図や感情は、年齢は関係なく普遍的なものだと改めて実感し、驚くばかりです。

 現在全国公演中の舞台「渦が森団地の眠れない子たち」は、学校と同じく閉鎖的な環境である団地に住む、子どもたちの物語。藤原竜也と鈴木亮平が半ズボン姿の小学生役でダブル主演し、現代社会の抱える問題を描いています。

ふたりの周囲に残る震災の影

 小学6年生の田口圭一郎(鈴木亮平)は大震災で被災し、母の景子(奥貫薫)と4年生で陸上の有望選手である妹・月子とともに、丘の上の森のそばにある巨大な渦が森団地に引っ越してきます。引っ越してきたその日、どこを向いても同じような建物に自分たちの部屋が分からなくなってしまった兄妹が出会ったのは、自転車に拡声器やトランシーバーを積んだ団地のガキ大将、佐山鉄志(藤原竜也)。

 渦が森団地には景子のふたごの姉の美佐枝が住んでいましたがふたりは折り合いが悪く、圭一郎たちは美佐枝と会ったことがありませんでしたが、鉄志は美佐枝の一人息子。圭一郎が従兄弟だと知った鉄志は、彼を親友として自分が「キング」を自称して率いる団地の仲間内で特別扱いしますが、見たことのない世界を夢想して絵を描くことが好きで内向的な圭一郎は、乱暴でうるさい鉄志のことを好きになれず、親友のフリを続けていました。

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