ドラマ『金田一少年の事件簿』で共演した、堂本剛さんとともさかりえさんが『KinKi Kidsのブンブブーン』(フジテレビ系)で久々に共演したことが話題になりました。
剛さんは当時、異常なほどの人気を獲得していたこともあり、ともさかさんにファンの攻撃が向けられるという悲しいこともありましたが、それらを乗り越えて今は大人になった2人。
1995年と96年に放送されたドラマ『金田一少年の事件簿』の撮影現場も取材していたベテラン記者・アツが、当時の過酷すぎた現場を振り返ります。
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皆さん、ごきげんよう。アツこと秘密のアツコちゃんです!
先日、『KinKi Kidsのブンブブーン』(フジテレビ系)にともさかりえさんがゲスト出演するというので見ていたの。堂本剛くんとりえちゃんと言えば、1995年から1997年に放送された連ドラ『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)で共演した仲でしょ。
ドラマ『金田一少年の事件簿』は第1シリーズ&第2シリーズと続いて話題を呼び、1997年には映画化もされた大人気作品。名探偵・金田一耕助の孫である金田一一(はじめ)を剛くんが演じ、幼なじみで同級生の七瀬美雪をりえちゃんが演じ、一ちゃんの決めゼリフは「ジッチャンの名にかけて!」と「謎はすべて解けた!」。複雑怪奇な難事件を一ちゃんが解いていくちょっとおどろおどろしい極上のミステリー、ファンの皆さんは、もちろん覚えていらっしゃるわよね。
『~ブンブブーン』でもやっぱり『金田一少年の〜』の話になって、ワクワクしながら思い出話が飛び出すのを待っていたんだけど、2人とも当時のことは「全く覚えてない」との結論に。プライベートで何を話していたかもまるで「記憶にございません!」状態で、当時ドラマの現場取材をしていたアツはエ〜ッ、そんなバカなって思わずのけぞちゃったわよ。
日帰りで山奥ロケも『金田一』の過酷すぎ撮影
確かにあの頃、売れっ子の2人はめちゃくちゃ忙しかったわ。それに堤幸彦監督の独特の世界観の中での撮影はハードで、疲れきっていてね。『~ブンブブーン』でも「あんまり食べてなかった」と話していたけど、りえちゃんは元々すっごく細かったけど日に日に痩せ細っていって、同じように剛くんもみるみる体重が落ちていってたのよね。
というのも、一ちゃんの謎解きセリフが何ページにも渡るぐらい膨大で、剛くんは寝る間を惜しんで長ゼリフと格闘していたのよ。常に台本を手にしていた記憶があるわ。
剛くん本人もよく「ただセリフを覚えるだけじゃダメなんだよ。視聴者の方たちはもちろん、犯人が何の目的で、どんな殺害方法で犯行を行ったのか、分かりやすく解説していかなくちゃいけないから、僕自分が謎解きの全てを理解してないとセリフが言えないし伝わらないと思うんだ」と言って、真剣に向き合っていたの。
だから当時の剛くんはいつも「追い詰められた感」が漂っていて、見るたびに"もみあげ"を触っていたの。一ちゃんといえば"もみあげ"だものね。こちらも日毎、長くとんがっていって、しまいにはもみあげを触りながらクルクル回し始めて。右手に台本を持っている時は左手でもみあげをクルクル、左手に台本を持っている時は右手でもみあげクルクルして……の繰り返し。
でもほとんど無意識だったみたいで「俺そんなにクルクルしてた? 何かもみあげを触ってると安心すると言うか。自然と引っ張っちゃってるのかもな。すぐにもみあげが伸びちゃうのはこれが原因かぁ」なんて言ってたっけ。
KinKi KidsとしてまだCDデビューはしていなかったけど、バラエティー等のレギュラー番組を何本か抱えながらのハードスケジュールの中、難しい説明セリフを短時間で覚えなければいけないし、そのプレッシャーからか食欲もなくなって、ベルトをしても制服のズボンはユルユルになっていってね。心配しながらもアツたちは隣りでロケ弁をパクパク食べちゃって、今更だけどごめんなさいの気持ちでいっぱいよ。
もみあげを心の拠り所にしながら、長回しの堤監督のムチャぶりにも全て応え、完璧な"一ちゃん"を作り上げた剛くん。当時の映像を見ても「1ミリも覚えていない」と言って2人とも苦笑いしてたけど、ロケ地も毎回すんごく遠かったのよね。
長野県にある黒姫山への日帰り強行軍ロケなんて当たり前。あっちこっちの山だ海だ湖だとロケして回って、役者さんやスタッフさんだけじゃなく着いていく取材班もヘロヘロよ。
ある時、ラベンダー畑に向かったら、何と肝心のラベンダーが咲いてないなんて事もあったわ。プロデューサーたちが慌てて相談しはじめて「時間がないからCGで処理するしかない」との結論に落ち着いたんだけど。常に何かしらのハプニングに見舞われてたわ。
山奥での撮影だとトイレもなかなかないから、女優さんたちは水分を控えて……まだあの頃は"熱中症"なんてあまり言われない時代だったから。長時間、水分も取らずに撮影したんだからホント体力勝負で、苦労が耐えなかったと思うわ。