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京都市が吉本興業にステマ依頼? 宣伝ツイートに「#PR」なぜ必要か

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ミキ亜生Twitterより

 京都市が市の施策やイベントのPRを吉本興業所属の芸人に依頼し、よしもとクリエイティブ・エージェンシーと芸人の1ツイートにつき25万円、計100万年を支払う業務委託契約を結んでいたことが27日、分かった。吉本の人気お笑いコンビ「ミキ」の二人は昨年10月、京都市に関するツイートを計4回行っていたが、広告表記がなかったことが「ステマ(ステルスマーケティング)ではないか」として問題視されている。

 2018年度に京都市と吉本が結んだという業務委託契約は、吉本芸人たちが「京都市盛り上げ隊」を結成し、京都国際映画祭などをアピールするという内容で、総額420万円。そのなかには、イベント出演料のほか、京都市出身でTwitterのフォロワー20万人を超えるミキのSNS発信も含まれていたという。

 そして2018年10月、ミキの昴生と亜生は、Twitterで<京都最高ー♪みんなで京都を盛り上げましょう!! 京都を愛する人なら誰でも,京都市を応援できるんです!詳しくはここから!>などとツイートし、ハッシュタグで「#京都市盛り上げ隊」「#京都国際映画祭2018」「#京都市ふるさと納税」とアピール。二人合わせて計4回ツイートしているが、いずれも京都市から有償で請け負ったツイートであると分かるような「広告」「PR」表記はいっさいなかった。

 インターネット上では、広告主が著名人やタレント、インフルエンサーに対価を支払い、その影響力を利用した商品プロモーションを行うことは当たり前のビジネス。しかし「広告」であることがはっきりわかる形でなければならない。今回の問題で、当該ツイートは京都市を広告主とした有償のツイートであることを明記していなかった。

 SNS広告やネットのPR記事では、ユーザーや消費者に誤解を与えないため「広告」「PR」「AD」と明記することが求められている。こうした記載がなかった場合は、消費者に宣伝であると気づかれないように宣伝する行為=「ステルスマーケティング(ステマ)」と見なされる。

 「ステマ」というワードが広まったのは、2012年、運営会社の役員と社員が詐欺罪で逮捕されたペニーオークション詐欺事件がきっかけ。この“ぺ二オク”サービスをブログで紹介していたタレントたちは、家電製品などを「安く買えた」とブログなどに偽りの投稿をし、数十万円の“紹介料”を受け取っていた。

 2017年は、WOMマーケティングに関するルールを示した 「WOMJ ガイドライン」が制定された。WOMマーケティングとは、クチコミに関するあらゆるマーケティング活動のことだ。それによれば、クチコミを利用した広告宣伝をする情報発信者がPRを請け負っている立場であるとはっきりわかる形で宣伝させなければならない。ツイート内にその旨を明記するほか、ハッシュタグで「#PR」「#タイアップ」などと記載するなどの方法がある。また、Twitter社も「禁止されている商行為」のなかに「誤解を招く情報を提供する」ことを明記している。

 広告主やツイート主に「消費者をだまそう」という悪意があったかどうかに関わらず、その情報が仕事としての宣伝なのかそうでないのか明確に線引きされなければ、情報の受け手は混乱する。とりわけ玉石混交の情報が氾濫するネットでは、嘘のクチコミも多い。効果のないものを(使ってもいないのに)「すごくいいよ」と偽る投稿や、実際には訪れていない店舗を誉めちぎる・あるいは貶めるなどのクチコミは、インターネット上にある情報の信頼性を毀損している。最近では「血液クレンジング」なるトンデモ美容療法が話題になった。嘘や誇張された情報に騙され、金を落とすユーザーは大勢いるのだ。

 ネットの信頼性を担保するために、ルール遵守は必要だ。

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