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ホームレスを排除する差別心は500年前から変わらない

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「Getty Images」より

 先日台風19号が上陸した際、台東区の自主避難所にやってきたホームレスを区民ではないことを理由に拒否した問題で、実際は区外に住む人たちを受け入れていたことが25日に報道され、再び波紋を呼んでいる。

 15日の国会で安倍晋三首相は「各避難所では、避難した全ての被災者を適切に受け入れることが望ましい」という基本姿勢を表明しており、台東区は「路上生活者に対し、硬直的な判断をしてしまった。避難計画を改めて策定していきたい」としている。

 16日放送の『バイキング』(フジテレビ系)では、おぎやはぎが率直なコメントをし、ネット上で非難が集中した。小木博明は「(避難所に)来てる方たちは嫌ですよ、そりゃあ。怖いじゃない、何されるか分からないし」とし、矢作兼は「入れてあげたいなと思っても、みんなが『受け入れないでよ』って顔してたり。臭いとかも気になるかもしれないし、悪いけど、別の場所で……」と続けたのだ。ただしネット上では彼らを批判する声だけでなく、同様の意見も多く見られた。

 受け入れ拒否にあったホームレスのうちの1人は、台風当日、普段寝泊まりしている建物の軒下に戻ってビニール傘で雨風をしのいでいたが、体調を崩して1週間の入院をしたことが後から判明。改めてどうすべきだったのか考えさせられた人もいるだろう。

イギリスの街にもホームレスがいる

 今回のホームレス拒否は、各国で報道された。英紙「デイリー・メール」の記事には、「マジで?」「吐き気がする」「日本人のメンタリティーが1940年代初頭から変わっていないかのようだ」といった否定的なコメントが続いた。

 実際、イギリスではホームレスと一般の人々との距離が、日本よりもある意味近い。無宗教の国民の割合が高まっているといわれているが、やはりキリスト教の精神なのだろうか。

 日本ではホームレスは基本的に人目のつかないところにまとまっていることが多いが、イギリスのホームレスはもっと人前に出てくる。

 特にロンドンでは、賑やかな通りの道端で物乞いをするホームレスをよく見かける。その横にはたいてい哀しげながら優しい表情の犬が一緒に座っている。ホームレスにとって犬は大切な心の友であり、身を守るためのものであり、冬場は暖を取るためのものであり、おそらく同情を買うための道具でもあるのだろう。

 見ていると、何か声をかけながらホームレスにお金を渡す人がいる。それがイギリス人なのか、カトリックなどの他国の人なのかは見た目だけでは分からないが、決して珍しくない。

 イギリスでは、寒い冬の季節にはホームレスに関するチャリティ企画が増える。ウィリアム王子は2009年12月、ホームレスの困難な状況に関心を寄せてもらうべく、マイナス4度のなか段ボールの上に寝そべって一晩を過ごすという、マーク・トウェインの小説『王子と乞食』さながらの体験をしている。

 2016年には、ウェールズでホームレスのために映画『ハリー・ポッター』の貸し切り上映イベントが企画中という報道があった。企画した女性は、20枚の映画チケットを自腹で購入して配布しようと考えていたが、映画館側が無料による貸し切りをオファーしたという。女性はイベント企画に加え、手袋や帽子、寝袋、洗顔用具などのプレゼントを個人的に用意。また女性の呼びかけによって、街の人々から600点ほどの寄付が集まった。ホームレス保護施設に設置するための電子レンジやテレビ、DVDなど、豪華な品々も含まれていた。

 2017年には、英国王立動物虐待防止協会が、ホームレスと共に屋外で過ごす犬たちに対し、犬用の防水性の防寒コートを配布してまわった。クリスマス時期でなくとも、ホームレスに食べ物などを買って渡す、自宅に招待して食事を振る舞うといったことをしている人も少なからずいる。

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