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レペゼン地球・DJ社長の「言い訳」を信じさせるハフポストへの違和感

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 「ハフポスト」が10月27日、「表現のこれから」というカテゴリにおいて、『レペゼン地球・DJ社長に聞いた「あの、でっち上げセクハラ炎上、なんだったんですか?」』という記事を公開した。

 これはタイトルの通り、今年の夏にDJ集団・レペゼン地球(なお、彼らはYouTubeで絶大な人気を誇っているが、様々な理由によりYouTuberを自認していない)が起こした、“炎上マーケティング”として、セクハラ・パワハラ告発狂言を行ったことについて、『「婚活」時代』(ディスカヴァー携書、山田昌弘氏との共著)、『ハラスメントの境界線』(中公新書ラクレ)などで知られる白河桃子氏が、レペゼン地球のリーダー・DJ社長にインタビューしたものである。

 去る7月17日(多くの学生が夏休みに入る日のため、YouTuberらはこの時期を重要視している)、レペゼン地球の事務所に所属する、ジャスミンゆま氏がツイッター上にて「DJ社長にホテルに誘われた」と告発。その発言はまたたく間に拡散され、翌日DJ社長は丸坊主にし、謝罪動画をあげた。そして、その後「ジャスミンゆまの新曲のプロモーションだった」と“炎上商法”をネタバラシ。当然、大炎上し、彼らの悲願であったメットライフドーム公演も中止になってしまった。まさに“誰得全損”の炎上マーケティングであった。

 ハフポストの記事では、セクハラや#MeTooムーブメントについて、まったく“無知”だったことにより、この炎上事件を起こしたと語るDJ社長に対して、白河氏がていねいに“対話”を試みるという内容だ。

 また24日には先んじて、DJ社長自身も事件について語った動画をアップロードしている。

 SNS上では、賛否はわかれているものの、“断絶よりも対話が大事”、“感動した”、“反省してくれた”などなど、それなりに好意的な意見が目立つ。「ハフポスト」編集長の竹下隆一郎氏も「色々あるけどやらないで石を投げ合うよりずっと素晴らしいと思う」とツイートしている。

チャラい楽曲と炎上は地続き

 記事を読んでまず私の頭に浮かんだのは「……これは果たして“対話”なのだろうか?」という疑問である。

 白河氏は、今回の取材において、youtubeで彼らの曲を聴いてきたという。

白河:あ、DJ社長率いるレペゼン地球の音楽は、素直にいいなと思いました。対談することになって、動画をいっぱい見ました。「リメンバー」とか「メモリー」、「-0-tokyo」(ゼロ東京)の曲好きでしたよ。

 これらはレペゼン地球のなかでも、エモーショナルな楽曲だ。ご存知の方も多いと思われるが、レペゼン地球の代表曲は、『バスターコール』、『YSP』(※「ヤリ捨てぽい」の略)、『福岡事変』など、チャラくて下品な楽曲も多い……というか、それを武器にしている集団である。たとえばSpotifyなどの配信サイトの彼らのページを見ても、白河氏のいう曲ではなく、上位はチャラい楽曲ばかりだ。

 そして炎上後に発表した『O2MEN』に至っては、スタイリッシュなサウンドにのせて「気にくわねぇならHNK(※NHK)見てろ」「ミンナ チガッテ ミンナ ワルイ」と歌っている。

 ご丁寧にも、概要欄には「レペゼン地球は今回の大炎上を得て、再び更正することができました。 詳しくはこの動画を見ていただけたら幸いです」という但し書きまでついている。

 そこをまったくスルーして、白河氏はレペゼン地球の楽曲を「好きでしたよ」といっているのである。マジで? もちろん、いきなり断罪から始まってしまっては、何も始まらないかもしれない。しかし、下品で性差別的な表現を“かっこよく”やっていることと、あのセクハラ・パワハラ狂言事件を起こしたことは、まったく無関係な話ではなく、地続きだと私は考える。

白河:例えば、痴漢もそうなの。女子高生が電車に乗っていて痴漢に遭ったって、「短いスカートを履いてたから、お前が悪い」って言われるの。
DJ社長:え? そんな。痴漢されて?

 DJ社長の無知で素朴な反応は、この“対話”の大きなキモとなっている。

 先述した『YSP』の歌詞はこうだ。

女もちょっとは気をつけろ
そんなにヘソとか出されたら
男はやっぱりたまらんですたい
やっぱりムラムラするもんですたい
ほぼ全裸っぽい恰好で
腰を振ってる女を見ても
ヤらねぇ男は男じゃねぇ

 この歌詞はDJ社長とメンバーのDJふぉいの共作だ。この歌詞を読んだ後に、先程のやりとりを、もう一度読んでほしい。印象はどうだろうか?

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