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文化の盗用について考える~自分のカルチャーに基づいた作品とは何か

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「Getty Images」より

 「文化の盗用」が問われて久しい。白人が黒人のファッションを真似ると文化の盗用と批判され、キム・カーダシアンが自身の下着ブランドを「Kimono」と名付けるとバッシングされ……。いずれも対象となる文化の本質を理解せず、うわべだけを真似た場合に文化の盗用と見做される。 

キム・カーダシアン、妹ケンダル&カイリーの文化盗用の嵐

 今年6月、キム・カーダシアンは自身が立ち上げる補正下着のブランド名を「Kimono」と発表し、日本文化の盗用だと激しく批判された。当初はバッシングに屈…

ウェジー 2019.10.17

 本来、文化とは異なるものが自然と溶け合い、変化して異なる美を生み、さらに他の文化と融合して変化を繰り返すものだ。

 10月の25日から27日にかけて、ハーレム恒例のショッピング・イヴェント(ポップアップ・ショップ) Harlem Makers Collective が開催された。月に一度、金土日の週末3日間に大きなアート・ギャラリーを会場に開催される。主催者はハーレム在住の3人のアーティスト。毎回20人以上のアーティストやスモール・ビジネス・オーナーが作品や商品を販売する。地元民やたまたま来合わせた観光客が、他では買えないユニークなアイテムを買っていく。

 参加アーティストのバックグラウンドは様々だ。ハーレム在住者が多いが、アフリカン・アメリカンだけではない。アフリカ、カリブ海、ヨーロッパ、アジアからの移民も少なくない。それぞれのアーティストが作り、売る作品は自身の文化に基づくものもあれば、まったく異なる国や地域の文化に触発されたもの、さらには人種やエスニックに関わらないものもある。

 ショッピング・イヴェント参加アーティストのバックグラウンドと作品を見ると、文化の盗用ならぬ、文化の豊かでフレッシュな融合が見て取れる。

Junny

ジャマイカ系のファッション・デザイナー、ジュニーのキャッチフレーズは「アップタウン・オートクチュール」。アップタウンとはハーレムを指す言葉。アフリカの生地を多用したカラフルで大胆なデザインが特徴だが、日本の着物にインスパイアされたカフタン(トルコ発祥の長着)もある。

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https://junny.nyc/

Maiko Suzuki

Harlem Makers Collective主催者のひとり、マイコは日本出身のジュエリー・デザイナー。イスラム芸術、アフリカの彫刻に影響を受け、スカル(骸骨)をモチーフにしたデザインも多い。

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https://maikosuzukijewelry.com/

Jonathan Castro Designs

陶芸家のジョナサンはシカゴ出身のラティーノ。日本の陶磁器からひときわ強い影響を受けている。一番人気の作品は、キャンドルとして使い終わった後にアイスクリームやフルーツを入れるのにぴったりのボウルとして使える抹茶茶碗。

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https://www.facebook.com/JonathanCastroDesigns/

Ollomotic

アンディはヴィンテージの小皿や家具を買い集め、黒人女性アーティストの絵をはめ込み、見事な一品モノに仕上げる職人。

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https://www.ollomatic.com/

Gwell

ウェールズ語で「better」を意味するGwell。オーナーのファオジヤが自らの体質改善のために、全てオーガニックの厳選した材料で作り始めたヘルシー・ヴィーガン・スナック。

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https://www.eatgwell.com/

26 Stitches

ハーレム生まれのハーレム育ち。人種も性別も問わず、誰にでも似合うマフラーと帽子を編む。

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https://www.facebook.com/26Stitches/

Carlton Jones Collection

クイーン・ラティファ、アリシア・キーズなどの衣装も手掛けたデザイナー、カールトン。しなやかな生地使いとユニヴァーサルなデザインが特徴。

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https://www.carltonjonescollection.com/

BoyBeads

アラバマ州の田舎で育ったセバスチャンは子供の頃、赤土の地面を掘っては石を見つけて遊んでいたという。その時に芽生えた石への愛着がブレスレット制作に昇華し、今ではメンズ・ビーズ・ブレスレット・ブームの牽引役に。

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https://www.boybeads.com/

Modestine

カリブ海出身のローラがティーを愛するのは、英国でティー・ルームを開いていた祖母の影響。ブランド名のモデスティンも、お茶によって女性たちの心を癒していた祖母の名前。

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https://www.modestinetea.com/

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