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「首里城火災は中学生の放火」「犯人は外国人」と拡散、無根拠のデマやヘイトに注意を

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「Getty Images」より

 10月31日午前2時40分頃、沖縄県の世界遺産・首里城で火災が発生した。那覇署によると、正殿から煙が出ていることを目撃した警備員が通報したという。通報から約8時間後に鎮火されたが、正殿から延焼して北殿、南殿など6棟約4200平方メートルをほぼ全焼している。けが人はいなかった。

 31日明け方から、複数のテレビ局が首里城火災を報道。しかし全容がわからぬ中での放送となり、激しく燃え盛る首里城や消火活動の様子を中継した『あさチャン』(TBS系)では、不確かな情報が流れた。

 スタジオの夏目三久アナが出火原因について質問すると、現地リポーターは「近隣住民によると(首里城の)近くで焚火をしていた中学生がいたという情報もある。情報の確認が急がれます」「夜の12時前後に(焚火を)見たという話も」「正殿の裏手に公園があるんですが、その付近で(焚火を)見たという、あくまで近くの人のお話がありました」と伝えた。

 だが出火原因の特定を急ぐことで誤解を与えかねない報道姿勢には注意が必要だ。この放送を受けてネットでは中学生による“放火説”が拡散されはじめた。

 他方、『とくダネ』(フジテレビ系)では、天井裏の電気が漏電したことが原因の可能性があるとも伝えている。深夜に火の手が上がってからほんの数時間しか経っておらず、出火原因はまだ特定されていない。にもかかわらず、ネットでは憶測やあからさまなデマが飛び交い、混乱をきたしている。

ユーチューバーが「燃やしたのは僕です」

 まず、話題の事件や事故に便乗して再生回数を稼ぐ“炎上系ユーチューバー”が「沖縄の首里城を燃やしたのは僕です。」と題した動画を投稿。悪質なデマであることは明白だが、混乱を招く恐れがある。動画コメント欄には「不謹慎」「嘘だとしても許されない」「偽計業務妨害罪で捕まってほしい」などと批判が寄せられている。

 また、いわゆる”ネトウヨ”を中心に、外国人を犯人とする放火説も流れている。世間の関心の高い事件や人物についてまとめる「トレンドブログ」がこうした声を取り上げることで、偏見やヘイトが拡散されることを危惧する声もある。現在、Googleの検索窓に「首里城」「放火」と入れると、「韓国人」「中国人」「在日」といったキーワードがサジェストされてしまう状況だ。

 無根拠なヘイトやデマの拡散に加担せず、明らかなデマをまき散らしているアカウントについては通報を試みるなど、冷静な対応に努めてほしい。

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