社会

「女性のメガネ禁止」は「#KuToo」と同根。健康と権利を損なうルールにNOを

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「Getty Images」より

 職場での女性のメガネ着用を禁止している職場について、6日の『スッキリ』(日本テレビ系)が取り上げた。

 番組の調査によると、女性社員のメガネ着用を禁止している職種は様々。化粧品を販売する美容部員、ホテルの宴会スタッフ、客室乗務員、企業の受付などがあるそうだ。受付の求人に応募した女性が、人事に「メガネをかけていても大丈夫か」と質問したところ、「勤務中はコンタクトにしてください」と要請されたとの証言も紹介された。

 では、なぜそれらの職場は女性社員のメガネ着用を禁止にしているのだろうか。

 ある化粧品会社は「美容部員がメガネをかけているとお客様にメイクを見せづらいから」。航空会社は「緊急時の避難の際にメガネが割れると危険だから、男女問わず禁止」とのことであった。

 ただ、海外の航空会社「エールフランス」「KLMオランダ航空」「フィンランド航空」ではメガネの着用禁止というルールはなく、実際に着用しながら仕事をしている客室乗務員もいるという。

 安全上や仕事の特徴からメガネが邪魔になる職業もあるようだが、その他の職場で女性社員のメガネ着用を禁止している理由としては、「見た目が悪いから」という意見が多いそうだ。

 大手百貨店で案内役をしていた女性によると、入社の時点で「見た目が悪い」「メガネは冷たい印象を与える」という理由から、「メガネ禁止」は絶対的なルールになっていたという。

「#KuToo」が訴えるパンプスの強要と同根

 この特集の発端は「BUSINESS INSIDER JAPAN」が先月リリースした記事<職場でメガネ禁止される女性たち。「まるでマネキン」受け付けから看護師まで>。

 『スッキリ』の取材に応じた「BUSINESS INSIDER JAPAN」の記者・竹下郁子氏は、女性社員のメガネ着用禁止の根本は「女性は仕事のスキルと共に、職場の“華”“マネキン”であることが求められている」と解説した。

 採用の際に年齢制限を設けることはさすがに法律で禁止となったが、未だに、職場を華やかにし、男性社員や顧客を“癒す”役割を与えられる女性たちがいるということか。

 女性社員にパンプスの着用を強要する問題も根本は同じだろう。「ヒールのある靴を履いていた方が足がキレイに見えるから」「マナーだから」といった理由で、女性の意思とは関係なく、パンプスの着用をルールづける職場は確かに存在する。

「#Kutoo」パンプス強制問題、男性のスーツやネクタイだって多様でいいはずだ

 職場でハイヒールやパンプスの着用を強制されることに異議を唱える運動「#Kutoo」(「靴」「苦痛」「#Metoo」を掛け合わせたネーミング)が、SNS…

ウェジー 2019.06.08

 しかしパンプス着用によって、足を痛めたり怪我をしたり、健康上の問題を抱えてしまう女性は跡を絶たない。女性に見た目の美しさを強要し、不自由を強いることが“仕事の一環”としてまかり通ることはおかしい。パンプスについては女優で作家の石川優実さんが「#KuToo」運動を発案、展開している。

「メガネでもメガネじゃなくてもいい」

 『スッキリ』放送後、「メガネも可愛いのに」「メガネをかけた女性のほうが好き!」などといった声もSNSで広がっているが、可愛いか可愛くないか・どちらのほうが好きか等の話は結局ルッキズムでしかない。また、女性であるというだけで職場の“華”や“癒し”になることを求められるのは、女性のオブジェクト化に他ならない。

 問題は、合理的な理由もなく、不自由を強いられていることにある。そのうえ、健康上の問題も発生する。コンタクトレンズを長時間にわたり装着していると、目が乾きドライアイになってしまう人も多い。また、コンタクトレンズの購入は金銭的な負担も大きいが、会社が負担してくれるわけではないだろう。

 メガネかコンタクトレンズか、選択して決定する権利は本人にあり、「職場ルール」で規制してはいけない。これはとても単純なことだ。そのようなルールを設けている職場は、この機会にルールを改めるべきだろう。

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