エンタメ

『ガキ使』の佐野史郎大怪我を茶化す放送作家、“安全”を軽視?

【この記事のキーワード】
【完成】『ガキ使』の大事故を茶化す放送作家、テレビの安全がいい加減すぎるの画像1

佐野史郎Instagramより

 大晦日に放送予定の『ガキの使いやあらへんで 年末スペシャル(仮)』(日本テレビ系)のロケで、タレントの佐野史郎が負傷した。この事故についてダウンタウンと親交の深い放送作家の高須光聖氏がラジオで言及したが、あまりに無神経な発言内容が物議を醸している。高須光聖氏は『ガキの使い~』のレギュラー作家であり、『笑ってはいけないシリーズ』の構成も務めている立場だ。

 高須光聖氏がゲスト出演したのは、9日放送のラジオ『土曜ワイドラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送』(TBSラジオ)。番組冒頭でナイツの塙宣之が「佐野史郎さんの件は本当に大変でしたね」と事故の話題を切り出した。

 高須氏は、事故当日に自分は現場にはいなかったと説明した上で、事故発生の流れについて「もともと、ここだけ(の話)だけれど、実は佐野さんから『もっとこうしたい』ってことがあった。佐野さんが『思い切ってやりたい』(と言ったから)、『ありがとうございます。いいですか?』、『大丈夫』ってなっちゃった」と振り返り、「だから逆に向こう(佐野)が恐縮して。本当に申し訳ない」と話した。

 この高須氏の発言を受けて、リスナーがTwitterで<佐野さんから「もっとこうしたい」「もっと思いきりやりたい」と要望あったらしい。現場そこまで深刻な感じじゃなかったとのこと>と呟いたところ、佐野史郎本人が反応。<そんなこと、一言も言ってません。佐野史郎>とリプライし、この投稿は瞬く間に広まった。

 佐野史郎は番組収録で液体窒素を入れたペットボトルが破裂する力で空中に数センチ浮くという企画に挑戦し、第三腰椎を圧迫骨折。全治2カ月と診断されて入院中している。それほどの大怪我だということを、ラジオ出演の段階で高須氏は知らなかったのだろうか? 佐野はゲスト出演者で、高須氏は番組を制作するスタッフ側であることを考えれば、ラジオ番組で「本人がやりたいと言ったから」と笑いながら話すことなど出来ないはずだが……。

 ネットで高須氏への批判の声が大きくなると、佐野はSNS上の空気を察したのか、10日に公式サイトの「橘井堂」を更新し、次のように説明した。

<「ガキつか」での事故前、僕が「もっと思い切ってやりたい」というように、積極的に現場でドラム缶爆破にアプローチしていたというような発言をなされていた…というツイートを見て、「そんなことは一言も言ってません」とリツイート(しました)>
<事前打ち合わせで、企画を聞かされた時、「絶対に安全です」とは、確かに言われました。
それは信じたよ。絶対安全神話などないことは、311の原発事故でも学習したはずなんだけどな〜>_<>
<高須さんは、現場にいらっしゃらなかったので、スタッフからそのように聞かされたならば、そのままラジオで発言なさるのは、まあ、流れの中で仕方がないことだとは思いますが、それでもね、僕が「やる」と言わなければこんな事故は起きなかったのに…というニュアンスには傷つきますが>

 ブログでは率直な思いが綴られているものの、高須氏や番組スタッフを咎めるというより、穏便に事態を収めようとしていることが慎重な言葉選びから見て取れた。

タレント負傷事故は防げないのか

 ネットユーザーからは、高須氏の軽はずみな発言への批判のみならず、テレビ番組収録における安全対策に疑問を呈する声も上がっている。『ガキ使』の年末スペシャル、通称「笑ってはいけない」シリーズは2003年から続く人気シリーズだが、回を追うごとに企画が過激化しており、大がかりな爆破シーンや、今回の事故を引き起こした液体窒素ネタも定番となっていたからだ。

 今年、日本テレビでは人気番組『世界の果てまでイッテQ!』でも事故が相次いだ。5月には、お笑い芸人のみやぞんがインドロケで火の輪くぐりに挑戦。着地に失敗して左足首をひねり、帰国後に全治2カ月の骨折と診断された。日本テレビは<より一層安全対策に万全期して参ります>とのコメントを発表したが、その翌月にもお笑い芸人フォーリンラブのバービーが宴会芸で踊り、左アキレス腱断裂の大けがを負っている。バービーの場合は、番組側から無茶な動きを強要されたわけではなかったと見られるが、『イッテQ!』ではタレントが身体を張った企画が多く、視聴者からはかねてよりタレントの安全を危惧する声が上がっていた。

 爆破や炎を使った企画は、何よりも安全性を重視し、キャストやスタッフが危険を冒さず収録できることが大前提だろう。でなければ、視聴者も笑うどころか引いてしまう。過激さや“ガチ”度合いが高まれば高まるほど、そこにいるキャストやスタッフのリスクが気にかかるからだ。過去には、テレビ番組収録中の事故で死傷者も出ている。

 佐野の言うように何事も「絶対安全」なことはありえないが、少なくとも起きてしまった事故について番組制作側の人間がその事故や怪我を軽んじるような発言をしてはならないだろう。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。