社会

男性トイレにもおむつ交換台を設置しよう! 父親も育児しやすい社会を目指す

【この記事のキーワード】
【完成】男性トイレにもおむつ交換台を設置しよう! 父親も育児しやすい社会を目指すの画像1

「Getty Images」より

 共働き世帯が増え性別役割分業は崩れつつあるものの、「育児は母親の仕事」という文化はまだ日本に根強く残っている。家事・育児の負担が妻に偏る、男性の育休取得が進まないなど、課題は山積みだ。

 商業施設の男性トイレにおむつ交換台が少ないことも、そのひとつだろう。そこで今年9月から、「ヨドバシカメラは男性トイレにもおむつ交換台を設置してください!! #俺のおむつ交換台」という署名活動がChange.org上で始まった。発信者は、ジェンダーに囚われず楽しく育児ができる社会を目指す市民団体「babystep」だ。

 今回の署名活動を始めたきっかけや、活動に寄せられている声を「babystep」の代表・早川菜津美さんに伺った。

【完成】男性トイレにもおむつ交換台を設置しよう! 父親も育児しやすい社会を目指すの画像2

早川菜津美
家族や性の多様性を互いに尊重し、差別や偏見から自由になり、楽しく子育てできる社会を目指す「babystep」代表。会社員。パートナーと1歳のこどもを育児中。楽しい育児シェアを目指し奮闘中。

babystepのTwitterInstagram

おむつ交換台設置の署名、男性からの反響も大きい

――今回、ヨドバシカメラの男性トイレにおむつ交換台設置の署名をされようと考えたきっかけは何だったのでしょうか?

早川:babystepでは日々、今後どのような活動をしていくか会議をしているのですが、その中で、男性トイレには用を足している間に子どもを座らせておく「ベビーシート」はあるものの、「おむつ交換台」は少なくて不便という話題になりました。

そこで、家電だけでなくベビー用品や子どものおもちゃも扱っており、家族連れで訪れることの多いヨドバシカメラさんに、「男性トイレにもおむつ交換台を設置してほしい」という署名を提出することにしました。

――男性トイレにおむつ交換台がないことで、具体的にどのような点が不便なのでしょうか?

早川:私には子どもがひとりいるのですが、家の中ではおむつの交換を含め、夫婦で協力しながら子育てをしています。しかし、外出先の男性トイレにおむつ交換台がない場合、私だけで子どものケアをすることが多く、負担が増えてしまいます。

また、babystepには男性メンバーも在籍していますが、男性からは「無力感を感じる」との声が出ています。たとえば、幼い子どもが2人いる場合、同時におむつを替える必要があることもありますが、女性トイレにしかおむつ交換台がないと、2人とも母親に任せることになります。父親であるのに育児に参加できないことに対して、“無力感”を抱いているようです。

――積極的に育児に参加したいと考えている男性は、きっと大勢いらっしゃいますよね。

早川:そうなんです。今回の署名活動は、女性だけでなく男性からも多くの反響をいただいています。育児を終えた世代の男性から、「自分は育児に関わりたくても関われなかった」「これからの世代は男女関係なく育児に関われるようになってほしい」との声もありました。

一方、男性トイレにおむつ交換台を設置することで「不審者が盗撮をするのでは」と心配する声も寄せられています。しかし、不審者は男性だけではありませんよね。男性・女性トイレに関わらず、おむつ交換台の周りにカーテンを付けるなどの盗撮対策は、今後の課題だと考えています。

――現在の段階で(2019年11月11日)、1万7千名以上もの署名が集まっていますが、何名の署名が集まった段階で、ヨドバシカメラに提出される予定なのでしょうか?

早川:実は、すでにヨドバシカメラさんとは交渉段階であり、直接署名を渡せるかについて協議しています。おむつ交換台の設置については、我々の活動拠点の近くである大阪府梅田店の新棟は、お子様連れに優しい設備にするとの返答をもらっています。

またヨドバシカメラさんは、FNNの取材に対しては、「既に設置できる店舗には設置した」とお答えしているようです。

――署名の力は大きいですね。babystepさんでは昨年も、アカチャンホンポが発売するおしりふきのパッケージから、<お母さんを応援>というメッセージを削除する署名を集めていらっしゃいましたよね。そういった活動の影響もあってか、最近は育児家事用品の広告は、母親・父親の両方に向けたものが多くなっているように感じます。

早川:家事育児用品から母親に限定したメッセージが消えつつあることは、私共も日々感じています。ただ多様性の獲得を進めている諸外国と比較すると、日本はまだ何十年も遅れていると言え、特に大手の企業ほど、「育児は母親の仕事」という価値観が根強く残っているように思います。やはり大手の企業ほど影響力は強いので、時代の流れを把握して、考えを改めてもらいたいところです。

――「父親の育児」が社会にもっと浸透していくといいですよね。

早川:そうですね。家族と育児シェアをしている「おじいちゃん・おじさん」達やひとり親、男性同士の子育てカップルなども含め、性別に関係なく子育てしやすい社会になることを望んでいます。babystepでは、ジェンダーに囚われない絵本を紹介する会や、育児に悩む母親・父親子育て家族の座談会など、地道に「ジェンダーに囚われない子育て」を広める活動をしています。ご興味がある方は是非、足を運んでいただければと思います。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。