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ブラック企業に入社しないために〜8割のブラック企業は求人票とホームページで見抜ける

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「Getty Images」より

就職・転職サイトの「年齢」「性別」による求人ミスマッチを防ぐ裏システム

 ハローワークの求人票には、男女雇用機会均等法などの関係で、採用したい応募者の性別や年齢は原則として記載できない。では、就職・転職サイトはどうなのだろうか。

ハローワークの求人にはなぜブラック企業が多いのか

 日本の労働環境は無法地帯と化している。 遵法意識が高い労働環境を提供してくれる企業で働くことは、単に収入の問題だけではなく、生命にすらかかわる…

ウェジー 2019.11.18

 実は、就職・転職サイトも同様に規制されている。ただしそれでは、広告主の企業も、応募者もミスマッチが起こって大変なので、大多数の転職サイトは裏システムを搭載してある。

 私自身、複数の大手転職サイトの求人広告制作の仕事を請け負っていたことがある。そのすべてが、プロフィール情報の登録の際に年齢と性別を登録すると、求人募集をかけた際に広告主が指定した求人条件にマッチしない広告(つまり、性別や年齢の制限がある求人)は自動的に表示されなくなる“裏システム”を搭載していた。

 違法性はあるかもしれないが、求職者にとってこの裏システムはメリットとも言える。就職・転職サイトにプロフィールを登録して表示される求人票は、原則として採用の可能性がある求人票ばかりということになるからだ。では、この中からいかにしてブラック企業を避けて応募していくか。

求人票でブラック企業を見抜くポイント

 一般的に、就職・転職サイトは求人情報を掲載する前に、運営側が労働関連法規に照らし合わせたチェックを行っている。そのため、たとえ実態はブラック企業であっても、異常な長時間労働やあまりに低い賃金などといった違法となる情報を掲載していることはまずない。

 そこでブラック企業かどうか見分ける肝となるのは、“写真”や“募集の理由”などである。これらには例外なく、ブラック企業は尻尾を出していることがほとんどだからだ。

写真をチェックするポイント

 以下に当てはまっていた場合は要注意だ。

1.社長や社員が、見るからにヤクザや半グレの服装・髪型をしている。また、地味なビジネスマンスーツを着ているのに、金色の派手な時計や、結婚指輪以外の派手な指輪をつけているといった、サラリーマンらしからぬ点が写っている。

2.写りこんでいるオフィスに、仕事をしている形跡が見られない。たとえば経理事務の募集と書いてあるのに、社内の様子を写した写真にパソコンや書類が写っていない。

3.従業員数がわずか数名と記載されているはずなのに、なぜかオフィスの外観として大きなビルの写真が掲載されている。実際は入居しているビルを外から写しているだけ。自社ビルをもっているように錯覚させて会社を大きく見せたいという人をだます意識が、無意識のうちに働いているからだ。

 この他にも、不自然に仕事をしている形跡がある写真、たとえばオフィスの社員が全員カメラ目線で写っているような写真を掲載している企業は注意したほうがいい。求人広告制作者が意図的にそのようなポーズを取ってくれと指示するくらい荒れた職場であることが多いからだ。私自身、求人広告制作の現場でそのようなケースを何度も経験している。

 他には、求人票に記載されている“求人を実施する理由”を忘れずにチェックしてほしい。このような文言が踊っていたら要注意だ。

求人票の文言をチェックするポイント

1. 実力次第で高収入
→ノルマや実績が出せないと給与がもらえない可能性がある

2. やる気重視
→かなりの確率で体育会系のノリのパワハラが横行するケースが多い

3. 即戦力募集
→つまり、いつも人が足りない状態が続いている。入社後に長時間残業やパワハラを浴びる可能性がある。

4. 事業拡張のため新規メンバー募集
→無計画に事業を拡張して、人が続々辞めている可能性がある。

 これでも判断がつかないようなら、求人票を出している企業のホームページを見てみるといい。大多数の場合は、ブラック企業かそうでないかの判別がつくはずだ。

企業のホームページをチェックするポイント

1.会社代表の写真が出ていない
→必ずしも疑わしいとはいえないが、労使問題などで問題を抱えている企業は、代表者の写真を出さないケースが多い。

2.会社の沿革がおかしい
→会社設立からさほど時間が経ってないのに、あまりにもたくさんの事業を展開している。

3.頻繁に本社を移転している
→これは、どこかの休眠会社を買い取ったか、取引先への代金未払などの問題行動を起こして頻繁に本社を移転している可能性がある。

4.社長の自慢話や本業とは関係ない話がブログやSNSに多数書かれている。
→まっとうに仕事をしている企業なら、そんな暇なことをする時間はない。

5.会社の事業が、たとえば建設業と美容関係というように、まったく関連がない業種の仕事に手を出している
→場当たり的に仕事に手を出して経営がうまくいっていない企業の可能性が高い。必然的に給与の未払などに遭遇するリスクが高くなる。

6.本社住所をグーグルストリートビューで調べてみると、不自然な場所にある
→たとえば金融業なのに、歓楽街の雑居ビルに本社があるなどというように、業種によっては絶対に本社を構えない不自然な場所に事業所がある。

これでも迷ったら面接時にほぼ100パーセントわかる

 もし、これだけ調べても迷ったらとりあえず応募してみるとよい。最終的には面接時に、ブラック企業かどうかを見抜けるはずだからだ。面接時には以下のチェックを忘れずに行ってほしい。

1. 面接を会社の事業所以外で行おうとする
→比較的小さな事業規模のブラック企業は、1フロア1室で、全ての社員が仕事をしていることが大多数である。悪化している労働環境や経営状態を悟られないために、事業所ではなく、近隣の喫茶店などを利用して、面接を行うと連絡してくることがある。また、会社の事業所で面接を実施してくれるものの、社員が執務しているスペースを無理にパーティション一枚で隔てたような空間で面接を実施する場合は、同じリスクがあると考えていい。

2従業員をよく観察する
→疲れて顔色が悪そうだったり、妙に明るい場合は過重労働がかさんでいる可能性がある。

ブラック企業の面接官の話しぶりの特徴

 ブラック企業は面接官の話しぶりに一定の特徴がある。併せて必ず確認してほしい。

1.馴れ馴れしい口の利き方やタメ口
→社会人であれば、たとえ親子ほど年齢が離れていても、初対面の人間とは敬語で話すものである。外部からの訪問者に対してそれすらできない企業パワハラの温床になっていることがほとんどである。

2.即日ないし、ごく数日先に内定をだそうとする
→よほどの人手不足か、パワハラなどの問題で社員が突然抜けてしまっている可能性がある。

3.過度の圧迫面接
→あまりにも威圧感を感じる面接官の対応が続く場合、パワハラやセクハラの常態化も疑わしい。先に述べたように、応募者は外部の訪問者であって、採用するまでは来客扱いである。時として大企業でも圧迫面接を実施している企業があるが、たとえ大企業であっても社内のガバナンスがなっておらず、居心地がいい企業でないと言える。中小企業の場合は、日常的にパワハラや労働関連の法令違反が常態化していることも考えられる。

面接録音のススメ

 可能ならICレコーダーかスマホの録音アプリを使って、面接の会話を隠し録りしてほしい。その場にいると気がつかないことも、自宅などのパーソナルスペースに戻って面接内容をもう一度聞いてみると、おかしな点があることに案外気づくものだ。もし、あきらかにおかしいと思ったら、辞退の旨をメールして、次の応募先を探せばよい。

(監修/山岸純)
(執筆/松沢直樹)

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