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もしiDeCoとふるさと納税をやったら、納税額はいくら減るのか?

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生き延びるためのマネー/川部紀子

 ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。消費税増税からおよそ1カ月半が経ちました。8%から10%への増税によって、個人の家計負担も増える中、新たな対策を打っている方はいるでしょうか?

 ごく一般的な会社員や公務員が自らの意志でできる節税制度といえば「iDeCo」と「ふるさと納税」です。

 この連載でも何度も何度も解説を行ってきました。今回は、年収別に、何も対策をしなかった場合の税額と、「iDeCo」と「ふるさと納税」をしていた場合の税額がどのくらいになるか、シミュレーションしてみたいと思います。

※会社で企業型DCを導入しておりマッチング拠出を活用できる場合はiDeCoと同様の効果がありますので、iDeCoをマッチング拠出と置き換えてお考えください。

年収400万円の会社員や公務員の場合

東京23区在住、40歳未満、単身(該当する控除は社会保険料のみ)の場合

所得税(復興税込):86,300円
住民税:176,600円

①iDeCoで月5,000円積み立てをした場合

所得税(復興税込):83,300円(3,000円減税)
住民税:170,600円(6,000円減税)

 年間9,000円の減税となります。iDeCoの月5,000円(年間6万円)は支出となりますが、無駄使いに消えたわけではなく老後に向けて積み立てられています。もっと多く積み立てると減税額はさらに大きくなります。

②iDeCoで月5,000円積み立てをし、ふるさと納税(ワンストップ特例)で10,000円寄附をした場合

所得税(復興税込):83,300円(3,000円減税)
住民税:162,600円(14,000円減税)

 年間17,000円の減税となります。iDeCoの月5,000円(年間6万円)は支出となりますが、無駄使いに消えたわけではなく老後に向けて積み立てられています。もっと多く積み立てると減税額はさらに大きくなります。

 ふるさと納税の10,000円は支出となりますが、選んだ地域に寄附されています。また8,000円の減税となるため、収支(実質負担)はマイナス2,000円です。さらに、返礼品で2,000円以上のものを受け取った時点で収支はプラスとなります。もっと多く寄附をすると減税額はさらに大きくなります。

年収600万円の会社員や公務員の場合

東京23区在住、40歳未満、単身(該当する控除は社会保険料のみ)の場合

所得税(復興税込):208,300円
住民税:309,000円

①iDeCoで月10,000円積み立てをした場合

所得税(復興税込):196,100円(12,200円減税)
住民税:297,000円(12,000円減税)

 年間24,200円の減税となります。iDeCoの月10,000円(年間12万円)は支出となりますが、無駄使いに消えたわけではなく老後に向けて積み立てられています。もっと多く積み立てると減税額はさらに大きくなります。

②iDeCoで月10,000円積み立てをし、ふるさと納税(ワンストップ特例)で30,000円寄附をした場合

所得税(復興税込):196,100円(12,200円減税)
住民税:269,000円(40,000円減税)

 年間52,200円の減税となります。iDeCoの月10,000円(年間12万円)は支出となりますが、無駄使いに消えたわけではなく老後に向けて積み立てられています。もっと多く積み立てると減税額はさらに大きくなります。

 ふるさと納税の30,000円は支出となりますが、選んだ地域に寄附されています。28,000円の減税となるため、収支(実質負担)はマイナス2,000円です。しかし、返礼品で2,000円以上のものを受け取った時点で収支はプラスとなります。もっと多く寄附をすると減税額はさらに大きくなります。

年収800万円の会社員や公務員の場合

東京23区在住、40歳未満、単身(該当する控除は社会保険料のみ)の場合

所得税(復興税込):484,600円
住民税:458,500円

①iDeCoで月20,000円積み立てをした場合

所得税(復興税込):435,600円(49,000円減税)
住民税:434,500円(24,000円減税)

 年間73,000円の減税となります。iDeCoの月20,000円(年間24万円)は支出となりますが、無駄使いに消えたわけではなく老後に向けて積み立てられています。もっと多く積み立てると減税額はさらに大きくなります。

②iDeCoで月20,000円積み立てをし、ふるさと納税(ワンストップ特例)で50,000円寄附をした場合

所得税(復興税込):435,600円(49,000円減税)
住民税:386,500円(72,000円減税)

 年間121,000円の減税となります。iDeCoの月20,000円(年間24万円)は支出となりますが、無駄使いに消えたわけではなく老後に向けて積み立てられています。もっと多く積み立てると減税額はさらに大きくなります。

ふるさと納税の50,000円は支出となりますが、選んだ地域に寄附されています。48,000円の減税となるため、収支(実質負担)はマイナス2,000円です。しかし、返礼品で2,000円以上のものを受け取った時点で収支はプラスとなります。もっと多く寄附をすると減税額はさらに大きくなります。

今からできることは?

 それぞれのケースの減税額を見てみると、iDeCoやふるさと納税による減税額はバカにできる数字ではないことがわかっていただけたと思います。10月からの消費増税で増えた負担を取り返す、またはそれ以上の効果があった可能性も高いです。

 また、iDeCoやふるさと納税は収支の問題だけでなく、意義もあります。

 ふるさと納税に関しては、返礼品を受け取らずに純粋な寄附をするという選択もできます。例えば、頻発した災害の報道を目にして心を痛めた経験から、被災した地域に寄附することも自由にできます。

 iDeCoに関しては、話題になった老後資金2000万円問題で不安を覚えたのであれば、まさにその対策に直結します。

 今年の報道で動かされた感情を放置することなく、こういった制度を通じて行動を起こすこともできるのです。

 個人の税金(所得税と住民税)は1月から12月を単位として計算します。つまり、決算は12月31日ということですから、ふるさと納税に関しては今からでも間に合います。iDeCoは開始までに2~3か月かかりますので、来年のために今から準備を進めると良いでしょう。

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