日本橋や渋谷で続々オープン 再開発ラッシュで生まれ変わる魅力的な街

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渋谷スクランブルスクエア

 今年の秋も東京都心ではいくつかの商業施設がオープンし、賑わいを見せている。そこで、それぞれの施設の特色や見どころ、注目ショップを生活者の視点から考察し、その魅力を明らかにしていきたい。

先陣を切ったCOREDO(コレド)室町テラス

 先陣を切り、9月27日にオープンしたのが「COREDO(コレド)室町テラス」。三越前駅と新日本橋駅に直結した3フロアの都心型商業施設だ。飲食店は、人気北海道土産「白い恋人」の石屋製菓の直営カフェ「ISHIYA NIHONBASHI」や、博多の日本料理店が手がけるいなり寿司専門店「だしいなり海木」などが出店している。

 なんといっても注目は2階の書店「誠品生活」。台湾、香港、中国で49店舗を展開し、日本初出店。文学に力を入れており、長さ約30mの「文学回廊」コーナーは圧巻だ。文具・雑貨、ギャラリー、レストラン・食物販ゾーンもあり、約50の台湾ブランドや、日本の厳選アイテム・フードを揃えている。

 飲食は、老舗茶荘「王德傳(ワンダーチュアン)」、パイナップルカスタード菓子が人気の中華菓子店「郭元益(グォユェンイー)」、シャンパンと台湾料理のマリアージュを楽しめる「富錦樹台菜香檳(フージンツリー)」が出店している。

 日本橋は三井不動産が再開発を手がけており、すでにコレド3施設があるが今回もその一環。 

 「高島屋日本橋店」は昨秋、100を超える専門店を集積した「日本橋高島屋S.C」を新たに設け、「日本橋三越本店」もリニューアルし活気づいている。東京駅も近く一帯は街歩きを楽しめるスポットとしてさらに人気を集めそうだ。

渋谷の新しい顔「渋谷スクランブルスクエア」

 同じ再開発では100年に一度と言われている渋谷で、新たなスポットが相次いで登場した。11月1日開業した「渋谷スクランブルスクエア」は高さ約230m・地上47階地下7階の大規模複合施設。

 屋上にはオープンエアの約2500㎡の展望空間「スカイ ステージ」、46階に展望回廊「スカイギャラリー」があり、早くも内外からの観光客が詰めかけている。

 上層階はオフィスで、商業施設は地下2階~14階の約3万2000㎡、物販126店、食物販57店、飲食28店、サービス2店の合計213店で構成されている。

 「世界最旬」を掲げ、日本初上陸7店、都内初4店、渋谷エリア初49店、商業施設初4店、旗艦店8店、新業態39店と半数以上の店舗が新たな魅力を渋谷で発信する。

 ナイキは、米国以外では初となる新コンセプトストア「NIKE Live(ナイキライブ)」、TSUTAYAはコワーキングスペースとカフェラウンジを併設した新業態、中川政七商店は旗艦店で出店している。

 「+Q BEAUTY」(プラスク ビューティー)は、約600坪の売場に、コスメ40ブランドとカフェ、期間限定ショップを高密度編集した新しいビュティーフロア。1階から地下2階のフードゾーンも充実しており、東急百貨店はスィーツと惣菜の新しいデパ地下的売場「東急フードショーエッジ」を展開している。いずれも東急百貨店が開発した新業態だ。

 惣菜の日本初出店は3ショップ。「ピースカフェハワイ」は、ハワイで一番人気のカフェの惣菜ショップ。「参和院」は台北に2014年にオープンしたスタイリッシュな空間で創作料理が楽しめる人気店。パンダやハリネズミなど動物の包子(パオズ)など看板商品をはじめ、台湾の伝統料理も含めて惣菜メニューを各種取り揃えている。

 「ティエリーマルクス ラブーランジェリー」は、パリの二つ星レストラン「シュール ムジュール パール ティエリーマルクス」の総料理長が16年にパリにオープンしたベーカリー。本格的な食事パンを取り揃え、直径12㎝・高さ17㎝のビッグサイズのブリオッシュ1620円が一押しアイテム。スイーツでは、洋菓子店「モリ・ヨシダ・パリ」が日本に里帰り。吉田シェフがフランスの伝統を再解釈して生み出されたまったく新しいフランス菓子で、行列ができる人気店になっている。

 「エキュートエディション」は、JR東日本リテールネットのエキナカ業態「エキュート」の新バージョン。「うなぎパイ」で有名な春華堂は新しいパイブランド「コネリ」の手ごねパイ専門店を、森永製菓はお菓子をこえる、「をかし」な体験をコンセプトにした創業者森永太一郎の名を冠した新業態「タイイチロウ モリナガ」を出店した。

 高級スーパーマーケット紀ノ国屋も地下1階に、カフェ&バー「グルマンステーション」を併設した新業態「グルマンマーケット キノクニヤ」を展開している。

レストランゾーンも特色ある店が出店している。「月島もんじゃ もへじ」はフレンチを取り入れ、トッピングアイテムにはフォアグラ、トリュフも用意している。中華料理「銀座アスター」の「グーオ」は、ペースト状の滑らかな粥に食材をくぐらせて食べる「粥ベジ鍋」をはじめ、オリジナル和食材を多用した和中華前菜をタパススタイルで提供する。

 「カールヴァーン」は「アラビア世界の大人の社交場」をテーマに、アラビア建築と明治時代の洋館を融合させ、世界各地から集めた家具などを配した独特の空間で、アラビア料理や地中海料理を提供する。

 立ち飲みで天ぷら×ワインを楽しむ大阪の「天寅」の東京1号店、スペイン王室も愛用するマドリッドの老舗レストラン「ホセ・ルイス」も日本初出店し、いままで渋谷になかった新たな味を楽しむことができる。

生まれ変わった渋谷パルコ

 かつて若者文化の情報発信拠点として一世を風靡した「渋谷パルコ」も、装いを新たに11月22日、再登場した。「ノンエイジ」「ジェンダーレス」「コスモポリタン」というキーワードを掲げて、従来の“ファッションのパルコ”というイメージにとどまらない新しい一面をのぞかせている。

 6階のアニメ・ゲーム・漫画・サブカルチャーのトップコンテンツを集積した「電脳 サブカルチャーゾーン」は、任天堂の国内初の直営店「ニンテンドートウキョウ」も出店し、ジャパンカルチャーファンの集う聖地をめざす。4階では「PARCO MUSEUM TOKYO」を核としたアート・デザイングッズも集積させている。

 飲食では、地下1階には昆虫料理やカラスの丸焼きなどを提供する「米とサーカス」や女装ウエイトレスがいるバーなどユニークな28店が集まる「CHAOS KITCHEN」を展開しているのが注目だ。

 さらに、複合施設「渋谷フクラス」に新生「東急プラザ渋谷」も12月5日にオープンし、若者の街から大人が集まる渋谷に変身しようとしている。

 こうして東京・都心は街の魅力を高め、商業施設がそれぞれのエリアで競い合い、エリア同士でも集客を競い、さらに発展しようとしている。そして商業施設自体も日々変貌を遂げている。

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