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低所得者こそふるさと納税 年末かけ込み時の注意点

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生き延びるためのマネー/川部紀子

 ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。2019年も1カ月を切りました。12月31日は個人の税金(所得税・住民税)の締め日なので、この時期になると慌ててふるさと納税をする人もいれば、「もういいや」と諦めてしまう人もいます。

 例え所得が低めであっても、所得税・住民税を払う対象者で、かつ、借金をしなくても月々食べていける人にはふるさと納税をオススメします。やはり返礼品が「お得」だからです。

 今回はこの「ふるさと納税」についてのポイントや、年末ギリギリに行う際の注意点をお伝えしたいと思います。年収200万円を例に解説していきますが、それ以上の年収であればさらにお得度が増しますので、年収の高い方にもお読みいただければと思います。

年収200万円でふるさと納税を行う場合

 まず、年収200万円の給与所得者はどのくらいの所得税・住民税を納めることになるのでしょうか? 東京23区在住40歳未満、既婚・未婚は問わず、扶養している配偶者や子などがおらず、税金を計算する際のメリット(所得控除や税額控除)が社会保険料の支払い分のみの場合でシミュレーションしてみます。

・所得税(復興税込):42,800円
・住民税:91,500円

 ふるさと納税をする上で、実質負担がもっとも少なく済む、お得なラインがあります。このケースだと22,000円までです。

 仮に確定申告が不要になる「ワンストップ特例」という制度を活用して、20,000円をふるさと納税するとしましょう。一旦20,000円が自分の懐から出ていくことになりますが、代わりに来年の住民税が18200円下がります。

 ★ふるさと納税(ワンストップ特例):20,000円(支出20,000円増加)
 ・所得税(復興税込):42,800円
 ・住民税:73,300円(18,200円減少)

 マイナス20,000円プラス18,200円なので、収支は1,800円の赤字になります。現段階では、自分の選んだ市町村か都道府県に純粋な「寄附」を行っただけということになります。収支をプラスに転換できるかどうか、は返礼品がキーになってくるわけです。

20,000円のふるさと納税で本当にお得ができるのか

 年収200万円で毎日忙しくしている一人暮らしの独身者をイメージし、ふるさと納税の寄附先を筆者の独断で2カ所選んでみました(品切れ、期限切れがあり得るので、あくまで2019年12月1日時点で公表されている返礼品です)。

 ①北海道当別町に10,000円 当別産小麦100%まんぷく麺セット18食分
 ③福岡県那珂川市に10,000円 カレー専門店オリジナル野菜カレー40食

 ご飯を炊けば、自宅での食事の58食をクリアできるという考えで選んでみました。58食の食事というのは、仮に1食300円で計算しても17,400円です。これを、収支1,800円のマイナスでまかなえるわけですから、やはりお得です。賞味期限の長い加工食品であれば、飽きるという心配も不要です。

 お得か否か(収支)で返礼品を選ぶ際は、高級な肉やフルーツなどの贅沢品ではなく、食費の足しになるものや、食べ物以外なら、近いうちに絶対に買う必要のある家電や基礎化粧品などを選びましょう。

 また、通販ではなく、本来「寄附」であることをお忘れなく。それほど好みでないものが届いたとしても仕方ありません。

会社員なら「ワンストップ特例」で確定申告いらず

 確定申告を避けたいのであれば「ワンストップ特例」という制度を活用しない手はありません。そのために絶対に守っていただきたいルールをまとめました。

その1:間に合うと言えどもお早めに!

 制度としては12月31日までOKですが、着金確認や書面郵送の時間等を考慮して大晦日を待たずに手続きを締め切る地域もあるようですので、寄附先や返礼品を検索する際に注意書きがないか確認しましょう。

その2:カード決済を活用しよう!

 年末ギリギリのタイミングであれば、インターネットで検索してその場でカード決済が一番早いはずです。自分の選んだ市町村・都道府県に直接行う方法もありますが、ふるさと納税ポータルサイト各社、通販サイトで行うことができるところも多いので、簡単にカード決済できる仕組みが整っています。

その3:ワンストップ特例の申請書の送付を希望する!

 インターネットで申し込む際に、ワンストップ特例の申請を依頼するフォームがあれば、希望しましょう。ここで希望すれば、寄附をした地域から書類が送られてしますので、記入押印の上、マイナンバーを伝えるための書類を指示通りに添付して返送します。この書類返送の締め切りが1月10日です。

その4:寄附先は5カ所まで

 確定申告をすることなく来年支払う住民税が減額されるワンストップ特例の適用を受けるには、寄附先は5カ所までというルールがあります。

その5:寄附の上限額に悩んだら年収の1%まで

 上の例(22,000円まで)のように、ふるさと納税をする上で、実質負担がもっともお得なラインというのがあり。シミュレーションしてくれるフォームや表で掲載しているサイトもありますが、初めてで不安などと考えるのであれば年収の1%で留めておきましょう。

~まとめ~

 一時はブームとなっていたふるさと納税ですが、その後さまざまな問題が発生し、少し下火になった印象もあります。しかし、今もなお、自分の選んだ地域に寄附をできるという「意義」、実質2000円までの負担でそれ以上の価値のある返礼品をもらうことができる「魅力」は変わりません。

 お得がなくても大丈夫という懐事情の方は、最初から返礼品を受け取らずに純粋な寄附をするという選択もできます。自分が生まれ育った市町村や、被災した地域を選ぶ方法もあります。

 「意義」と「魅力」の両方が備わったふるさと納税、まだ12月上旬なので、今年の分もまだまだ間に合います。所得税・住民税を払う対象者で、かつ、借金をしなくても月々食べていける人は自分の働いた成果でふるさと納税をやってみてはいかがでしょうか?

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