芸能界でサバイブしてきた者同士
同年代のTOKIO城島茂と結婚相手のように年齢差がファンや世間をざわつかせることもなく、わざわざ隠す必要はないように思える。しかしそれも、朝海のプロ意識の表れの一つ。朝海が退団後の現在もそれを保ち続けているのは、いちどはトップ路線を外れた自身に、異例の返り咲きを果たさせてくれたファンへの感謝と仁義にほかならない。
トップスターだって一度は落ちている! 宝塚音楽学校受験の厳しさから、諦めない“不屈の精神”を学ぶ
【ヅカヲタ女医の「アモーレ!宝塚ショー」】彩乃かなみさま、早霧せいなさま、珠城りょうさま……トップスターだって一度は落ちている! 宝塚音楽学校受験の…
同じ宝塚出身者でも、結婚できないキャラや天然ぶっちゃけキャラを押し出してテレビに出演している者は多いが、朝海はほとんど映像にでることなく、俳優として、そして元宝塚としての品位を守る仁義とプロ意識を保ち続けている。一方でそれは、取材するマスコミにとってはよくも悪くも働く。頭の回転が速く、インタビューでは、何年前の作品であっても具体的エピソードや見出しにとりやすい発言にあふれた、読み応えと自負できるような記事を書かせてくれる一方で、もし取材者に準備や知識不足があればただ手のひらで転がされてしまう。それは朝海の頭のよさと、自分のパフォーマンスへの誇りであるとともに、芸能界でサバイブしていくしたたかさを兼ね備えているということでもあるのだろう。
アイドルであっても元タカラジェンヌであっても、年齢を重ね、ひとりの人間としての幸せを望む気持ちは、普遍的なものだ。応援するアイドルと同じ苦労を経験し、パフォーマーとしてのプロ意識があり、プライベートをのぞかせない――。アイドルのパートナーとして、ファンが望みうる条件をすべて備えているように思える朝海と坂本が、幸せな未来を祈りたい。
(鈴木千春)
1 2