差別発言繰り返した東大特任准教授の「大学教員と個人は別」という主張は正しいか

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日本人はネットは別人格と考える傾向が顕著

 このような話は、小学生でも理解できることのように思えるが、現実には、ネットとリアルは別、会社と個人は別といった論理を展開する人は多い。なぜ、会社や組織と明確な利害関係が存在しているにもかかわらず、それぞれは無関係だと思い込んでしまうのだろうか。

 これには、日本人におけるネットに対する認識が大きく影響していると考えられる。

 日本ではどういうわけか、ネットとリアルは別人格であると考える人が多く、そうであるがゆえにネットでの対人関係を信用していない。総務省の2018年版情報通信白書によると、SNSで知り合う人を信用できると考える人の割合は米国や英国では60%を超えているが、日本は約13%しかない。

 リアルな世界で人を信用できるかという問いに対しても、信用できると回答する日本人の比率は低いので、もともと日本人は他人を信用しない傾向が顕著である。だが、6〜7割の人がSNS上の人間関係について信用できると考える欧米各国と13%の日本とでは相当な開きがある。

 ネット上で誹謗中傷を繰り返している人が、リアルな世界ではまったくの別人というのは日本ではよく聞く話だが、諸外国の場合には、ネット上で差別発言を繰り返している人は、たいていの場合、リアル社会でも似たような発言を行っており、両者の人格に大きな違いはないことが多い。

 日本でも実名でのコメントを売りにしている人気ニュースアプリがあるが、一部の記事執筆者は、記事に対する誹謗中傷がひどすぎるとして、サイト運営企業に抗議を行っている。先日、匿名で読者が投稿できる別のニュースサイトのコメント欄に、そのニュースアプリに関して「実名であんな誹謗中傷を書き込むヤツの気が知れない」というコメントが投稿されていた。

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