「資産580億ドルの大富豪」マイケル・ブルームバーグ
支持率が上がらず、ディベートに参加できない候補者が次々と脱落していく中、新たに名乗りを上げる候補者も出た。アメリカ有数の富豪2人だ。トム・ステイヤーはヘッジファンドによって富を築き、トランプの大統領就任後は単独で「トランプ弾劾キャンペーン」を展開してきた人物だ。早い時期から大統領選への出馬を噂されていたが、夏に立候補を表明した。
11月になると、これもかねてより出馬が予想されていたマイケル・ブルームバーグがついに戦線に乗り込んできた。ブルームバーグ社の創設者であり、総資産は580億ドル。全米第9位の大富豪だ。
ブルームバーグは2002年から2013年までニューヨーク市長を務めていた。金融界からの突然の参政だったが、市長として良い評価を得た。ただし立候補に先立ち、市長時代のある政策を謝罪した。
当時、市内の犯罪率を下げる目的で、市長のブルームバーグはニューヨーク市警による「ストップ&フリスク」(職務質問、身体検査)を徹底遂行させていた。だが、対象が黒人とヒスパニックに偏っており、提訴されて裁判所命令により停止させられたのだった。市長時代には謝罪しなかったブルームバーグだが、大統領選に際してまずは謝ったのは、黒人票とヒスパニック票を考えてのことだ。
先の見えないアメリカ大統領選
民主党は候補者の数の多さも手伝い、飛び抜けた人物に欠けると言えるだろう。共和党は現役大統領トランプの弾劾が起こり得る。アメリカ2020大統領選は今後、ますます混沌に向かうのである。
(堂本かおる)
追記:12月3日、カマラ・ハリス(カリフォルニア州選出上院議員)が大統領選からの撤退を表明した。本文に記したように支持率低迷に苦しんではいたが、12月20日のディベート参加資格をすでに得ており、唐突な離脱に有権者は驚かされた。
追記:現時点でディベート参加資格を得ているのはバイデン/サンダース/ウォーレン/ブティジェッジ/クロブシャー/ステイヤーの6人。ハリス(インド系+ジャマイカ系)の離脱、アンドリュー・ヤン(アジア系)、ブッカー(アフリカン・アメリカン)、ギャバード(サモア系)がまだ資格を得ていないことから、全員が白人(女性2人、男性4人)となっている。
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