いきなり!ステーキ社長のお願いは従業員にも…「ご両親、兄弟、友人の来店を!」

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「いきなり!ステーキ」店舗(画像はWikipediaより)

 ペッパーフードサービスが運営する外食チェーン「いきなり!ステーキ」の店頭貼り紙が大きな話題を呼んだ。同社代表取締役の一瀬邦夫社長が、直筆で滔々と思いの丈を綴っているその貼り紙は「「社長からのお願いでございます」と始まり、同社の営業努力を伝えるとともに「お客様のご来店が減少しております このままではお近くの店を閉めることになります」といった不穏な文言が並んでいる。

 立ち食いステーキの店だった「いきなり!ステーキ」だが、客の要望に応えて「ほぼ全店を着席できるように」し、「メニューも定量化150g、200gからでも注文できオーダーカットも選べ」るように改善したという。

 貼り紙では「いきなりステーキは日本初の格安高級牛肉の厚切りステーキを気軽に召しあがれる食文化を発明、大繁盛させて頂きました」と自画自賛したうえで、「従業員、皆元気よく笑顔でお迎えいたします」「従業員一同は明るく元気に頑張っております」と従業員の健気さも伝える。

 たしかに「いきなり!ステーキ」は一時期ブームになり店舗を急増させたはいいものの、業績が伸び悩んでいる。店頭の貼り紙は、リピーター獲得のためだろう。

 しかし、「社長のお願い」は逆効果だった。Twitterなどネット上で消費者は「ドン引き」しているからである。同時に、この直筆「お願い」貼り紙の掲示を止める判断のできなかった同社経営層への疑問、「ワンマン経営にもほどがあるのでは」という不信感などが巻き起こっている。

クレーム発生店舗一覧を社内報に掲載

 一瀬社長は毎月、社内報「馬上行動」を書いている。

 「企業家倶楽部」2018年12月号(企業家倶楽部)によれば、1997年からこの社内報は一度も途切れず続いているという。同誌で一瀬社長は<「社内報を出せなくなったら、この会社はたちどころに神様に召し上げられる」というくらいの決意を持って始めました><想いを綴った社内報を出し続けた結果、会社が良くなりました>と熱意を語っている。

 この社内報はwebで公表されており、社外の人間も閲覧できる。どのようなことが書かれているのか。最新の11月22日号(第271号)は、同社の業績が下降線をたどり、様々な施策を打てども思うように売上が回復しないことが綴られている。

<お店の繁盛が全てを解決してくれます>
<繁盛するためには、料理がとてもおいしいことが大事です>
<お客様がご来店した時にいち早く気がついて笑顔でご挨拶することが、お客様にこの店の期待感を与えます>
<全員が私の創業時の心を理解して欲しいです。このお客様に絶対にまた来ていただきたいと念じて接客することが社長の心です>

 その他、一瀬社長の自伝小説の連載、新規開店情報、新入社員紹介、社員たちの声(社内報を呼んで感動したとの感想など)、社員旅行やBBQ大会のレポートなどが掲載されている。

 驚くのは、今月から「クレーム発生店舗を掲載することとしました」と、10月のクレーム発生店舗と件数を一覧表にしていることだ。<クレームは お客さまの怒り、店の恥>とのことで、ペッパーフードサービスでは「クレーム0」を目標にしているのだという。

 クレーム発生店舗の掲載は、各店舗の従業員を鼓舞するのだろうか。ちなみに前月号までは逆に、クレーム無し店舗を表彰するようなかたちで一覧掲載していた。

 また、10月22日号(第270号)では、一瀬社長は従業員にこんな「お願い」をしている。

<兄弟、親戚、友人の皆様にも『いきなりステーキ』へ行ってくれるようにお願いして下さい>

 なかなかのプレッシャーだ。

BSE感染牛の風評被害でも「助けてください」の貼り紙

 前掲『企業家倶楽部』は【一瀬邦夫のすべて】と銘打ち一瀬社長を大特集している。いかにしてペッパーフードを興し、挫折を繰り返しながら成長させてきたか。どれだけの社員が一瀬社長を尊敬し、信頼を寄せているか。役職つきの社員やFC運営企業の代表らが、非常に熱い賛辞を送っている。

 実は一瀬社長は、過去にも店頭に「助けてください」の貼り紙を掲示したことがある。それは2001年、日本でBSE感染牛が発見され、風評被害の煽りを受けて「ペッパーランチ」が危機に陥ったときのことだ。

<助けてください。このままでは本当に困ります>

 このとき、一瀬社長は「かえってイメージダウンに繋がるのでは」という声を承知していたという。しかし<一瀬の中で、飲食業界全体を揺るがすこの風評騒動に対して「何か行動を起こさねばならない」という義憤にも似た感情が勝り、決断に至った>のだとある。

 貼り紙の効果は不明だが、厚労省と農水省が安全宣言を発表したことで、騒動は沈静化。次のピンチは2009年、病原性大腸菌O157による食中毒を発生させたことだった。取締役開発本部長が被害者に謝罪行脚した経験を振り返り「O157事故での経験は、神様が与えてくれたご褒美」「あれ以上に辛い経験はもう無いでしょう」と語っている。

 しかし同誌では、2007年に「ペッパーランチ」大阪心斎橋店で店長と店員が起こした性犯罪について省かれているようだ。それは「ペッパーランチ」の閉店時間間際、店長らが食事中の女性客を脅したうえ睡眠薬を飲ませ拉致、性的暴行をはたらいたという悪質な事件だ。

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