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「YouTuberにまともな人いますか?」YouTuberへの偏見と不信感

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『ダウンタウンなう』公式サイトより

 今月13日放送の『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)で、出演者らがYouTuberを馬鹿にするようなシーンがあり、物議を醸している。

 この日は『ダウンタウンなう』の人気企画「本音でハシゴ酒」に、夏菜や西山茉希、佐藤仁美、ゆきぽよといった女性タレント、フジテレビの久代萌美アナウンサーらが集まっての忘年会であった。

 それぞれが恋愛観などを語り合う中、話題は久代アナとYouTuberとの交際に。久代アナは先月「FRIDAY」(講談社)にて、ユニット「北の打ち師達」で活動するYouTuber・「はるくん」との半同棲をスクープされたばかりだ。

 坂上忍が久代アナに対して<(彼氏の浮気は)どうなの?>と質問すると、彼女は<私、浮気されたことないんで>と返答。

 すると佐藤が<YouTuberは絶対してるって!><だってYouTuberだよ!?>と茶々を入れる。

 さらに坂上が<YouTuberと付き合うのって勇気いらないの?>と質問。久代アナも最初はYouTuberをフリーターのようなものと思っていたそうだが、話をするうちに彼がちゃんとした人だとわかったと説明する。

 それでも出演陣は“YouTuberの彼氏”が“ちゃんとした人”であるわけがない、と反論。特にゆきぽよは強い口調で以下のように久代アナに畳み掛けた。

<騙されてますよ、それ>
<YouTuberにちゃんとしている人なんています?>
<だって、YouTuberは保証もないし、大丈夫ですか?>

 その後も久代アナは、<(彼は)ちゃんと貯金とかもして、将来考えてる>と説明するが、坂上は<通帳見たの?>と問い詰め、見ていないことがわかると<ほら!>。

 松本人志も<久代危ないよね~>と煽り、芸能界という特殊な業界で働き保証を持たないタレントたちであっても、YouTuberという新興職種への強い不信感があることを隠さなかった。

YouTuberは「楽して稼いでいる」のか?

 佐藤仁美、ゆきぽよ、坂上忍らの発言は、YouTuberやそのファンにとっては快いものではなかったようだ。番組放送後、ゆきぽよのTwitterには「YouTuberを馬鹿にするな」「YouTuberにもちゃんとした人はいます」など、批判的なコメントが寄せられた。

 YouTuber本人たちもTwitterで反論している。「ヒカル」や彼のマネージャー兼YouTuberの「ギルドの高橋さん」の他、「ヴァンゆん」のヴァンビは、YouTuberが偏見を持たれる理由について、独自の見解を示した。

<YouTuberが誤解されやすいのはプロとアマチュアの境界線が無いからだと俺は思う>
<だが間違いなく言えるのは努力してない人間が生き残れる楽園なんてこの世界には無いということだ>

 今や数え切れないほどのYouTuberがYouTubeに動画を投稿しているが、『ダウンタウンなう』出演者らの見方は、日頃YouTubeに親しんでいない層にとっては共感できるものだったのではないか。これまでYouTuberに対して、「所詮遊び」「楽して稼いでいる」「チャラついている」などといったイメージが流布されてきたことは確かだろう。

 また今年3月、YouTuberの「TOMOKIN」がTwitterで、あるテレビ番組から「楽してお金儲け?! 新時代を生きる若者たち」というテーマでの出演依頼がきたことを明かしたことも記憶に新しい。“テレビ”にとって“YouTube”は、「楽して儲ける」場所なのだ。

 しかし実際にYouTuberは楽してお金が稼げる仕事かと言えば違う。昨年3月の『プロフェッショナル・仕事の流儀 新しい仕事スペシャル』(NHK)は人気YouTuber・HIKAKINに密着したが、企画・撮影・演出・編集をすべてひとりで行う彼の生活は、多忙そのものだった。

 YouTubeで月20万円かせぐためには、1日1本の動画を公開し、1本あたり6万回以上の再生回数が必要だと言われている。本業としてYouTubeチャンネルの運営に取り組むYouTuberは、企画・撮影・編集を連日繰り返す。YouTuberは収入が不安定な面に関しても着目されやすいが、不安定なのは芸能人やフリーランスで仕事をする人も同じだ。

 また、YouTuberはテレビ番組に出演すると、必ず収入について聞かれるが、それも「楽して稼げる」というイメージがあるからだろう。

 なお、今月11日放送の『太田松之丞(お願い! ランキング)』(テレビ朝日系)には、テレビでも活躍するYouTuber・フワちゃんがゲスト出演したが、MCの神田松之丞は、「なぜYouTuberはテレビに出演すると必ず収入を聞かれるのか」と言及。収入を聞く芸能人たちに向けて「お前はいくら稼いでるんだよ、お前が言えよ」と一喝し、YouTuberファンから称賛の声があがっている。

性差別・民族差別動画をUPするYouTuberもいる

 最近の大きなチャンネルのYouTuberたちはしっかりとコンプライアンスを厳守する傾向にある。ヒカキンをはじめ、意識的に下ネタを避けたコンテンツ作りをしている「水溜りボンド」、様々な魚を捌くチャンネル「きまぐれクックかねこ」など、面白い企画を打ち出し人気を獲得してきたYouTuberは多い。

 炎上を狙いモラルを無視するYouTuberたちがいることも確かであり、彼らはYouTuberのイメージ低下の一因になっている。たとえば「レペゼン地球」の虚偽セクハラプロモーションは、YouTubeファンを超えて広く炎上。その他にも道行く女性をつかまえて「ブス」と嘲笑する動画、ナンパ動画、性差別や民族差別的な言動をしてはばからない動画など、数え上げればきりがない。

 その他、京都アニメーション放火事件の犯人を擁護する動画を公開したり、川崎殺傷事件の直後に現場から中継を配信するようなYouTuberもいる。

 ただ、ヘイト発言で視聴者を釣ったり過激なドッキリに頼るYouTuberは露悪性から目立つが、それがYouTuberのすべてではなく、「まともない人はいない」と、一括りにすることは乱暴すぎるだろう。

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YouTubeで暴力と差別は禁止

 とはいえYouTube側も「なんでもアリ」な状況を許しているわけではない。YouTubeはコンプライアンス意識を強めており、12月11日にハラスメントポリシーの改定を発表した。

 更新されたポリシーでは、暴力を連想させるコンテンツや暴力事件を引き起こすような発言を「暗示的な脅迫」として禁じた。子供向けを装いながらも、実際にはアダルトコンテンツや暴力的なコンテンツだという不適切な動画を取り締まることも宣言している。

 また、人種や性別、性的指向などの属性を侮辱するようなコンテンツも禁止し、コメント欄にも適用する。モラルなきYouTuberおよび動画コンテンツは、淘汰されていくのだろうか。

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