社会

ビリー・アイリッシュにウィニー・ハーロゥ 既成の美への挑戦が行われた2019年のアメリカ

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Billie Eilish 『bad guy』(2019年)MVより

 2019年のアメリカは、既成の美の概念への挑戦がおこなわれた一年だった。旧来、美しいとされてきた外観とは異なるセレブが大いに人気を集め、メインストリームのメディアを賑わせた。

リゾ

 リゾは大ヒットを連発中のシンガー/ラッパー/フルート奏者だ。今年1月26日のグラミー賞では8部門ノミネートの快挙を成している。

 リゾはふくよかな体型(英語ではcurvyなどと呼ぶ)を隠すことは一切せず、逆に体型があらわになる露出度の高いデザインを着こなす。音楽とダンスの実力、陽気で豪快とすら言えるキャラクター、目が釘付けになる派手なファッションの三位一体がリゾだ。

 昨年末、NBC『サタデーナイトライブ』にミュージック・ゲストとして出演したリゾは、バック・ミュージシャンとダンサー全員をプラスサイズの女性で揃えた。強い意図があってのことだと言える。

 リゾは体型や、体型を隠さないことについてよくインタビューされているが、答えは、ある屋外コンサートで満場の観客に向かって叫んだこのセリフだろう。

「私のことが好きなら、あんたたち、コンチクショウな自分自身も大好きになれるよー!!(If you love me, you can love goddamn yourself!!)」

ビリー・アイリッシュ

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thank you for the award @variety 🤎

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 ビリー・アイリッシュも昨年の音楽シーンを席巻した一人だ。音楽性のユニークさと共に、体型が全くわからないブカブカな衣装を着ることでも話題となった。

 ビリーは5月に出演したカルバン・クラインのCMにて、その理由を独白した。

「人は自分が知らないことに意見できない。『彼女は “スリム・ティック” か否か』『ケツが大きいか小さいか』とか。だから私はブカブカの服を着る」

 スリム・ティック(slim thick)とは、全体は細身ながらウエストが極端にくびれ、胸とヒップが豊満な体型を指す。キム・カーダシアンとカイリー・ジェナーの姉妹がその代表だ。生まれつきのこともあるが、多くの場合、何らかの人工的な手段を用いている。物議を醸したキムの補正下着ブランド、Kimono 改め Skims はスリム・ティックのためのものだ。さらには手術によるスリム・ティックもある。ビリーはこの風潮にアンチを唱えているのだ。

キム・カーダシアン、妹ケンダル&カイリーの文化盗用の嵐

 今年6月、キム・カーダシアンは自身が立ち上げる補正下着のブランド名を「Kimono」と発表し、日本文化の盗用だと激しく批判された。当初はバッシングに屈…

ウェジー 2019.10.17

 また、ビリーが好むデザインはスケーター風のボーイッシュなもの。ガーリーなデザインはまず着ない。

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