キャリア・仕事

イオンが従業員のマスク禁止、客は「怖くて行けない」「お願いだからマスクをして!」 

【この記事のキーワード】
【完成】イオンが従業員のマスク禁止、客は「怖くて行けない」「お願いだからマスクをして!」 の画像1

「GettyImages」より

 イオングループが接客時の従業員にマスクの着用を原則禁止したという。ネットでは疑問と反発が広がっており、「感染症が蔓延しそうで怖くて行けない」「お願いだからマスクをしてほしい」という声も。客離れにつながりかねない反響だ。

 J-CASTニュースによると、イオンが従業員のマスクを禁じたのは次の理由からだそうだ。

<接客時におけるマスク着用は、顔の半分を覆い隠してしまうため、お客様にとって表情がわかりにくく声も聞こえづらくなるため、お客さまとの円滑なコミュニケーションの妨げになります。また、風邪や体調不良のイメージを持たれ、不安を抱かれる場合があります>

 しかしすでに風邪など体調不良を押して出勤している従業員もいるのではないか。マスクをつけず、ウイルスをばらまいては元も子もないだろう。まして、食品を売る現場である。

 SNSの反応を見ても、「スーパーの店員さんがマスクでも別に気にならないけど」という率直な意見のほか、「平気でくしゃみとか咳とかしてくる客もいるのに、マスクも出来ないとか怖すぎる」「イオンは従業員を守る姿勢がない」「だったら体調不良の人は休ませるべきでは?」など、従業員の立場に立って反対する意見も多い。

 また、客側の意見として「風邪やインフルエンザ予防のためにマスクしてほしい」「マスクなしで大勢に接客する店員さんがウイルスを媒介していないか不安」というものも多い。

 マスクをつけて喋ると声がこもり、聞き取りづらいというのはわかる。実際、イオンにはお客からそのようなクレームがあったようだ。しかしこのままでは、トラブルを避けるべく講じた策が、別のトラブルを生んでしまうのではないだろうか。

 インフルエンザが猛威をふるい始めた今年の12月上旬、Twitterユーザーの次のツイートがネットで話題となっていた。

<私はドラッグストアによく行くんだけど顔なじみの店員さんが咳をしながら働いてたから大丈夫?って話し掛けたら「マスクしたいけど仕事中マスク禁止になったんですよね…」との事。理由を聞いてみたら「店員の表情が見えなくてロボットに接客されてるみたい」的なクレームがあったとか…なんかもうね…>

 職場でマスクを禁じられることへの違和感を訴えたツイートだったが、飲食店の従業員をはじめ、ホテル、保育士、介護士、歯科医院、100円ショップなど接客業に携わるユーザーから“うちの職場もマスク禁止です”と報告するリプライが相次いだ。接客業ではマスクを禁止している職場も珍くはないようだ。

 投稿主は<この状態に私が「スタッフが咳やくしゃみをしているのにマスクをしていないなんて非常識過ぎる。こんな店もう利用しません」みたいなご意見を送ったらどうなっちゃうんだろ…>と続けてもいる。

 そのとおりで、こうしたクレームにいちいち対応していては、従業員も店舗も疲弊するばかりだろう。「お客様のご意見」も大切だが、そこで働く従業員の健康や働きやすさも当然、大切なはずだ。そのことがわからなくなるほど、すでにクレーム合戦に疲弊している、という可能性もある。

女性はメガネ禁止でハイヒール

 11月には、女性社員の“メガネ着用”を禁止にしているという職場のルールが物議を醸した。11月6日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)は、女性社員のメガネ着用を禁止している職場は、化粧品を販売する美容部員、客室乗務員、企業受付など種々あると報じている。

 大手百貨店で案内係を担当していた女性によると、入社の時点で「見た目が悪い」「メガネは冷たい印象を与える」という理由でメガネ着用を禁じられたという。

 メガネ着用を禁止する理由について、番組内ではある化粧品会社が「美容部員がメガネをかけているとお客様にメイクを見せづらいから」、航空会社は「緊急時の避難の際にメガネが割れると危険だから、男女問わず禁止している」と説明していた。

 しかしこの特集の発端となった「BUSINESS INSIDER JAPAN」の記事の記者・竹下郁子氏は、同番組の取材に応えて「(メガネ着用禁止は)女性は仕事のスキルと共に、職場の“華”“マネキン”であることが求められている」と指摘している。

 そこで働く人間の安全や利便性を優先させたほうが“生産性”は上がりそうなものだが、不合理がまかりとおっている。残念なことに、先日正式決定した厚労省のハラスメント対策案に、「ヒールやパンプスの着用を命じることは、パワハラに当たり得ること」や「女性に限定した仕事上の服装規定をなくすこと」などは結局、盛り込まれなかった。こうした問題も、従業員の健康や人権を軽視しているという意味で、「マスク禁止」と地続きだろう。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。