肌が乾燥して痒そう…皮膚科医が教える「0歳からのスキンケアのポイント」 

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赤ちゃんの肌

 慢性的にくり返す激しいかゆみと皮膚炎に悩まされる「アトピー性皮膚炎」。我慢できず掻けば、さらに肌のかゆみが増し、夜は安眠を妨げ日中は集中力が続かず、体は常にだるい。

 アトピー患者は肌のバリア機能が低下しているため、わずかな刺激や乾燥などで、肌のコンディションが崩れやすい。そのため、症状が再発したり、肌のいい状態を長く保てなかったりという悩みを抱えている。

 近年では「アレルギー・マーチ」という現象も注目されている。乳幼児期のアトピー性皮膚炎に始まって、食物アレルギー、小児ぜんそく、鼻炎……成長するにつれて異なるアレルギー疾患が発症するというものだ。

 「わかばひふ科クリニック」の院長を務める野﨑誠医師は、「アトピーを繰り返さない肌には、0歳からのスキンケアが必須です」とアドバイスする。野﨑医師は、クリニック開設から延べ1万1000件、約2000人の0歳児の肌を診てきたスキンケアのエキスパートだ。

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野﨑誠
2001年、山形大学医学部卒業、04年から国立成育医療研究センター皮膚科に勤務。13年3月より「わかばひふ科クリニック」(東京都武蔵野市) 院長。専門分野は小児皮膚科。特にアトピー性皮膚炎をはじめとする乳幼児の湿疹性病変、皮膚アレルギー性疾患、虫刺され、あざ・母斑および同症に対するレーザー治療。

スキンケアは0歳からしてほしい

 野﨑医師は、「赤ちゃんの肌は『もちもち』ではない」と断り、肌のトラブルが起こりやすい理由をこう説明する。

野崎「皮膚の厚さは、大人でもラップ1枚分。赤ちゃんはその半分しかありません。また、肌の表面には皮脂がほとんどつくられないので、肌の内側の角質層にある水分やセラミドなどの保湿物質も大人に比べてとても少なく、乾燥しやすいのです。そのため、アレルギー物質や刺激の影響を受けると、トラブルが起きやすくなります」

 バリア機能が整っていない子どもの肌は、外部からの刺激にさらされているが、正しいスキンケアをすることによって、健やかな肌を維持できる可能性もある。

 ちなみに肌のバリア機能を高めるとされるのが、肌の内側でつくられるタンパク質「フィラグリン」だ。天然の保湿成分にもなるフィラグリンが、肌の内側から「角質細胞層(角質層、角層)」を強化し、乾燥から守るバリア機能として大きく働くのである。

 フィラグリンが不足した皮膚は角層が薄く、フィラグリンの産生が促進された皮膚は、表皮の最も外側の角層の厚みが増すこと(1)や、フィラグリン不足でアトピー性皮膚炎が生じるという研究結果(2)も発表されている。また、フィラグリンが活発に産生されると、保湿剤などによるスキンケアの相乗効果も高まるといわれている。

1)日本皮膚科学会 『The Journal of Dermatology』(2015年)。
2)『Journal of Allergy and Clinical Immunology』(2017年11月付)

赤ちゃんの肌を守るポイントとは?

 さまざまな商品や情報が氾濫する中、肌トラブルに悩む子どもやその保護者は情報の取捨選択に疲弊してしまいがちだ。そこで野﨑医師に乳幼児期の正しいスキンケアのポイントを聞いた。

 これは大人のスキンケアにも共通する点が多いので、親子で実践してほしい。

保湿剤のタイミングは風呂の少し後がベスト 

  • ・お風呂から上がった後、少し時間をあけて、ゆっくりと全身に塗る。赤ちゃんは入浴中に大量の汗をかくので、入浴直後に保湿剤を塗ると、むしろ汗疹(あせも)ができることがある。
  • ・一般的に、保湿剤はベビーローションやクリームなどがおススメ。赤ちゃんは汗っかきなので、汗疹対策も兼ねてローションの方がよい。
  • ・保湿剤は添加物の少ない低刺激のものが理想的。
  • ・塗る順番は、顔からそのまま下に向かってゆっくりと。おしゃべりしながら全身に塗ってあげれば、赤ちゃんとのコミュニケーションにもなる。
  • ・擦りこむのは、摩擦で汗疹ができてしまうため厳禁。
  • ・乾燥しやすい冬場は、水っぽい保湿剤より少しコッテリしたものに。回数も意識して増やす。

室温は25℃、湿度は50%を目安に

 冬場に肌が乾燥する原因のひとつに挙げられるのが湿度。

 たとえば、東京の場合は1月がもっとも湿度が低い。平均湿度は54%だが、17%まで下がることもある(2018年・気象庁)。

 湿度の低下は、皮膚のバリア機能の低下も招く。加湿器などをうまく活用し、乾燥肌を防ぎたい。

 ただし、湿度が高すぎると汗をかきやすくなり湿疹の原因にもなる。50%程度に保とう。また、高すぎる室温も赤ちゃんが汗をかく原因になる。25℃程度に保つのがベストだ。

生活習慣が乾燥肌を引き起こす場合も

 食生活の習慣が、乾燥肌を引き起こす場合もある。

 ダイエットによる食事制限や偏食などで栄養バランスが崩れると、皮膚の乾燥は悪化する。皮膚をつくるには、たくさんの栄養素が必要だが、中でもタンパク質は保湿には欠かせない。

 また、保護者の生活習慣は、間接的に赤ちゃんの皮膚の状態に影響を及ぼすから注意したい。十分な睡眠と栄養バランスのとれた食事を心がけよう。

 冬は特に空気が乾燥するが、しかしスキンケアは通年が鉄則だ。赤ちゃんのスキンケアを素手で行えば、大人の指先の保湿にもつながる。忙しい日常の中でのスキンケアは、親子のスキンシップにもなる。フィラグリンの産生促進効果のあるスキンケア商品も登場しているので、試してみるのもよいだろう。

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