開眼(英語でいうところの”Woke”)しちゃったら、そうした番組が社会に与える悪影響をもう分かっているから、他人事じゃないんだよ。こっちは笑いたくてお笑い番組を観るのに、傷つけられるなんてゴメンだね。
さて、そんなツライ地上波テレビに代わって私がよく観ているのが、ネットフリックスやプライムビデオなど、いわゆるVOD(ビデオ・オン・デマンド)。好きなときに好きなものだけ観れるし、バカなコマーシャルで凹む心配もないからね(価値観化石なオッサンしか出てこない最悪な番組のコマーシャルを突然流してくるところもあるけど。ヘイ、プライムビデオ、聞いてっか?)。
いま観てほしい推しコメディアン!
いまや見放題サービスはいろいろあるけど、私が一番利用するのはやっぱりネトフリ。オリジナルのコメディ作品が多くクオリティが高く、傷つく可能性はほかよりも格段に低いから(あっ、もちろん日本オリジナル作品はまったく話が別だから気をつけて!)。
何を隠そう私がスタンドアップ・コメディというものを観るようになったのもネトフリのおかげ。コメディ映画に出ていて気に入った俳優のほかの作品が観たくて名前で検索したら、その人が超政治的なスタンドアップ・コメディアンで、そのコメディ・スペシャルを観たのがきっかけ(ちなみにそれはデイヴィッド・クロス)だった。
政治的なこと、さらには宗教のこと、日本では口にするのも絶対タブーとされることを次々ネタにして会場を盛り上げる様子。不愉快がって、途中で帰るお客までいる(その客席の様子を映してそれもネタにする)……1人でしゃべって客席を沸かす、日本のいわゆる「漫談」と似ているけども、まるで違うその会場の雰囲気。すぐにどっぷりスタンドアップ漬けになり、しまいにゃ自分でも舞台に立つようになってました。
ということで、いまや毎日がネトフリコメディ祭り。地上波観てるヒマねぇよ。お気に入りのネタは、日々「あっこれは◯◯というコメディアンのジョークなんだけど」と出典も逐一セットで(パクりになっちゃうからね!)受け売りしていたら、「もっとそういうネタが聞きたい、おすすめのコメディアンを教えてほしい」と友人やライブに来てくださったお客さんからよくいわれるようになりました。たくさんあるんだけど、いかんせん時間が足りない。ということで、コラムにしないかというお話をいただいて、こりゃ願ってもない機会だと思い、こうして長い前口上を書いているわけです。