戸田恵梨香や蒼井優、30代女優たちの充実ぶりは若さという価値への執着を吹き飛ばす

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戸田恵梨香Instagramより

 年齢を重ねると「劣化した」という言葉を投げかけられる女性芸能人たち。「女は若ければ若いほどいい」という価値観は当たり前のように存在しており、それに従ってエイジングに抗う女性は多い。しかし、歳を取ることは女性にとって何よりも恐れなければならないことなのだろうか?

 女優の戸田恵梨香は今月15日、都内で行われた化粧品ブランド「LANCOME(ランコム)」の発表会に同ブランドのミューズとして出席。<年齢を重ねる喜びを感じている><歳を重ねることが、どれだけ楽しくて有意義なことなのか伝えたい>と語った。彼女は現在31歳で、8月に32歳の誕生日を迎える。

 戸田恵梨香は昨年5月の「BAZAAR」のインタビューで、30歳になって起こった心情の変化を具体的に語り、世の中の価値観や風潮に惑われず、自分自身の考えを大切にしていきたいと述べていた。

<20代の後半は、自分がやりたいことや先の目標かがぼんやりとし始めてきて、迷いや悩みにとらわれ続けていました。苦しい時期でしたね。それを越えることができて、女優として進化していくための土台ができた。まるで、スタートラインに立っているような気持ちです>

 彼女は30歳の誕生日を機に、Instagramの投稿をはじめ大規模な“断捨離”を敢行。これについては他のインタビューやテレビ番組でも話しているが、それまでの30年間でたまってきた「こうあるべき」という思い込みを捨てリセットしたことで、吸収力がぐんと上がり、新たなステージに進むことができたという。

蒼井優も「歳をとることが楽しみ」

 歳をとることをネガティブに捉えず、その楽しさを積極的に発信している女優は他にもいる。

 昨年、電撃的に結婚を発表した蒼井優もそのひとりだ。

<20代の頃は楽しいは楽しいんだけど、どこかサイズの合っていない服を着ているような違和感があった。私は30歳になってから『これほど人生は楽しいものなのか』と実感しました。30代でこれだけ楽しいんだから、40代50代と年齢を重ねていったらどうなるんだろうって、今は楽しみで仕方ない>
(参考:女の転職typeより)

 蒼井は20代後半を“第二思春期”と解釈。その思春期を越えた30代は自然と気持ちが楽になったそうだ。

 柴咲コウも、歳を重ねることで<いろいろな面でバランスが取れてきたなと自分でも実感しています>と話している。
(参考:mi-molletより)

 また長澤まさみは2018年、30歳を過ぎて<やっと人生の本番が始まった>と雑誌インタビューで語った。

<30代になって、とにかくずっと楽しいんですよ(笑)。以前よりも広い視野で物事を見られるようになったし、心にもゆとりが出てきた>
<30歳、40歳を迎えた先輩方が『今が楽しい』と言っていた理由が、自分がなってみてわかりました>
<私だって年齢を重ねることに対する恐怖はあります。でも、怖さよりも楽しみのほうが勝つんです>
(参考:「ケトル」(太田出版)2018年4月号より)

 女優だけに限らない。2018年11月28日『日テレ系音楽の祭典 ベストアーティスト2018』(日本テレビ系)でPerfumeのあ~ちゃんは、<年重ねるってマジ楽しくて、大人って超楽しいって思ってて。だから、30歳の扉を「バ~ン」って開けたいです>と発言し、ファンの共感を呼んだ。

「いつまでも若くて」は誉め言葉か?

 確かに今の芸能界には、40代、50代の成熟した女優がたくさんいる。その背中は20代、30代の女優たちにとって、心強いものだろう。

 1964年生まれの山口智子は現在55歳。彼女は数年前、子供を産み育てない選択をしたと明言して話題になったが、「女性はこうあるべき」という抑圧を軽やかにすり抜け、自分自身の心地よい生活を築いているように見える。

 たとえば彼女は“老い”を否定しない。“美しく老いる”ことが目標だといい、<学ばなきゃいけないことが山積みで、人生楽しくてしょうがない>そうだ。
(参考:FRaUより)

 47歳の常盤貴子は、しばしばネットでも「アラフィフに見えない」などと“賞賛”を浴びるが、「若く見えることがいい」という風潮に疑問を呈す。

 今年1月の「mi-mollet」インタビューで常盤は、40代になって古着やTシャツが似合わなくなったというが、「歳はとるもの」として受け入れて楽しんでいると語っていた。

<昔からよく思っていたんですけど、「いつまでも若くて」という言葉が悪口になればいいのにって。歳をとると、それがみんなの合い言葉みたいになっているじゃないですか。若く見えることがいいこと、みたいな>

 「女性が歳をとること」というただそれだけの自然現象に、「いつまでも若く美しく」「男性は若い女性が好き」「老いは醜い」といった呪縛がついてまわってきた。しかし、他人による容姿のジャッジは、その女性の価値を決めはしない。

 若さという価値に執着しても、不老不死にはなれないのだから、こだわればこだわるほどつらくなっていくだろう。歳を取る中で色々な経験をすることは「楽しい」。生きている以上しんどいことは当然あろうが、それでも「楽しい」と言える年齢の重ね方をしていきたいものだ。

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