ライターとしてweb恋愛コラムを量産しまくった私の懺悔と「愛され女子」撲滅の誓い

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フリーライターとして愛され女子になる方法を書いた日々

 さらに抵抗が強かったのは、SEO対策のためのネット用恋愛系コラムでした。

 SEO対策とはサーチエンジンに最適化させる対策のこと、つまり、Googleなどの検索で上位表示させるためにwebサイト側が講じる対策のことです。

 たとえば、「彼氏 デート」などの検索ワードでSEO対策をばっちり施した記事を書いて、webサイトに載せます。すると、「彼氏 デート」で検索したときに上位表示され、その記事を見て、その記事に貼り付けられている広告への導線ができる、というわけです。実際にはそう簡単に検索上位をゲットできるキーワードばかりではありませんが、ともかく日々、そうした記事は大量に作られ、世に送り出されています。

 検索上位表示のために何が最適か、日々方法は変わっていますが、同じテーマの(できれば良質でオリジナリティが高い)記事をたくさん載せることは今も昔も有効なSEO対策のひとつだと言われています。そこで、仕事を選ぶ余裕のないわたくしのようなライターが登場します。編集部からテーマとかキーワードをもらって書くのですが、この発注内容がけっこうキツイことが多々あるのです。

 これは実話なのですが、「それぞれの血液型の男性が好む、女性のファッションの違いについて書いてください」とか。本気でしょうか?

 でも、書きます。

 「婚活・モテファッション、をキーワードに書いてください」については、「婚活」と「モテファッション」という単語をちりばめつつ、「本人が好きでかつ似合う服を着るのが一番」というどうでもいい内容で提出したりしました。

 「愛され」とか「愛され女子について書いてください」という依頼もありました。「愛され女子」って言葉が死ぬほど嫌いなのに、でも書きました。

 本当はこう書きたかった。誰かに愛されよう、選ばれようとして、なぜ自分で選ぼうとしないのか、って。

 「愛され女子」だけでなく、「本命に選ばれる女」「プロポーズさせる方法」とか、「受け身」であることを良しとする記事の依頼は、たくさんきました。どれもこれも、女性読者を想定しています。その記事を読む女性は大勢いたはずです。私は、こんな記事を本気にして、女は自分からプロポーズするのではなく男性から選ばれるのを待たねばならぬとか、自分で好きな人を選ぶんじゃなくて誰かに気に入られることばかり意識する子が増えたら悲しい、と思いつつ……書いちゃっていました。

 読者となる女性たちへの罪悪感もさることながら、まったく自分の主張と違うことを書かかなければならないのはストレスでした。社会的な性別役割を否定し、社会で下位に置かれる女性をエンパワーする記事を書きたいのに、性別役割を強化するようなイデオロギーを発信して、女性の自信を失わせたり、不安を煽ったりしている自分って、なんなんだろうか……。

 生活のために書いている。けれど、やるかやらないかは個人の倫理観に依っているわけで……。葛藤しつつも、独立一年目はほぼ仕事を断ることなく、薄利多売で書きまくっていました。するといつのまにか、(自尊心が削られましたが)会社員時代の年収を超えていました。

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