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小泉進次郎の育休を嘲笑する弊害。新生児育児は「パシリ」上等だ

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小泉進次郎オフィシャルブログより

 17日深夜、小泉進次郎環境大臣と妻でフリーアナウンサーの滝川クリステルさんの間に、第一子である男児が誕生した。小泉氏は出産に立ち会い、育児休暇についても、予定通り取得するという。

 小泉氏は息子の生後3カ月間、短時間勤務やテレワークを組み合わせ、合計で2週間ほどの育児時間を確保するとし、育休が取得できる“空気”をつくっていきたいとの意向。

 ブログでも、自身の育休について詳しく説明している。

<子どもが生まれるにあたって、あまりに知らないことが多いので、様々な専門家や親御さんにお話を聞かせていただきました。その中で、妊娠・出産によってホルモンバランスが崩れ、産後の孤独な育児によって「産後うつ」になる方が約10%もいる、ショッキングな事実を知りました。
 私自身、妻の様子を隣で見ていて、率直に育休を取りたいと思うようになりました>

 国会議員、環境大臣という立場で育休を取得することへの葛藤はあるという。しかし、<制度だけではなく空気も変えていかなければ、育休取得は広がっていかないでしょう><男性の育児休業が取れる社会にすることは、日本の少子化解決に重要だと改めて感じました>と思いを綴っていた。

 小泉氏の決断について、ネットでは「立場のある男性が積極的に育児参加することは社会へのアピールになる」「男性の育休が当たり前の社会にしてほしい」と応援する声も多い。

 しかし一方で、「大臣は国のために働くことを優先してほしい」「国会議員は公務を優先しろ」「ただのパフォーマンスでしかない」と非難する向きもまた強く、賛否両論が飛び交っている。

「父親の育休」を揶揄する大きな声の人たち

 「東京スポーツ」1月17日付記事は、滝川さんは出産後しばらく都内の実家で赤ちゃんと過ごすといい、<育休を取得したところで、進次郎氏ができるのは愛犬の散歩と買い物ぐらいでほとんど悲惨な“パシリ”生活。育休奨励どころか逆効果になりかねない――。>などと論じた。

 昨年末に「週刊文春」(文藝春秋)が報じた小泉氏と既婚の実業家女性との過去の不倫疑惑によって、<進次郎氏の“家庭内序列”はさらに下になりました>とのことで、<進次郎氏はブログで育児奮闘記をつづり、イクメンぶりをアピールするもくろみのようだが「フタを開けたら、単なる“パシリ日記”になる可能性がある」>と揶揄している。

 また、政治評論家の竹田恒泰氏もTwitterで小泉氏の育休に言及。

<育児で、父親が力を発揮できるのは2歳からではないかと思う。乳児に対して父親は母親のサポートをすることはできても、代わりになることはできない。2歳以降は、父親が母親に代わって何日か完全に世話して、母親を休ませることができる>

<育休も、ただ日数ばかり議論するのではなく、中身も議論して欲しい。育休で夫が家にいることで、妻の負担が大きくなってしまうこともあると聞く。そもそも夫が育児に関わることを自らアピールする人に限って、大した役割を果たしていないように感じる>

 このツイートに対しては、「父親にできないのは母乳を出すことだけであとは何でもできます」「産まれた直後から戦力ですよ。きちんとやってください」「母親の代わりになる為の育休ではなく、親として子に関わる為の育休です」「乳児期から協力して育児するという発想はないのか?」などと批判のリプライが多くついている。

 育児経験のある女性たちからも「産褥期の体を休ませるためにパートナーがいてくれた方が助かりました」「うちの夫は生まれた直後からめちゃくちゃ力発揮してくれますよ」と反論の意見が相次いでおり、「2歳から」などという根拠のない盲言は早く引っ込めたほうがいいのではないか。仮に竹田氏は「家にいることで妻の負担になるような夫」なのだとしても、世間の男性全般がそんな存在ではまったくないだろう。

 そもそも生まれたばかりの赤ちゃんの世話は誰がやっても“パシリ”のようなもの。赤ちゃんの“パシリ”である。それのどこが悪いのか。カッコつけたイクメンブログなど綴られても興ざめするだけであり、小泉氏にはむしろ赤裸々な育児日記を期待したい。

 「楽しそう、カッコイイ、だからイクメンになる」などという浅い目論見で育児をされてもむしろ迷惑だろう。パシリは最大の戦力だ。カッコよくなかろうが何だろうが、我が子がそこにいるのだから、やるしかないのである。

小泉進次郎氏の育休に「賛成」84%

 ベビカム株式会社が17日に公開したアンケートによると、「小泉進次郎環境大臣が2週間分の育児時間を確保する意向を固めましたが、あなたは賛成ですか?反対ですか?」との質問に対して、妊婦または子育て中の女性の約84%が「賛成」と答えている。

 「賛成」の意見には、「影響力のある人が育休を率先して取得することは重要だと思います。批判する人がいるようですが、先進国の中で育休取得を批判するなんて日本だけだと思うので、悲しいです」という声のほか、「しかし取り方が半端な感じがする。取るなら連続で取ってほしい」という意見もあった。

 女性が男性の育児参加を歓迎――というよりも、親として同じスタートラインに立った者同士、協力して育児をしていきたいと思うのは当たり前のことだろう。

男性の育休取得率「13%」にもほど遠く

 昨年、厚生労働省が発表した「平成30年度雇用均等基本調査」によると、2018年度の男性の育休取得率はたったの6.16%(ちなみに女性は82.2%)。2017年度と比べると1.16%の上昇だが、同省が目標に掲げている「2020年度までに男性の育休取得率13%」という数値にはほど遠い。

 小泉氏のように立場や発信力のある男性が育休を取ることは、社会に変化をもたらすきっかけになり得る。官民問わずどんな組織や立場であっても、育児で一時的にポストを不在にしても問題なく機能する組織づくりを進めていくことは大きな課題だ。現状、「13%」などという低すぎる目標数値すら達成できそうにないのである。

 だからこそ、政治家としての小泉氏に思うところはあれど嘲笑は控えたい。そして小泉氏にはくれぐれも育休期間にくだらないスキャンダルを撮られないでもらいたいものだ。

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