『キャッツ』演者が猫そのものの恰好をしないからこその魅力

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映画とミュージカルの違い

 ところで、猫の視界という荒唐無稽な設定から、生身の人間が演じる舞台ではなく、再現性の高い映画の方が「キャッツ」の世界観に向いているのではないかと思われるかもしれません。

 「キャッツ」の演者は猫の着ぐるみを着るわけではなく、猫の柄を思わせるメークと、タイトなシルエットの衣裳です。しかし、猫そのものの恰好をしないからこそ、演者の動きのすばらしさと、メークのアーティスティックさがより際立つもの。同じく劇団四季の代表作のひとつであるミュージカル「ライオンキング」も、原作であるディズニーの手により実写化されましたが、ミュージカル版がアフリカンアートのようなメークと衣裳が絶賛されたのに対し、「実写映画はBBCのドキュメンタリーのように味気ない」という評価が多かったことを思い出せば、想像しやすいかもしれません。

 映画という表現にはそれならではの良さがあるものですが、「キャッツ」はおそらく、舞台の方が良さが引き立つ作品。映画の評価がどうであれ、舞台版ではまた違った体験ができるはずとおすすめしたいと思います。

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