産休・育休でもらえるお金はいくら? 月給20万の会社員でシミュレーション

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生き延びるためのマネー/川部紀子

 ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。浜崎あゆみさんが産後早い段階で復帰しカウントダウンライブを行ったことや、小泉進次郎環境大臣が育児休暇取得を発表するなど、最近、出産や育児への注目が集まりました。

 これらの報道に対しては「産前産後ってあんなに動いて大丈夫なの?」「男性が育休? そもそも育休って?」といった声が少なからずありました。また、マタニティ・ハラスメント「マタハラ」も問題になっています。

 ということで今回は、「産休」「育休」に関する会社員の制度と給付について例を使って解説していきたいと思います。

【例】
30代 会社員女性(扶養親族なし)「健康保険」「雇用保険」あり、東京都在住
月給 総支給額20万円(交通費や残業代は含み、ボーナスは含まない)
出産日2020年3月31日(予定日に出産し、双子ではない)

法律上の産休と給付について

 産休とは、産前産後休業のことで、該当者は出産をした本人のみです。法律上の位置付けは労働基準法の母性保護規定、つまり、出産する人の「母体」を守る目的と解釈できます。

 期間は「産前6週産後8週」。予定日通りの出産とは限らないので、出産日当日は“産前”に入ります。つまり、出産日が遅れると産前休業が6週より長くなりますが、問題ありません。

 女性が請求した場合に限り、出産日以前6週間(双子などの場合は14週間)、出産後8週間、会社は女性に仕事をさせることはできません。

 ただし、出産後6週間を経過し、女性本人が仕事復帰を請求して医師が支障ないと認めた業務については、会社は仕事をさせてもかまいません。

 出産後の女性をいかなる理由でも働かせてはいけない期間は「産後6週間」ということになります。

 この産前産後休業の期間に対してもらえるお金が「出産手当金」という健康保険の給付です。会社を休み、給与の支払いを受けなかった日数に対して支給されます。

 今回のケースで6週+8週の産休に対し支給される出産手当金の概算額は、435,806円になります。約3カ月半の産休と考えると、435,806円÷3.5=124,516円ですので、1カ月辺りおおよそ(休業前の月給の)総支給額の62%、手取りの約74%が健康保険から支給されます。

 加えて「出産育児一時金」が42万円支給されます。出産育児一時金は、給料の多寡や、会社員、個人事業主、無職等を問わず、健康保険であっても国民健康保険であっても、加入している保険から同額支給されます。

法律上の育休と給付について

 育休とは、育児休業のことで、該当者は、子を養育する者、つまり男女は問いません。まだまだ少ないものの小泉大臣のように男性が育休を取得するケースも増えています(小泉大臣はいわゆる一般労働者ではないので、育児休業制度を利用できるわけではなく、休暇を取得して育児にあてる「育児休暇」ですが)。

 育休は原則として1歳に満たない子を養育するための期間が対象です(ただし、保育所等に入所できない等の理由がある場合1歳6カ月、それでも保育所等に入所できない等の理由がある場合2歳に達する日まで)。

 父母ともに育児休業を取得する場合は、子が1歳2カ月に達する日までの間のそれぞれが1年間取得可能のパパ・ママ育休プラスという制度もあります。

 この育児休業の期間に対してもらえるお金が「育児休業給付金」という雇用保険の給付です。雇用保険の特性上、育休までの期間や育休後の一定の期間雇用されている必要があります。つまり、入社間もない、または退職が迫っている場合などは対象外になります。

 今回のケースで、産休後に育休を開始し子が1歳になるまで支給される育児休業給付金の概算額は1,214,000円です。最初の6カ月は多く、6カ月以降は少なくなるのですが、トータル10カ月を平均すると、1,214,000円÷10か月≒121,400円です。1カ月辺りおおよそ(休業前の月給の)総支給額の61%、手取りの約73%支給されます。

 「パパ・ママ育休プラス」を利用することで、会社員の夫も育児休業給付金を上限1年間受け取ることが可能です。夫の給与が総支給月額30万円とすると、1年間でトータル約210万円の支給となります。給与の多寡により支給額も変わります。

まとめ

 会社員の産休・育休について、権利があること、そして一定の期間に対し少なくない金額が支給されることを確認できたと思います。妊娠、出産、育児を理由に会社を辞めてしまうことは非常にもったいないと感じるほどではないでしょうか。

 また、産休・育休の期間に対し、会社は給料を払う必要はなく、会社も自分も社会保険料もかかりません。ましてや、会社がこれらの給付を負担するわけでもないので、しっかりと休んで気兼ねなく支給を受けていいわけです。マタハラなんてもってのほかです。

 こうした制度や給付については、産休・育休に直接関係ないという方も、知っておいてほしいと思います。なにせ、ここは少子高齢化が社会問題となっている日本ですから、本当に子供は宝なのです。これからは、家族も友達も同僚も会社も地域など、社会全体で子育てをする気持ちが重要ではないでしょうか。

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