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TikTokから水着グラビア「後悔している」彼女の水着動画についたコメントとは

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エリカInstagramより

 エリカ・マリナ姉妹の姉・エリカが今月26日、Twitterに<グラビアをやった事本当に本当に後悔してる>と綴り、物議を醸している。

 エリカ・マリナ姉妹は2018年に“人気の女子高生TikToker”として注目を集め、「週刊ヤングマガジン」(講談社)、「週刊プレイボーイ」(集英社)、「FLASH」(光文社)などの雑誌で水着グラビアページが展開された。“大胆ビキニ”“最強ボディ”といった煽り文句とともに。

 TikTokerとしての彼女たちはティーンの絶大な支持を得ていたというが、水着グラビアは若い同性ファンとは別の層に訴えかけるものだったといえる。彼女たちは現在、当時所属していた芸能事務所を退所し、フリーで活動している。

「自分のグラビア写真を目にする度に精神が削られていく」

 26日に姉妹の姉であるエリカがTwitterに投稿した文章は以下のものであった。

<グラビアをやった事本当に本当に後悔してる。確実に女の子として何かを失ったし、あの頃こうなると分かっていたら大人の言葉や事情なんて無視して断固として出るべきでは無かった。 辞めてから1年半以上たった今でも自分のグラビア写真を目にする度に精神が削られていく>

 その数時間後、補足として具体的に何に“後悔”しているのかを説明している。

<私自身、強くてかっこいい海外女性像というのに憧れていて、それを世の女の子に伝えたくてグラビアを始めさせて頂きました。 それについては雑誌に携わるスタッフの方々とそのイメージについて直接話し、私も同意の上で撮影が進んでいきました>

<なので撮影自体楽しく進み、皆様の想像する「闇」というのもある訳ではありません。 私は、その後来た世間からの反応を想像出来なかった事にとても後悔しています。 そして、一部のコンテンツに関しては私達の同意無く配信されてしまい、未だに無断転載されているものもあるので、それが度々目に入り>

 ちなみにエリカのツイートを紹介するネットニュース記事で彼女を“元グラドル”としているものもあるが、一連のツイートを読むと彼女を“元グラビアアイドル”としていいのかどうか、筆者にはわからない。

水着写真の撮影は性的消費の「同意」か

 さてエリカが綴った、水着グラビア展開後に<来た世間からの反応>とは、どのようなものだったのか。

 そのひとつがわかるのは、YouTubeの「講談社ヤンマガch」のコメントだ。そこには今もエリカ・マリナ姉妹のグラビア撮影の様子を撮った動画が公開されているが、コメント欄に並ぶのは次のような「反応」だ。

「エロすぎ」
「これじゃ~教師が学生に手を出すわな」
「抜かない方が失礼」

 また今月23日、エリカはTwitterでライブ配信がトラウマになっていることを明かしていたが、その理由はリアルタイムで流れてくる中傷やセクハラコメントが原因だという。

 彼女が水着の写真を撮影することに同意した理由が、「強くてかっこいい海外女性像」への憧れを同じ女性たちと共有するためだったとしたら、セクハラコメントを浴びることはまったく予想外だろう。少なくとも男性読者から性的に消費をされ、猥褻な批評を公然とぶつけられることになるとは思いもしなかった。

 しかし水着グラビアの発表の場は、男性読者を想定した媒体だった。訴えかけたい対象がまず違う。そこに大きな齟齬があり、また当時高校生だった彼女が認識できなかった点なのかもしれない。

吉岡里帆にも「馬鹿にするな」のバッシング

 昭和の時代から令和の現在に至るまで、男性読者をメインターゲットにした媒体で水着グラビアを披露することは、その被写体が性的に消費され評価されることに「同意している」とみなされる。メディア側も消費者側も、それを当然のこととしている。

 だからこそ、エリカが後悔を綴ったツイートにも、「何をいまさら」「そんなこと最初からわかっていただろう」などといった批判的な意見が目立つ。また、「グラビアアイドルを馬鹿にしている」と捉え、非難する声もあった。

 こうした流れに見覚えはないだろうか。2017年、女優の吉岡里帆が水着グラビアをやることが嫌だったと対談記事で吐露した際のことだ。このときネットでは、「グラビアを馬鹿にするな」と憤る意見が噴出した。以下、対談から吉岡の発言を一部引用する。

<あの時間もある種、文字通り切り売りの時間だったんです。だって私は水着姿なんて絶対出したくなかったし、両親からも、『本当に結婚するような人にしか見せちゃだめ』という教育を受けてきたから。それを、全国区の、ワンコインで買える週刊誌で披露して、1週間後には廃棄処分されて。こんなに脱いでも、翌週には別の女の子のことを見るんだろうなと思うと、自分のその『旬すぎる時間』みたいなものがすごく辛かったです>

<人は、脱いだ人を『脱いでる人が芝居している』って見るんですよ。脱がない人のことは、はじめから『この人は芝居する人なんだ』という目で見ます。その壁ってすっごく厚くて高くて、自分で自分の首を絞めるみたいな行為をしてしまったと思うこともあります>

 吉岡里帆は“水着グラビアが話題になった女優”の一人だ。彼女は2016年のNHK連続テレビ小説『あさが来た』、同年の連ドラ『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)、そしてトリッキーな役柄で一躍話題になった『カルテット』(TBS系)の出演を経て、主演格の女優となった。

 だがそれ以前の時期、エリカ・マリナ姉妹のように、男性向け媒体で水着グラビアを展開し、すでに男性ファンの支持を得てもいた。

 そうした背景から、吉岡里帆には「脱いだから売れたくせに」「グラドルやグラビアスタッフに失礼」「売れたら脱がないなんて嫌な女だ」……といった筋違いなバッシングが相次いだ。

 同時に、彼女が出演するドラマや映画で下着姿のシーンがあると、「嫌だと言いながら脱いでいる、矛盾している」などとこれまた筋の通らない批判も噴出。そもそも男性向け媒体で男性読者への性的アプローチを意識して脱ぐことと、ドラマや映画など作品の役として脱ぐこととでは意味がまったく異なるのだが、短絡的なバッシングにそうした理解を求めても仕方がないことなのかもしれない。

 私たちが消費者側として気を付けたいことは、本人が望んで水着や下着のグラビアを撮影しているケースもあれば、そうでないケースもあると念頭に置いておくことだろう。

「水着グラビアは新人の通過儀礼」という業界慣習

 女性、特に新人タレントが「脱ぐ(水着姿や下着姿になる)」ことは、そのタレントを売り出すにあたっての“正攻法”だとされている。

 多くの場合、新人タレントというのは若い。所属事務所内でも立場が弱く、「私は絶対に水着グラビアを経ずに売れて見せる」と断言することも難しければ、事務所側が「水着グラビアを経ずに売るルート」を用意しているわけでもないかもしれない。

 女優として望む仕事をやるためのステップとしてまず水着や下着姿で大衆の関心を惹くのが通例だと諭されれば、新人タレントは断れまい。まして水着グラビアを経て売れた女優の前例は豊富にあり、大きな説得材料になるだろう。

 しかしその業界ルールそのもの、つまり「水着グラビアは売れる(売る)ために必要な通過儀礼」という慣習自体をそろそろ疑うべきではないだろうか。

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