女性の主体的な性行動を描くフェミニズム映画を撮りたい/石川優実☓吉田浩太監督インタビュー

文=石川優実
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フェミニズム映画、作りましょう!

ーー吉田さんのオリジナルでもいいし、ほかのフェミニズム的な小説でもいいですよね。たとえば、最近読んだ『夫のHがイヤだった。』(亜紀書房)を映画化したら面白いんじゃないかなぁ。好きだから夫とHするんだけど、痛いんですよ。断ると露骨に機嫌が悪くなる夫。主人公は気持ちよくなれない自分を責めてしまい、摂食障害や鬱になってしまうんですが、そこから本当に気持ちのいいHにたどり着き、心も体も回復していくんですよ。

吉田:僕もエロのカウンターというか、「そういうつもりじゃねぇんだ」っていうのを作りたいから、ぜひやりたいです。

ーー映画作りのプロセスがわからないのですが、まずはお金集めですか? 女性を支援している企業とかが出してくれるといいなぁ。いまはクラウドファンディングンもありますしね。

吉田:お金はいろいろな集め方があるね。あとは先に海外の映画祭やコンペティションに持っていってもいいよね。逃げないで真正面からがっつりフェミニズムについて描くことと、性の表現をしっかりすれば評価されると思うよ。本当の意味で女性が解放されるところを描かなきゃダメだから。

ーー海外持っていくなら、むしろそのくらいじゃないとね。ジェンダークィア映画祭が盛んな国もありますよね。海外のほうが正当に評価してくれると思います。あと私、出演したいです。

吉田:いまの“石川優実”で出たほうがいいと思う。プロデューサー兼主演みたいなの、よくあるよ。

ーーそれやりたいです! 早く作りましょ!

吉田:うん、早くやろう。怖い集まりだとか、変な勘違いしてる人いるから、フェミニストのそんなイメージも壊せればいいと思う。

ーー普通にみんなのそばにいるよ、といいたいです。男性でも吉田さんのようにフェミニズム的な思想を持っている方って多いですし。

吉田:基本的に、当然のことしてるってだけですよね。たぶん、普通に生きるってことでしょ?

ーーそうです。そこに男女の差があったり、嫌がらせや差別的な動き、犯罪があるときにおかしいんじゃない? ってってるだけ。でも、わからない人にはわかってもらわなくていいです。求めている層にちゃんと届けたい。そのついでに、求めてないけどちょっと気になるって人たちにもあたったらいいかな。吉田さんの作品もそうしたいんですよね。

本日はありがとうございました!

インタビューを終えて

 そのときはピンとこなくても、あとで「あれって、そういう意味だったんだ」「フェミニズム的だったんだ」思い出すことがあります。私はそれを吉田さんの作品に対してすごく感じていました。吉田さんの映画がすごく好きなんだけど、うまく語化できなかった。それこそ「女性向けのエロ」くらいにしか表現できなかった。いま考えたらフェミニズム的なところが好きだったんだと思います。

 ほかにも、まだフェミニズムなどぜんぜん 知らないころにドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」を観ていて、すごく心が温かくなる作品で大好きだったのですが、当時は「むずキュンだぁ」くらいの感想しかありませんでした。だけどいまになって思い出すと、平匡さんがみくりさんの両親に結婚の話をしに行くときに「なんていえばいいのかな、娘さんを僕にくださいかな、でも僕にくださいってみくりさんはものじゃないんだし」というセリフなどなど、フェミニズム的な要素が本当に多いドラマだったんだなと理解しました。

 吉田さんの監督作品も、私たちがこれから作ろうとしている映画も、いまわからない人にも機会があれば観てもらって、いつか「あれってこういうことだったんだ」って思うことがあればいいなと思います。

 そんな、女性が心から解放されるような映画が作れたらうれしいです。

Information

吉田浩太 1978年生まれ。早稲田大学中退。映像制作会社シャイカー所属。「ユリ子のアロマ」(10)で劇場デビュー。制作した映画は国内外で高い評価を受けており、『ソーローなんてくだらない』(2011年)ではイギリス・レインダンス映画祭でベストインターナショナルコンペティションにノミネート、『愛の病』(2017年)でローマアジアンフェスティバルで最優秀主演男優賞(岡山天音)を受賞した。

今後の活動(新作告知)
連作短編シリーズ「納豆」(出演:池田良、芹澤興人、橋本マナミ)「麻婆豆腐」(出演:さとうほなみ、芹澤興人)「背脂大蒜増々」(出演:武田梨奈、尚玄)を現在仕上げ中。人間の秘めた欲求を食を通じて表現するオリジナルシリーズ。今年度中に劇場公開予定。

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『麻婆豆腐』

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『背脂大蒜増々』

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