足立:そもそも、何十年も1人の相手と一緒にいること自体が不自然なことなので、いろいろな形の関係性を模索しつづけるんでしょうね。それに、“セックスレス”というものが当たり前のようにありますが、セックスは自然となくなっていくのが自然の流れだと思いますが、Mioさんはどう思いますか?
Mio:それは性欲をメインにしたセックスの話ですよね。お互いの体を知り尽くしたふたりのセックスの理想形は「ご飯と味噌汁」といいますが、日常に、自然にあるものだと思っています。回数は少なくなるかもしれませんが、性欲メインではなく癒しや安心感、健康促進のための日常的な行事といいますか。そういうセックスは、長い年月を一緒にすごしたふたりにしか、作り上げられないと思います。エロい気分は必要ですが「エロい気持ちになった! やるぞ!」ではないんですよね。
日常生活がセックスに反映される
Mio:わたしは元夫との離婚後に出会ったパートナーと、もう長く関係性を築いていますが、「身体と心を満たすためにセックスしましょう。」というスタンスです。健全な生活を送るために、お互いに相手がいないと困るんですよ。いうなれば、メンテナンスセックスですね。
ーーどうしたらその領域に行けますか?
Mio:母親は、子どもを抱き上げただけで体調の良し悪しがわかりますが、パートナーに対してもお互いにそれがわかる感覚です。「今日はイライラしているから、こういう言葉はかけないでおこう」とか、「肌が荒れているな。栄養が足りていないんだな」とか。そういった延長線上に、セックスがあるんじゃないのかと思います。
足立:世の仮面夫婦も察することはできると思うんですよね。察したあとにどうするか、ですよね。察して、「あいつ、いまイラついているから労ってあげよう」という気持ちになるかどうか。メンテナンスセックスは素敵だと思いますが、やっぱりそういう夫婦関係が築けるような日常生活を送っていないとダメなんでしょうね。
<後篇へ続きます。 後篇は2月12日公開予定です>