男性社会における“いいヤツ”が気づけない、妻の本音

文=有屋町はる
【この記事のキーワード】

ーー個人的には風俗嬢との出会いもひとつの出会いですし、心が動いたら家庭が壊れる延長線上にあるものだと思っています。でも、Mioさんが話したような女性は、自分にとってもセックスが大事ではないから、夫も同じだと思っているのかもしれませんよね。「セックスなんて排尿と同じ単なる排泄行為でしょう? ならほかでやってくれば?」と。セックスの重みに対してギャップがあるから、そういうことをいえてしまう。

Mio:まさに、わたしもかつてはそうでした。「あんなセックスを強いてくるくらいなら、外で発散してきてほしい。あんなのセックスじゃない。わたしに求めないで。外でしてきてあなたの気分が良くなるなら、それでいいから」と。

ーーお話を聞けば聞くほど、Mioさん夫婦と豪太夫婦は徹底して対照的だと実感します。豪太はわがままだし不甲斐ない男性だけど、チカが「イヤ」ということを無理強いしないし、そのかわりなんとかその気になってもらおうと試行錯誤します。だからチカには「相手してやるか」という気持ちはあっても、「無理やり付き合わされた」という気持ちはないはずです。

ーー一方でMioさんの元夫は、妻がどう思うかもまったく考えずに「舐めて」の一言。女性がイヤだと思うのはいうまでもなく後者です。こうした、夫婦のセックスレスを題材にした作品が急増しているように思います。ようやく、お互いにセックスについていえるような社会になったんでしょうか。

Mio:でも、妻拒否のセックスレスも、夫拒否のセックスレスも、どちらも女性発の作品が多いですよね。声を上げているのは、常に女性ばかりです。それはやはり、どちらのパターンも男性にとっては「恥ずかしくていえない」からなのではないでしょうか。「おまえ、奥さんに拒否られてるなんてかわいそう」「奥さんとのセックスで勃たないの? EDなんじゃないの?」なんていわれたらショックですよね。そんななかで足立さんの『それでも俺は~』は、男性目線のセックスレスを描いているからすごいと思います。 「拝み倒してさせてもらっています」と書けるなんて画期的です。

足立:もっと男性もいえる世の中になればいいのにな(笑)。

▼前編はこちら

セックスを拒む女と、セックスを拒まれる男。夫婦間のすれ違いはなぜ起きる?

 近年、夫婦間のセックスレスを題材にした作品が急増している。『夫のちんぽが入らない』『今日も拒まれてます~セックスレス・ハラスメント 嫁日記~』『あなた…

男性社会におけるいいヤツが気づけない、妻の本音の画像1
男性社会におけるいいヤツが気づけない、妻の本音の画像2 ウェジー 2020.02.10

▼中編はこちら

産後クライシスからのセックスレスでも「夫を褒めて育てなくていい」

 夫のセックスに苦痛を感じたことがきっかけで、夫婦関係が破綻しゆく様を克明に描いた『夫のHがイヤだった。』(亜紀書房)。そして、日々罵倒されつつもどうに…

OttoTsuma02_tn
男性社会におけるいいヤツが気づけない、妻の本音の画像2 ウェジー 2020.02.11

1 2 3

「男性社会における“いいヤツ”が気づけない、妻の本音」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。