S代:私もそのヴィーガン食にハマっていたときは『私たちこそが正しくて、ファストフードなどは毒だ!』と、すごい偏った盲信状態でした。そして、その教えを知らない周りの人を、心の中で裁いていた気がします。
確かにこちらのお教室の宣伝文を見ると、「食情報や知識をたくさん手に入れても、健康の不安や悩みは解消せず、混乱のもとが増えるばかり!」とか、いかに自分たちこそが正しい真実を知っているかというようなニュアンスに満ちておりますね~。「直観が冴えて、思いが現実になる速度も早くなる!」とまで言ってしまっているので、スピリチュアル的な要素もたっぷり。このセミナーを知ったきっかけは、何だったのでしょうか。
S代:無料で聞ける、ポッドキャストです。教祖様的なセミナーの主催者が、いろいろなゲストとトークしているのをたまたま聞いて、ハマりました。当時、ブラックな環境で働いていて、仕事をしてぶっ倒れ、でも休めないので点滴打ってなんとか出勤して……みたいな感じだったので、ひどく弱っていた状態でした。ポッドキャストのトークで『世の中にあふれている情報は、生命とは真逆だった!』と聞いたとき、今の自分がうまくいってない状況も、人本来の姿や生き方と真逆だからじゃないか? とすごく心に響いたんですよね。そしてポッドキャストを聞き続けるうちに、セミナーにも行ってみたいなと思うようになったんです。
古きよき日本という妄想
「洗脳」という単語が頭に浮かぶエピソードです。そのポッドキャストは、現在も存在していましたので私もさっそく拝聴。私がたまたま聞いた回では、こんなトークが展開されていました。※()内は山田ノジルの感想です。
・日本はヴィーガン先進国! ところが今の和食は当たり前のように鶏肉が入ったり、砂糖をたくさん使ったりと、すっかり変質してしまっている。ヴィーガン食も、自己流で体を壊す人もいる。もっと「日本の菜食」を見直すべきだ。
(和食の定義って何でしょう~。確かに過去、肉食が禁じられたので、大っぴらには肉が食べにくかった時代もありますが、別に「菜食の国」ではありませんよね? 肉食禁止の時代ですらウサギを鳥に見立てたり、イノシシを「山鯨」とこじつけて肉は食べてますし。根拠なき「私が思う古き良き日本」で女性の健康を語る点は、経血コントロール提唱者の三砂ちづるを思い出します)
・食にも女性性・男性性があり、西洋は男のエネルギーで、アジアは女のエネルギー。西洋のように肉食生活をしていると陽性で攻撃的になる。アジアの女性が西洋的な食事をすると本来の性質と全然違うものだから、葛藤が起こりストレスを助長する。
(攻撃的というか、エネルギッシュなのでは……)
・生まれた国を愛して調べて誇りをもって日本人として凛と生きるということを考えたい。雑穀中心のヴィーガン食こそが、日本本来の食システム! 雑穀を食べると、心と体が女性らしくなる。
(女らしいってなんでしょう? 母性? 生殖能力? 雑穀をモリモリ食べていた時代は捨て子も間引きも日常茶飯事だったと思うのですが~)
・食だけでなく所作や言葉など、忘れられた日本の技をトータルに思い出すべき。
(嗚呼やはり三砂系)