
2003年発売のSMAP『世界に一つだけの花』
シンガーソングライターの槇原敬之が、13日、覚せい剤取締法違反容疑で警視庁に逮捕された。2018年3月に都内自宅マンションで覚せい剤や危険ドラッグを所持していた容疑がかかっている。
個人事務所・ワーズアンドミュージックは14日に謝罪コメントを発表。同容疑者は現在警察による取り調べ中で、事務所側もその進捗を待っている状態という。
槇原容疑者の逮捕を受けて、テレビ局は対応に追われた。逮捕翌日の14日、情報番組『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)は槇原容疑者提供のオープニングテーマ曲『LUNCH TIME WARS』を他のBGMに差し替えて放送。15日以降については「対応を検討中」としている。
同日放送の街ぶら番組『じゅん散歩』(テレビ朝日系)も、冒頭のテーマ曲を槇原容疑者書き下ろしの『一歩一会』からビートルズの曲に差し替えた。
『世界に一つだけの花』はSMAPファンにとって大切な一曲
なぜ槇原敬之が逮捕されたからといって、その作品も封印されなければならないのか――ピエール瀧や沢尻エリカの逮捕時と同様、作品への影響が大きいことへの一般消費者の反発はネットに上がっている。
さらに今注目が集まっているのが、槇原容疑者が作詞・作曲を手掛けた『世界に一つだけの花』だ。
『世界に一つだけの花』は、中高の音楽の教科書にも掲載されるなど、国民的な知名度がある。もともとはSMAPの35枚目シングルとして2003年に発売。2016年のSMAP解散騒動の際にはファンによる購買活動(通称“花摘み”運動)がネットで広まって再びセールスを伸ばし、発売から約13年後に売り上げ300万枚(トリプルミリオン)を達成。昨年4月のオリコンの発表では累計売上312.8万を記録し、平成最大のヒット曲となった。
とりわけSMAPファンにとっては思い入れの強い曲であるだけに、ネット上では、槇原容疑者逮捕が曲に与える影響を危惧するファンの声が相次いでいる。
<SMAPが解散して槇原敬之が逮捕されたら世界に一つだけの花は誰が歌ったらいいんだろう>
<テレビで放送できなくなる可能性もあるかも。悔しいよほんとに。SMAPとファンの大事な大事な曲を傷つけないでよ>
<曲に罪はないけど、関わった人全てが悲しいね。これから曲も聴けなくなるのかな>
<「世界に一つだけの花」を発禁にしたら、日本は終わってしまう>
<音楽業界の皆さんどうかお願いです。槇原さんの歌に罪はないので、サブスク削除やCD回収だけは絶対にしないでくれ>
なお、槇原容疑者は今年1月にソロデビューした木村拓哉のアルバム『Go with the Flow』にも楽曲『UNIQUE』を提供していた。同アルバムを引っ提げた全国ツアーを開催中であることから、木村ファンも不安を隠せないようだ。
一方で、ファンのSNSでは、オンラインショップや音楽配信サイトで『世界に一つだけの花』を購入したことを報告するツイートが散見されている。ファン同士で購入を促す動きもある。それほどにSMAPファンの結束と『世界に一つだけの花』への愛は強いようだ。
<ずっと応援する…この気持ちを込めてビクターさんから購入しました>
<どんなことがあっても応援する気持ちは変わらない。いろんな想いを込めて購入します>
<世界に一つだけの花はSMAPとスマオタみんなで守っていこう!>
槇原容疑者「SMAPがいなかったらあの曲は書けていない」
ちなみに『世界に一つだけの花』は、槇原容疑者が1999年に覚せい剤取締法違反で現行犯逮捕され、活動自粛を経ての復帰作でもあった。
今年1月にラジオ番組『木村拓哉 Flow supported by GYAO!』(TOKYO FM)にゲスト出演した際にも、槇原容疑者は『世界で一つだけの花』以降楽曲の依頼が増えたことを明かし、「SMAPがいなかったらあの曲は書けていないんですよ」「自分で歌う時は “SMAPの歌をカバーしてる” みたいなイメージで歌っています」とも語っていた。
前述したように、ピエール瀧がコカイン使用による麻薬取締法違反の疑いで逮捕された際、元所属のソニー・ミュージックレーベルズは電気グルーヴの楽曲や映像を出荷・配信停止した。このときも、ファンからは「楽曲に罪はない」「誰かを傷つけた罪でもないし音源や作品の差し止めは反対です」「本人の更生を困難なものにする措置だと思う」と抗議の声が相次いでいた。今後、槇原容疑者の楽曲はどのような扱いになるのだろうか。