『赤ちゃんが欲しい』2019年夏号で、はあちゅう氏はこんなことを語っていました。子どもを持たない人生になるかもしれない不安。一方、妊活にあまり真剣に取り組んでくれない夫。それでも公言したことで、同じ妊活仲間がいることがわかって心強い! なる締め。もしこれが出来レースですでに妊娠している状態だったら、なんという茶番なのか。妊活界で、プロレス(段取りが決まっている興行)を繰り広げるとは、貴重なものを見せていただきました。このインタビュー記事は、同誌Web版でも読むことができます。
さて、この件はあくまで前菜。筆者基準のメインディッシュは「レーザー妊活」です。不妊治療は血流がカギ。それには首からレーザーを照射して脳の血流を促すことから! なる治療が紹介され、この治療で妊娠したという体験者が「レーザー妊婦」として登場しています。この治療が妊活に本当に効果があるかどうか? は、素人の私にはよくわかりませんが、これを推す医師とレーザー妊婦のトークに、トンデモの風を感じました。
「レーザーで脳の血流を30%アップさせると130%のスーパーレディになり、全身の血流がよくなるんだから元気になりますよ(笑)」と医師が語ると、体験者は「最初の施術を受けたあと、Hな夢を見た」なる報告が飛び出す。すると「夢の形で効果が表れた」「女性の本能の部分がよみがえってきたんだと思いますよ」と喜ぶ医師。
……妊活に、いるのかコレ? このページのキャッチもすごかった。ーー「レーザーで女性本来の力を取り戻し、美しく! 自然にお互いを愛しいと思う授かり体質に」。「女性本来」という単語が出てくると、私の中のトンデモセンサーが発動しますよ~。
ほかにも広告ページでも何かすごいものを見かけた気がしますが、雑誌というものは広告収入なくして成り立ちませんので、そこはスルーしておきましょう。
ベビ待ち、妊婦周辺は呪いがいっぱい
さてお次は2020年冬号です。『赤ほし』は子宝を謳う神社をめぐる旅を特集したり、子授け祈願で有名な鬼子母神にまつわるデザインをお守りカードにした付録をつけたりと、「神頼み」もふんだんに盛り込むのが特徴。それゆえ、占い師も度々誌面に顔を出しています。
この号でかり出されたのは、Love Me Do(ラブちゃん)。妊活と目にみえない世界との関わりかたを、こうコメントしています。
「占いや風水はできる範囲で取り入れてほしいと思います。2019年は神頼みがいいという話をしましたが、神社の鳥居は女性の子宮を表します。生命は水と切っても切り離せないので、手水で手を洗うことは妊娠を呼び寄せるのに絶好だと思います」
子宮は神社! ま・だ・い・う・か~。もうそれ、何周目。神社の構造に生殖を見出だすご意見があってもいいと思いますが、さぞそれが「当然」のように語られてもなああぁ~。女性器崇拝が子宮系女子をはじめとするキラスピ界で悪用されるのは、こういう適当な「それっぽい解説」が諸悪の根源です。