大泉洋も疲弊、映画番宣の意味問う セクハラのマイナスプロモーションも…

文=wezzy編集部
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(左)大泉洋(画像は所属事務所CREATIVE OFFICE CUE公式サイトより)/(右)山田孝之(画像は所属事務所スターダスト公式サイトより)

 俳優の大泉洋が主演映画『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』の公開にあわせて出演した『ホンマでっか!?ニュース』(フジテレビ系)で、共演女優による“セクハラ告発”があり、ファンが嘆いている。

 映画『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』で共演した水川あさみは、大泉へのクレームとして「胸を触られた」と言い、大泉は「頭おかしい! この人(=水川)の言ってることはウソ」と応酬、むしろ水川に股間を触られたと反論し、互いに「セクハラされた!」と言い合う展開になっていた。

 放送後、「セクハラを笑いのネタにしないでもらいたい」と一部視聴者の苦情もネットに上がったが、大泉洋のファンの間でも「誤解されてしまう」「あれでは映画のマイナスプロモーションにしかならない」「映画自体が汚されたよう」と、番組への批判が相次いでいる。

 役者が公開間近の出演映画の宣伝のため、テレビバラエティに“豪華ゲスト”として出演することは、あらかじめ約束されているようなものだ。このプロモーションも含めて、役者の仕事となっていると言って良いだろう。

 大泉洋もダブル主演の小池栄子らキャスト陣と、映画の宣伝でテレビバラエティに出ずっぱりだった。このことについて15日の公開舞台挨拶で大泉は、「ここ5、6年ずっと悩んでいるんですけど、これ意味あるのかなって。出過ぎちゃうとお腹いっぱいになっちゃうし」と言及している。

 大泉は、「毎日毎日、大泉洋を見ているうちに、劇場行かなくていいかなあとなるんです。そういうことになりかねないと言っているんですけど、出てくださいと言われるんです」と話して会場の笑いを誘いつつ、「番宣と言うのは難しいです。視聴者の皆さんにはそう思っていただきたい。我々も苦渋の選択で出ている」と葛藤を明かしていた。

 宣伝のためのテレビ番組ばかりが流れているような現状は、視聴者から見てもおかしなものだ。おりしも16日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)でも、ダウンタウンの松本人志が番宣ありきの日本映画に疑義を呈していた。

 第92回アカデミー賞で作品賞など4冠を獲得した韓国映画『パラサイト 半地下の家族』の話題に絡めて、松本は「俺もあんまりプロモーションをやりすぎだと、最近の日本映画には思うんですけどね」「日本特有でしょうね」と持論を述べた。

番宣ありきが慣習化しているバラエティ番組

 前述したように、日本のテレビバラエティに俳優が“豪華ゲスト”として登場するときは、ほとんどが宣伝がらみだ。俳優たちは近日公開の映画ないしは同局系列でスタートするドラマのPRのため、いくつもの番組に出演し、トークなりゲームなりに励んでいる。

 そうではない場合もあるが、例外といっていい。たとえば昨年12月放送の『明石家さんまの爆笑! ご長寿グランプリ2019』(TBS系)では、かねてよりご長寿クイズコーナーのファンという俳優の堤真一が“番宣ナシ”を謳って初出演。バラエティ司会歴の長い明石家さんまも、番組冒頭から「番宣じゃないないねんて? バラエティに普通のゲストで?」としきりに驚いていた。

 昨年12月には、『ごぶごぶ』(毎日放送)に俳優・渡部篤郎が出演。司会のダウンタウン・浜田雅功は「番宣か? お前こんなん出てくるわけないもん」と疑ってかかり、渡部は「初めてなんで。番宣絡みじゃないので出させてもらうの」と答えた。

 最近では、『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)のように、ゲスト枠の席を設けて、台本にも番宣の内容を組み込むという番組もある。つまり、テレビバラエティはそれほど番宣ありきで出来ているというわけだ。俳優の山田孝之は、この現状を「俳優が消費されている」と表す。

山田孝之「俳優がどんどん消費されていくっていう」

 2018年放送の『ボクらの時代』(フジテレビ系)では、俳優の山田孝之が、初の全面プロデュース映画『デイアンドナイト』(藤井道人監督)に出演する安藤政信、そして同じく映画監督と俳優を兼業する斎藤工と鼎談を行った。

 安藤が、かつて俳優が映画だけに集中できた時代から、ドラマにも出演するなどマルチタレント性を求められる時代になったと話し、「そこのギャップというか、時代の変化に対応が追いつかなかった」「ちょっとキツイなって」と思いを吐露。

 すると、山田も「なんでそんなことしなきゃいけないんだろうって」と言葉を継ぎ、「それこそ映画の番宣活動とか、もうどんどん消費されていくっていう。もうちょっとうまいことできないのかなと思って」と同意した。

 日本映画の現状に疑問を抱いたことから、制作側にも立ってみた山田。しかし、「なぜこういうことが起きているかわかるだろうと思ってやってみ」たものの、「でも、どこに行ってもツライですね、結局」と言い、半ば諦めを感じたのかもしれない。これは役者やスタッフが疑問をぶつけたところで変わらない、業界の構造的な問題と言えるだろう。

 多くの邦画に、テレビ局が出資している。映画の宣伝をテレビで行うのは当然なのだろう。視聴率を上げたいテレビ業界としても、CMを打つより効果的に一人でも多くの集客を稼ぎたい映画業界としても、番宣はなくてはならないものとなっている。ただ、この手法による集客効果は実際、いかほどのものなのだろうか。

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