新型コロナ「不要不急の外出するな」と言われても…「風邪ぐらいで会社を休めない」悲痛な声

文=wezzy編集部
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「GettyImages」より

 日本国内での感染拡大が懸念されている新型コロナウイルス。政府は16日、感染拡大の対策として、テレワークや時差出勤を推奨し、「不要不急の外出や集まりは控えて」と呼びかけた。

 17日には厚生労働省が記者会見を開き、新型コロナウイルスによる感染症の相談・受診の目安を公表。加藤勝信厚労相は「発熱など風邪症状がみられる時は学校や会社を休んでください」と訴えている。

 すでに新型コロナウイルスの対策として、NTTグループは約20万人の従業員を対象にテレワークや時差出勤を推奨。17日から順次実施している。ソニーや富士通など、大企業や一部のIT企業もテレワークを拡充させている。

 しかし、それらは数多ある会社のほんの一部でしかない。SNSでは「サービス業などのテレワークが難しい職種はどうすればいいの?」という労働者の実感がこもったコメントが多く投稿されている。

<風邪くらいじゃ仕事を休めない>
<派遣や契約社員は休み辛い>
<日本社会の風潮がコロナを広めてる>

 17日放送の『5時に夢中!』(TOKYO MX)では、タレントのマツコ・デラックスが、政府の「不要不急の外出は控えて」という要求について、「あれはトンチンカンなアドバイスだと思うよ」とバッサリ。「人混みに行かずにどうやって生活するのよ?」「通勤で来てるサラリーマンやOLさん、学生さんたちは、どうやって人混みを避けて……」と率直な疑問を述べた。

 歌舞伎役者の市川海老蔵も18日のブログで新型コロナウイルスに言及。<本当に大変ですね。風邪の症状のある方は外出を控えてるようにと言う方もあります。しかしねまだ日本って風邪ぐらいで休めないのが現実ですよね。難しい、、どうすればよいのでしょうね>と綴っている。

 市川海老蔵は続く投稿で、厚労省の記者会見の様子を伝えるニュースのスクリーンショットを用いて、<うーん。なかなか休めないものですよね、うーん。そう思います>とコメント。海老蔵は、昨夏にもブログで<1日も完全休養がない>という歌舞伎役者の労働環境を明かし、これを当たり前のものとして次世代に引き継ぐことへの疑問を述べていた。

 女優の石田ひかりも19日にインスタグラムで、新型コロナウイルスの対策として<子供たちの幼稚園や学校を、一斉にお休みにしてみたらどうでしょう?>と提案している。

 日本の社会全体に「休みづらい」風土があると指摘する声は続々と上がっているが、新型コロナウイルスの脅威を目の前にしても、それは変わらないのだろうか。

インフルエンザでも会社を休めず

 2019年1月には、出勤途中だった会社員の30代女性が、東京メトロ日比谷線中目黒駅のホームから転倒し、電車にはねられて死亡するという事故が起こった。搬送先の病院では、女性がインフルエンザに感染していたことがわかっている。

 インフルエンザの症状には、激しい気怠さや思考力の低下などが見られる。警察の調べでは、女性は2日前から家族に体調不良を訴えていたことが判明しているが、それでも出社しようとしていた可能性がある。

 女性向け転職サイト「女の転職」の調査によれば、「体調が悪いときに、無理をして出社したことはあるか」という質問に、95.9%の女性が「ある」と回答している。その理由については、5人に1人が「我慢すれば動ける程度だったから」(21.4%)と答えた。これは当然のことながら女性特有のことではなく、働く男性も同様だろう。全ての労働者の実感としてあることではないか。

 インフルエンザは重症化すれば命にかかわる病気であり、しかも症状の軽重にかかわらず周囲に広まる感染症だ。しかしこの事故を受けてなお、体調不良であっても休んではならないという社会規範は根強い。

インフルで欠席・中止はアリ

 その規範意識を変えるにはどうすればよいのだろうか。ひとつに、マスメディアであるテレビ業界が「体調不良=休む」という当たり前のことを実践し、視聴者に理解を促すやり方がある。

 朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、司会の加藤浩次がインフルエンザのため欠席中だ。17日~19日の放送は加藤の不在で進行したが、水卜麻美アナウンサーや近藤春菜がフォローし、つつがなく放送を終えている。

 エンタメも同様だ。草なぎ剛が主演の舞台『アルトゥロ・ウイの興隆』は、出演者にインフルエンザ陽性反応が出たことを理由に1月中の3公演を中止した。これを受け、草なぎはTwitterで謝罪を投稿したが、リプライ欄には「体が一番大事」「英断です」と理解を示すコメントが多くついた。

 一方でテレビCMでは、有吉弘行が「風邪でも休めない」と風邪薬を服用して働く。しかしどうしても休めない、などということはないはずだ。インフルエンザはもちろんだが、新型コロナウイルスの蔓延防止においては、「体調不良のときは仕事や学校を休む」「体調不良でなくともテレワークに切り替える」などの対策を今以上に広める必要がある。

 同時に、テレワーク環境が整備されていない職場、対面での接客が必須のサービス業、そして休業したぶん給与が減少し生活が困窮する人々の問題もある。「働き方改革」とも直結するこれら事象を大きな社会課題と捉え、改善に向けて動き出すことが今、求められている。

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