うまい儲け話ほど怪しい! 相反関係から学ぶ「お金の法則」とは

文=松崎のり子
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Getty Imagesより

 ネットの情報商材ビジネスに心が惹かれてしまったこと、皆さんはありますか? SNSでも「簡単に札束が手に入る儲け方」を指南する怪しいアカウントは多くありますが、はっきり言って「そんなうまい話あるわけないやろ!」というものばかり。怪しい儲け話にハマらないために、ここをしっかり覚えておきたい「お金の相反関係」についてお話しましょう。

「高金利で元本保証」はあり得ないシミュレーション

 ご存じの通り、今や銀行預金はほぼゼロ金利です。日銀のマイナス金利政策が続く限り、貸付金利も上がらないでしょう。預金に預けてもお金が増やせなので、「貯蓄から投資へ」という掛け声が方々から聞こえてくるのです。

 ここで、相反の法則を思い出しましょう。銀行預金は金利こそほぼゼロですが、値動きして残高が減ることはない「元本保証」商品です。逆に、投資商品は運用によっては預貯金より増えることがありますが、安全性は保証されていません。元本より減ることも当然あります。

 よく投資信託の資料に「毎年3%複利で増えた場合、元本はこんなに増えるよ」という直線的な右肩上がりのグラフがありますが、あれはあり得ないシミュレーションです。投資商品の場合は、「元本が増えたり減ったりを繰り返して、後から平均を取ってみたらたまたま3%増えました、それも過去の実績で、未来もこうなるわけではありません」、というのが正しい説明です。

 値動きするのに、元本(残高)が一度も減らず着々と右肩上がりに増える――なんておいしいことはありません。預金に比べて安全性が低いから、投資商品はリターンが高くなるのです。安全性が担保されている代わりにがつんとは増えない預金と、元本が減る可能性を覚悟しても数%は増やしたいのか。両方かなえられるものはないのですね。自分は1円も減るのはイヤ、という人は投資には向いていないということになります。

 債券もそうです。債券はいわば借用書みたいなもので、一定期間、投資家からお金を借りる代わりに利息を払います、という商品です。例えば、ある会社にお金を貸す以上、相手がきちんと返してくれるはずだと信用できるか、お金を貸している間につぶれない経営状態か、そういうのを考えますよね。潰れる危険がほとんどない安心できる相手なら利息は低くなり、ちょっと危険かもしれないという場合はそのリスク分を上乗せして利息は高めにもらいたいと考えます。

 なので、利息が高い債券を見つけたら単純にすごい!と思って手を出したくなりますが、その分デフォル(債務不履行)トのリスクも高いということ。それを理解したうえで買うべきで、全部いいとこ取りの掘り出し物はないと認識しましょう。

ちゃんとした銀行が高い金利を出すワケ

 ということは、「安全で元本保証。しかもリターンが高い」というセールスを受けたら、それはありえない商品=金融詐欺を疑えということです。「金持ちで超イケメン」の男性がもし目の前に現れたら、たいていは「ちょっと怪しいんじゃね? 何か裏がある?」と感じますよね。この感覚を、金融商品のセールスを受けた時にも忘れないでほしいのです。

 「怪しいな」と思っても、本当に詐欺だった場合は敵もさるもの。最初に投資させた分はきちんと高配当の利息をつけて戻します。それで安心させて、どんどん投資を誘う――というのが常とう手段。そういうことに引っかからないために、相反の原則をぜひ頭に叩き込んでください。

 怪しい詐欺集団ではないのに、たまに金融機関から「高金利定期預金」というものが発売されます。これにもちゃんと理屈はあります。

  • ・新規開業した支店が預金を一気に集めたいからサービス(たいてい上限あり)
  • ・投資信託の取引口座を開いてほしいので、一緒に申し込んでくれた人にサービス
  • ・外貨預金で稼ぎたいので、預金だけでなく外貨も一緒に買ってくれる人にサービス
  • ・老後資金の運用をセールスしたいので、退職金が入ったばかりのシニア限定でサービス

 ……まだまだあります。書いていくときりがないのですが、つまりは金融機関の儲けにつながりそうな客を呼び込むための“エサ”金利というわけです。

 預金自体は元本保証のためリスクはありませんが、セットで買った投信や外貨などは、手数料など相手の儲けが高い可能性があります。シニアの方はもっと複雑です。相続対策の保険加入とか、アパートローンの提案とか、いろんなセールスが待ち構えていると考えていいでしょう。

 何のリスクも負わずに高金利という果実だけを手に入れられることは絶対にないのが、お金の世界の原理原則。「うまい話」を持ちかけられたときは、それと引き換えに何かがマイナスとなる相反の関係にあるはずと、一度は立ち止まって考えてみましょう。

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