不倫報道ラッシュにおける男の詫び方、女の詫び方

文=竹中功
【この記事のキーワード】
不倫報道ラッシュにおける男の詫び方、女の詫び方の画像1

Getty Imagesより

 週刊誌の売上に貢献するのが目的ではないのだろうが、芸能人の不倫報道が絶えない。「バレなければいい、自分は大丈夫」と高を括っているのだろうか。

 古今東西、男は女が好きで、女は男が好きで、男は男が好きで、女は女が好きだ。

 人間は素直に生きるのが一番だと思う。ただそこに悲しみ、悔しさ、怒りが発生することは避けていただきたいものである。妄想だけなら良いのだが、行動を起こすとなると、迷惑をかける人が出るか出ないかの初期設定は重要だ。

 どちらかが弱者になるようなことが起こる想定ができるのなら、ちょっと深呼吸でもして冷静になり、欲求も抑える必要がある。弱者が救われなくなるような流れになることが想像できるならば避けて欲しいものだ。

 しかしそれをも超える力が、前述した「好き」に伴う欲求だ。でもそれって愛情とは呼ばない。

 不倫をはじめ、芸能人のスキャンダルは誌面を賑やかに彩る。女優でモデルの「杏」ちゃんの旦那の東出昌大が不倫。そのあと出た鈴木「杏」樹。坂口「杏」里ちゃんもあれこれあるなぁ。唐田「えりか」は清純だったような気がしていたのになぁ。東出昌大の賠償問題はどうなるねん? と気にしてたら、それより「高額の賠償か!」と言われてるのは沢尻「エリカ」やし……もうこの数珠つなぎでも楽しんでみようかという気になってきた。

 そこで今回、私が見たそれぞれの「謝罪力」を検証してみよう。

 まずはこの1月22日、文春砲炸裂、俳優の東出昌大(32)と妻で女優の杏の別居。しかもその原因が、東出と女優・唐田えりか(22)との不倫だ。

 東出は杏との間に3人の子どもがおり、優しいパパであり、良き夫であると認識され、ドラマやCM出演も少なくはなかった。しかし早々にCMは打ち切られた。今では損害賠償の金額の予想で賑わっている次第だ。一方、唐田えりかは日本でも韓国でも人気の女優で、韓国ではスラングで日本人女性を「スシ女」と呼び、礼節を知り、温厚で気の利いたイメージとして評判も良かったと聞く。しかし始まったばかりだったテレビドラマ『病室で念仏を唱えないでください』(TBS系)の出演部分はカットだ。

 そこで私が問題にしたいのは、報道直後に発表された、両者所属事務所のコメントである。平たく言えば「謝罪文」である。

「誰が、誰に、何についてお詫びするのか」不明な謝罪 

 1月22日の深夜、東出の所属事務所ユマニテはFAXをマスコミ宛に送信。

 「東出の愚かさ、未熟さ、責任感の欠如が引き起こした事柄だと思います。本人はひたすら後悔に苛まれ苦しんでおります。失われた信頼を回復するには気の遠くなるような時間と努力が必要だと思います」と出してきた。

 ここ、誰もが「3年も不倫してたやん!」とツッコミたくなる上に、事務所がこの文章を上げているぶん、余計に他人事に感じさせてしまった。なぜ本人が詫びないのかともツッコまれた。

 また唐田の所属事務所フラームも同じようにFAXで「本人は軽率な行動を深く反省しております。自身の弱さ、愚かさ、甘さを深く受け止め、向き合いたいと思っています」などとコメントした。これまた発信元が本人ではなく事務所だ。

 どちらも管理者目線でしかなく、本人の反省はこれでは届かない。本人は反省していないとさえ映るものである。「誰が、誰に、何についてお詫びするのか」が明確でなければ「謝罪」とは言えない。

 そもそも報道の後には2人とも、本人ではなく、事務所名義でマスコミに謝罪文が送られていたことに皆さんは違和感を覚えなかったのだろうか。ここを私は許せない。

 プライベートで「やっちまったなぁ!」ってことで、仕事上、多大な迷惑を掛けることをやってしまったのだから、これはもうなかったことにはできない。過去の人生は変えられないものだ。だからこそ、より良い明日を築くためにも、「気づき」「反省」「再発防止策」を明言し、謝罪を受け入れてもらう努力をせねばならない。それが大人というものだ。

 大の大人が事務所発信のペーパーだけで済まそうというのでは、まったく前には進まない。芸能人を辞めて業界から消えるならまだしも、この世界で活動を続けたいなら、東出は、即刻個人名で「謝罪文」を発表し、記者会見にも臨むべきだった。実際、東出は現在もやつれた姿を晒しながら仕事を続けているそうだが、現場に良好な空気が流れているとは言えないだろう。これはスタッフにすれば迷惑な話である。

 そして唐田本人は1月24日に自身のインスタグラムのストーリーに「この度は私の無責任な行動で世間の皆様にご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ございませんでした。東出さんとの関係は否定することはできません。しかし東出さんには家族がいるという事をしっかりと理解しています。お友達ということでこれ以上の関係であることはまったくありません」とキッチリ自白した。

 ここでも「これ以上ってどれ以上や!」とツッコミたくなるのは、読者の皆さんも一緒だろう。残念ながらこれも謝罪の定義から言わせてもらうと「謝罪」になっていない。ただこちらも女優を辞めるほどのものでもないと思うので、しっかり自分と向き合い、しばらく女優業は休みにして精神修行をしてもらえばいいと思う。

ツッコミどころ満載のコメント

 このネタも冷めやらぬ間に、2月5日文春デジタルで元歌舞伎役者・喜多村緑郎(51)と女優・鈴木杏樹(50)との不倫報道が来た。

 「千葉県美浜区海岸手つなぎデートから、不倫キス。4時間4千円のラブホ使用からイタ飯デート」などなど。これはもう逃げようがない。世間の声でいうと、「嫁さんがいるのに不倫をする男がダメ」「嫁さんがいるのが分かっているのに不倫男と付き合う女がダメ」「妻が一番可愛そうだ」とか、中には「鈴木杏樹の50歳には見えない美貌、そして大人の恋愛はステキ。あの年齢でまだ恋ができるなんてうらやましい」という意見もあったりした。

 喜多村緑郎はコメントを出し、「今回、鈴木杏樹さんとわたくしに関して報道されている内容は事実です。わたくしの未熟さゆえに、妻、妻のご家族、仕事の関係者、日頃から応援していただいている皆様、そして鈴木杏樹さんご本人並びにお仕事先や周囲の皆様に多大なご迷惑をおかけいたしました。今回の出来事はすべてわたくしの責任です」とのたまう。まったく釈明と謝罪になっていない。

 観念したのだろう、鈴木杏樹所属事務所ジャパン・ミュージックエンターテインメントのコメントはまず、「一部週刊誌に鈴木杏樹と喜多村緑郎さんの関係が報道されています。現在事実関係を継続調査中ではありますが、本人より軽率な行動があった事を確認いたしました。」と前置き。

 その後、鈴木本人がコメントした。

「今回、報道されております、喜多村緑郎さんとは、昨年10月の舞台で共演させていただきました。今年に入って、お相手から独り身になるつもりでいるというお話があり、お付き合いを意識するようになりました。しかし、まだお別れが成立していない現状、今回の軽率な行動を真摯に反省し、今後皆様に御迷惑をおかけすることのないよう慎みます」ってことだ。

 しかし、この2月6日に発表された鈴木杏樹の謝罪文によって世間の風向きが“杏樹批判”に変わった。私もこの文章は「軽い」と思ってしまった。

 まずウォッチャーの女性陣から「奥さんに対しての反省はないのか!」と非難が始まった。そもそも不倫なわけだから配慮も反省もないに決まっている。逆に彼女のことを悪く言わない男性陣の気持ちはというと、鈴木杏樹は未亡人で別嬪さん、またドラマなどでの好印象などが手伝い、嫁さんもいる喜多村緑郎が彼女と付き合えていたことを「いいなぁ」と羨ましく思っている。

 鈴木杏樹は「相手が離婚するものと思ってました」と、どの口で言えるのだろうか。「ダメ男」の口八丁でしかないことを見抜けなかったのだろうか。50歳の純真な乙女心を気の毒に思っていた人々みんなが翻った。それも「悪女」とは言わず「ダメ女」として。喜多村は「嫁さんと別れる」と言ってたかもしれないが、実際には別れているわけでもないし、これは「浮気してたんでしょ!」としか捉えられないというものだ。

 嫁さんの元タカラジェンヌの貴城けいが憔悴しきって入院中と聞いた。男は、何ならSNSなどでも「嫁さんとはずっと仲良くしてますよ」とアピールしていたらしい。それは鈴木杏樹との純愛のカモフラージュになるわけはない。あるとすれば、鈴木杏樹に対してだけのアピールだといえる。「僕たちだけの秘密だから、こうやって家庭のことをいい風に見せておくんだよ」とか言っていたような気がした。

 その後「鈴木杏樹の謝罪文はオレが書いた」などとも言い、これは安もんの自己防衛にしか聞こえない。これは、周りのみんな誰にでもいい顔をする「ダメ男」のパターンといえる。

 喜多村緑郎は2月16日には新橋演舞場で舞台「八つ墓村」の初日公演に出演したが、終了後、詰めかけた報道陣の問いかけになにも答えることなくタクシーで劇場を後にした。初日の舞台、セリフが噛み噛みだったとか。仕事も手につかないことだろう。一方、鈴木杏樹はラジオ番組を降板したりで仕事はストップ状態。

謝罪はゴールではない

 「謝罪はゴールではなく、謝罪はゴールに向かうためのひとつの道具である」と私は常々言っているが、これは被害者と加害者が明確で、先にも書いた「誰が、誰に、何について謝るかが重要」という視点から見ると、善と悪を見定めるということも必要だが、ここは弱者と強者に分けて見てみるといい。

 東出昌大は唐田えりかと3年にわたっての不倫。それも嫁さんが育児に専念してくれている時にこそ、働く夫は大きなフォローが必要なのにも関わらずせっせと不倫だ。まぁ「女好きの男前」と「バレなければいいやん女」の不倫なんで仕方ない。

 弱者はお子さんも含めて杏ちゃんである。男はそこをどうするのか、全身全霊をもって考えて行動するしかない。仕事では多くの迷惑もかけ、その賠償もあるので、しっかりと過去を清算して役者を続ければいいと思う。人生やり直しはきくものである。唐田も同様。禁断の恋から決別し、それをも肥やしにして役者をやればいいと思う。東出が離婚しようがしまいが、いったんリセットして時間を置いて、また芸能界に帰ってくればいいと思う。新たな恋愛もすればいい。こちらも人生やり直しはきくというものである。

 一方、2013年に婚姻関係だった夫と死別した鈴木杏樹の恋愛物語だが、つき合った相手が本当の「ダメ男」だったということを自覚して忘れてもらおう。本当に相思相愛の純愛だったのだろうか。遊ばれてた感はなかったのか? なかったから自分の運転する高級外車でラブホに行ってたんだもんね。でもまたこの先、自由に恋愛をすればいい。

 不倫っていうものは、浮気された奥さんは、自分を裏切った旦那以上に浮気相手に敵意を持ち、怒りと恨みを抱くものだ。しかし今さら謝りにもいけないので、「ダメ男」の処理に期待しよう。つき合った男の書いた謝罪文は失敗だったようだし。「独り身になるつもりでいると聞いていた」を1万%信じていたのだろうか、これは不倫常習犯が1万%使う言葉ですから。

 ここは最大の弱者である喜多村緑郎の奥さんのコメントも出たところで、「すべて自分の責任」と言ったその「責任」をどう取れるのかしっかりと考えてあげてほしい。少しはいいヤツなら鈴木杏樹のことも考えてくれるのだが、そこはどうだろうか。疑問である。もう鈴木杏樹のことは忘れて、目の前の嫁さんの対策だけを考えているような人物である気がする。残念な人である。

あなたにオススメ

「不倫報道ラッシュにおける男の詫び方、女の詫び方」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。