新型コロナ関連でも蔓延する育児自己責任論。小児科医が語る「子育てはだいたいでいい」

文=森戸やすみ
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「GettyImages」より

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が話題ですね。なにが新型なのかというと、従来のコロナウイルスは風邪の原因として知られています。風邪の症状がある人を調べると、10〜35%はコロナウイルスが起こしているんです。そういうありふれたウイルスが変化して、重症肺炎を起こすことが問題になっています。

 2002年に問題になったSARSと2012年のMERSも新しいタイプのコロナウイルスが原因でした。今回、変化してしまった理由や媒介する動物などは、まだわかっていません。「新型コロナウイルスはHIV(エイズウイルス)から人為的に作られた生物兵器だ」というのはデマです。

 2月27日に安倍首相が、全国すべての小・中学校、高等学校、特別支援学校に対して、3月2日から春休みまで休校にすることを要請しました。木曜日の夕方に、翌週月曜日から休むようにいわれたものの、具体的な方策の発表はなかったので子どもたちはもちろん、保護者も学校側も大変です。あと2週間あまり授業や学校行事があると思っていたのに、突然多くの荷物を持ち帰ることになり、心の準備のできないまま卒業式もできなくなったという映像がテレビやWebのニュース、SNSで流れました。

母親だけに押し付けないで

 共働き世帯が多く利用している保育園、こども園、それに幼稚園は一斉休園を要請しないということになりましたが、そういった場所で働いている人の、小学生以上の子どもの行き場がなくなったため、なるべく登園しないでほしいというところもあるようです。

 私が気になったのは、子育ては女性の仕事だと思っている人たちの声です。こういう事態になって「お母さんは大変だね」とまったく他人事のようにいわれたというツイートを目にしました。「職場につれてくればいいじゃない」という男性上司がいて、しかもその男性が子持ちであったために絶望したという女性の意見もありました。以前、朝日新聞の医療サイト・アピタルの連載「小児科医ママの大丈夫!子育て」でも書きましたが、子連れ出勤が続くことは子どもにとっても親にとっても望ましいものではありません。

 特に、元都知事がTwitterで医療関係者、看護師、女医が職場に出てこられなくなって混乱するだろうということをいっていたのは、認識がおかしいと思いました。男の医者は子育てせずに済むと思っているんですね。非常事態に、性差別が露呈しました。

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