まるか食品の「ペヤングやきそば」は、カップ焼きそば界でも特異な存在です。主に関東地方では一種のソウルフード的な扱いを受けており、過去にはおいしいものから奇をてらいすぎたものまで様々なコラボ商品が発売されてきました。
そんなペヤングやきそばのうち、今回は“面白”を狙いすぎておかしな方向にいってしまった感のある商品を紹介していきたいと思います。
➀「ペヤング スカルプDやきそば」は食品なのか!?
最初に取り上げるのは、2018年12月に発売された「ペヤング スカルプDやきそば」(販売中)。アンファーの育毛商品「スカルプD」とコラボした異色すぎるカップ焼そばです。
まるか食品の「ペヤングやきそば」は有名ラーメン店をはじめ、ラーメン以外の食品やお店とのコラボが多く、フットワークの軽さも大きな特徴です。ただし、この商品は「スカルプD」という、食品とはまったく関係のないものとコラボしてしまった、ペヤングらしいぶっ飛んだ商品です。
【内容量】 | 111g(めん90g) |
【栄養成分表示】 | エネルギー:503kcal たん白質:9.9g 脂質:24.6g 炭水化物:60.6g 食塩相当量:4.3g |
食品ではない商品との謎コラボということに加え、パッケージには「ヌルヌルしお味」という、とても手に取り易いとは言えない記載も見られましたが、味は至って正統派でした。わかめに加え、昆布やひじきなどの海藻(たぶん頭髪に良いから)がたっぷり入っていて具だくさん。
ソースにも、「さけエキス」や「びわ葉エキスパウダー」といった髪に優しいとされる材料がこれでもかと入っていて、しかも、味もきちんとおいしい。
食品からかけ離れるであろう「スカルプD」を思わせるような味や香りはまったくなく、話題性だけではなく、味もしっかりともなったおいしい塩焼そばでした。
②「ペヤング ソースやきそば 超超超大盛 GIGAMAX」はお湯を1.3ℓも要求
続いては、2018年6月に発売された「超超超大盛 GIGAMAX」(販売中)。ノーマルサイズのペヤング約4個分の麺量で、カロリーも驚異の2000kcal超え! とても1人で食べるサイズではありません。
この商品が発売される前にも、ペヤングは普通サイズ、大盛サイズ(麺量約1.5倍)、超大盛サイズ(麺量約2倍)の3サイズが発売されていて、特に「超大盛」は“パーティーサイズ”とも揶揄されるほど、おかしなサイズ感でした。
【内容量】 | 439g(めん330g) |
【栄養成分表示】 | エネルギー:2142kcal たん白質:28.5g 脂質:120.7g 炭水化物:235.3g 食塩相当量:13.5g |
そして、「超大盛」の麺量2倍でも強烈なインパクトだったのに、この「GIGAMAX」は何と、通常サイズの麺量が90gなのに対し、366g(3.67倍)!そしてカロリーは544kcalに対して2142kcal(3.87倍)!
この商品を見た方は誰しもが思ったはずです。ペヤングはついに頭がおかしくなったのかと。メーカーとしては、往年のクイズダービーばりに「倍率ドン!さらに倍!」的な軽いノリだったのかもしれませんが、食べる側としては苦行以外の何物でもありませんでした。
そして困ったことに、調理に必要なお湯が1.3ℓと大量で、いつも使っている電気ケトルでは対応できずに、急遽やかんを引っ張り出してきてお湯を沸かすという苦労もありました。
この後も、「激辛やきそば」、「マヨネーズMAX」と続けて、麺量4倍のGIGAMAXが発売されました。今後もこのシリーズがさらに続いていくのなら、かなり恐怖です。
③「ペヤング 獄激辛やきそば」はリタイヤ続出!
最後に紹介するのは、2020年2月発売の「ペヤング 獄激辛やきそば」(販売中)。ペヤング史上最強の激辛商品という触れ込みで登場したカップ焼そばです。
そもそも、2012年に初登場した「激辛やきそば」、2017年の「もっともっと激辛MAX」、そして2018年の「ペヤング 激辛やきそばEND」と、発売されるたびに最強の激辛商品と謳われてきました。特に「激辛やきそばEND」はさすが終末だけあって、これ以上はないだろうと思わせるカタストロフな激辛ぶりでした。
そして、最新作の「極激辛やきそば」は、その「激辛END」の3倍辛いという触れ込み。パッケージの閻魔大王の顔が赤いので、実は赤い彗星のシャアなのかもしれません。
【内容量】 | 119g(めん90g) |
【栄養成分表示】 | エネルギー:542kcal たん白質:9.6g 脂質:25.9g 炭水化物:67.6g 食塩相当量:3.6g |
見た目は恐怖を煽ってくるような真っ赤というわけではないのですが、食べてみて驚愕。これは辛い。唐辛子の苦味を伴った風味から、口を総攻撃してくる強烈な痛み。これまで数々の激辛商品を経験してきましたが、この商品の辛さは別格。筆者は辛いものは得意だと思っていたのに、この商品では辛さに耐えられず、完食せずにリタイアしてしまいました。
念のため断っておきますが、筆者はこれでも一応、激辛と謳われるお店でも特に苦もなく色々食べられるし、激辛レトルトカレーの「LEE」の40倍だって難なく食べられます。当然、カップ麺の「蒙古タンメン中本 北極」や「辛辛魚」もぺろりと平らげます。でもこの商品は駄目でした。人生で何度か経験するだろう大きな挫折をこの商品で味わうこととなりました。
まとめ
味はともかくとして、とにかく奇抜さで目を引くことが多い「ペヤングやきそば」。今回取り上げた3つはいずれも他社ではやらないだろう衝撃的な商品でしたが、とくに最新作の「獄激辛やきそば」の衝撃的な辛さは、超えてはいけない壁を超えてしまった印象を持ちました。
今回の3商品の他にも多くのキャッチーな商品が発売されており、今後もいっそう奇抜な商品が発売されていくことでしょう。いずれまた続報をお届けできればと思っております。