長い臨時休校に7割の保護者「困っている」 新学期はどうなる?

文=宮西瀬名
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「GettyImages」より

 新型コロナウイルスへの対策として全国の小・中・高校などが休校要請を受けてから10日以上が経過した。休校に付随する様々な困難を訴える声は当初よりSNSなどでも響いていたが、認定NPO法人フローレンスの緊急調査によれば、実情はかなり深刻だ。

 フローレンスは「一斉休校に関する緊急全国アンケート」を実施し、休校・休園対象となった子供のいる保護者8339人から回答を集め、3月10日にその結果を発表した。

 休校措置に対する回答では「とても困っている」が19.8%、「困っている」が48.3%と多く、約7割の保護者が「困っている」。特にひとり親世帯は73.4%、世帯年収300万円未満の家庭では75.2%が「とても困っている/困っている」と回答している。朝から夜まで子どもを学童に預けられれば普段と変わらず仕事に行けるかもしれないが、そのようにできる家庭ばかりではないだろう。

 「臨時休校・休園の影響として困っていること、心配なこと」では、「子どもが運動不足になること」(69.9%)、「休校・休園自体や友だちと会えないことによる子どものストレス・心のケア」(56.8%)、「学習に遅れが出ること」(56.6%)、「子どもの日中の居場所・遊び場所がないこと」(50.6%)など、あらゆる角度から子どもへの影響が懸念されている。そして保護者自身もまた、負担を感じている(「生活環境が変わることによる自身のストレス」35.5%)。

 また、調査で明らかになった子どもと保護者のストレスに関するエピソードは、とても軽視できるものではなかった。

<環境の変化についていけず、元々あったパニック障害が余計にひどくなりました>

<6年生の子が、残り○日とカウントダウンして小学生生活をしていて休校が決まった日は、泣いてその後に壁などを蹴ったりあばれました。情緒的に不安定な子で月に数回カウンセリングに通っています。両親ともに休めない仕事で側にいてやれずかなり不安定になっています>

<家庭が荒んで、こどもをかなり強く怒鳴りつけてしまいました。あと少しで手が出るところでした。この一線を超えてしまう親もいるのではないかと思い戦慄しました>

<全てがストレスだけど、環境が変わるのが1番のストレスです。 今回の休校で虐待しそうになる精神状態ギリギリの人は増えると思います。 その辺のケアもしっかりして欲しい>

居場所・遊び場の確保が急務

 「行政や民間企業による支援策として、どんなものがあったら助かるか」については、「日中の子どもの居場所・遊び場の提供」(52.5%)、「学校の授業の遅れを補填する公的な教育支援」(50.2%)、「休校・休園対応のためにかかる支出の補填」(39.8%)、「お弁当や簡単に食べられる食品などの配送サービス」(36.0%)と続く。

 「臨時休校・休園にあたって既に利用しているサービスやご家庭で対応していること」は、「子どもの昼食を用意している」(64.4%)、「本や学習教材」(33.6%)、「子どもだけで長時間留守番させている」(32.7%)。

 この結果を受け、フローレンスは以下のことを政府に求めている。

・校庭開放など、子どもたちが体を動かすことができる居場所を提供してください

・学習の遅れをサポートするWEB教材に留まらない学習支援をお願いします

・経済的に困難な家庭、ひとり親家庭に経済的・物理的・人的支援をお願いします

・子ども達や、子ども連れへの不寛容な言動をやめてください

・子ども及び保護者が疲弊しています。政府は正しい情報とスケジュールを示してください

入学式など新学期のスケジュールは?

 文部科学省は「学校の臨時休業の実施状況、取組事例等について」を発表。各校や地域で取り組んでいる事例や子どもの居場所確保のための工夫などを紹介している。

 例えば「動画配信サイトを利用した生徒とのコミュニケーション」「家庭訪問を実施し体調や学習状況の確認をする」「課題プリント配布やICTを活用した家庭学習のサポート」などだが、当然のことながら主に学習面での支援が多い印象だ。

 家庭や学童にこもるのではなく公園や野外施設で体を動かしたい子どもも多い。だが11日付毎日新聞によると、公園で子どもたちが遊んでいることに「家庭で過ごすべきだ」「うるさい」と苦言や苦情を申し立てる地域住民もおり、全国各地で学校から保護者へ注意喚起のメールを送るなど対応に追われているという。

 こうした問題を受け、文科省は9日、臨時休校要請は児童らの屋外での適度な運動や散歩を妨げるものではないと通知。子どもの健康維持のためにも外遊びを過剰に制限するべきではない。

 萩生田光一文部科学大臣は3月10日の閣議会見で学校再開について「当面は臨時休校を進めていく必要がある」としたが、何らかの見通しは必要だろう。3月いっぱいは休校とし春休みに入ることを決めた学校は多いが、では4月以降の予定はどうなるのか。入学式や新学期の日程を気にかけているのは学校関係者だけでなく保護者も同様だ。

 大学では東京工業大学や千葉大学など、すでに入学式の中止を発表したところもある。早稲田大学では入学式中止だけではなく、授業開始日を当初予定していた4月6日から早くとも4月20日に延期する意向を示した。小・中・高校についても、入学式だけでなく授業開始日などのスケジュールをそろそろ見通さなければならないだろう。

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